クイズ大陸



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?たいふ 2006/11/04 20:10
折角、予告までして頂いたので、ご厚意に甘え…
(解答編)

たいふ「今回の事件、暗号は終始、洒落のようなものでした。今回は『危い君主』が
   ポイントです。君主は英語で『Lord』=ロード=『Road』=道ということでしょうね」
若刑事「道・・・危い道・・・道浦歩美が犯人ですか?詩にも『大理石の歩道』
   『滑ってゆく』とありますし・・・」
たいふ「いや、少なくとも『歩道』自体は歩行者の安全の為に設けられた道で『危く』ない」
若刑事「あと、危険な道といえば、十字巷路・・・ですが・・・?」
たいふ「この詩では十字巷路は『よつつじ』と読むんです・・・」
若刑事「あっ!・・・でも、危い君主は『裁くべからず』って言ってますし犯人ではない
    ということなのでは?」
たいふ「いや、それは仲原自身が『夢を抱いて静かに眠りたい』から『裁くべからず』なの
   でしょう。彼は調査の過程で坂本の四辻に対するDVを知ったはずです。坂本
   は浮気調査と言っていますが、実はこれの露見を恐れ、誰かに相談していないか
   を確かめたかったのでしょう」
若刑事「…それがどう『夢を抱いて静かに眠りたい』から『裁くべからず』に繋がるんです?」
たいふ「仲原は、同情して四辻に何かとアドバイスしたのではないでしょうか。『あんな男の
   傍にいては、いつか殺されてしまいますよ。警察に相談するべきだ』とかね。しかし、
   彼女は『それでも坂本を愛している』と言って聞かなかったのでしょう」
若刑事「酷い暴力を受けながら、それでも愛している…恋は盲目…ですね。そんな彼女の
   姿に同情が何時しか慕情に変わり、坂本に憎悪の念を持つようになっていったという
   ことですか?」
たいふ「おそらく…。坂本を殺害し、彼女を自由にしたかった。しかし彼女は愛する人を失って
   絶望し、犯人を恨んだでしょう。それに仲原は気付かなかった。彼女が自分を殺そうと
   目の前に現れた時にようやく気付いた、自分の過ちに…『自分が想いを寄せる相手に
   殺されるなら、それで彼女が満足するなら、本望だ。だから彼女を罪に問わないで
   欲しい』ということでしょうね。最後2行の詩の意味は…」
若刑事「・・・庇うつもりならなぜDMなんて残したのでしょうか?」
たいふ「それは仲原が、どこまでも詩人でありそして、真実を探求する探偵であった
   ということです」
若刑事「…やるせないですね。それでも四辻は逮捕しなければいけません。たいふさん、
   わざわざありがとうございました。では」

警察署を後にする時、たいふはこう呟いた。
(…彼女は、この世にもういまい。恋人の元に旅立ったはずだから…安心して逝きなさい。
もう誰も彼女を裁く事は出来ない。これが、あなたの思う『裁くべからず』ではなかった
としてもね、仲原さん…)
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