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たいふ
2006/09/30 21:07
(解決編+α)
たいふ「やれやれ…生徒の漢字名をよく見てくれ」
若刑事「漢字?…あっ!太田太!!漢字の回文ですね、でも、これじゃ容疑者は三
人になっちゃいますよ?」
たいふ「私の説明を最後まで聞かなかったからだよ。句の特徴は回文だけではなく、もう一つ存在する」
若刑事「もう一つの特徴?」
たいふ「そう、俳句を詠むにあたって、幾つかのルールが存在する。
【字余りは避ける】とか【重季の句は詠まない】などだが、最も一般的なのは…」
若刑事「はいっ、先生!!【季語】ですね」
たいふ「よく出来ました。そう、【季語を入れる】こと。被害者の句には季語が無い。
仮にも俳句の先生である彼がその禁を犯すとは思えない。つまり彼は犯人を示
すために意図的に季語を入れなかったと考えるべきだろう」
若刑事「ええと、それは、犯人の名前に季節が…」
たいふ「……では私は何のために生徒の句を探してもらったのかな?
【初詣で、サクラ、若葉】は春、【梅雨】は夏、【銀杏、彼岸花、いわし雲】
は秋、【サンタ】は冬の季語だ」
若刑事「えっと、つまり…だから…!!太田太!!【名前が回文で、句に季語を詠ん
でいない】すぐに逮捕に向かいます。捕まえたら行きますから、バーで待ってて
くださぁい…」
たいふ「フッ、君のツケで飲んで待っているよ…」
(10月 某日 BAR「終の棲家」)
たいふ「やぁ、若くん。あの事件以来だね」
若刑事「先日はどうも。おかげさまで事件解決です。お礼だと思えばあれ位は
何時でも奢りますよ。ところで、奴の部屋から一つの句を見つけたんですが、
たいふさんはどう解釈されますか?」
たいふ「ん? 私は俳句の先生ではないのだが…まぁ、酔い覚ましには丁度良いか」
【目を閉じて 甘く愛しき アマポーラ】
若刑事「如何ですか?」
たいふ「もし、この句をあの教室で詠んでいたら事件の解決は遅れていただろうね。
それから、四季を全て感じることのできる本当に、かなしい句だと思うよ」
事件は無事に解決することが出来たが、最後の句を私は一体どう解釈したのだろうか。
これを解き明かして、この昔語りを終わりにしましょうか。
たいふ「やれやれ…生徒の漢字名をよく見てくれ」
若刑事「漢字?…あっ!太田太!!漢字の回文ですね、でも、これじゃ容疑者は三
人になっちゃいますよ?」
たいふ「私の説明を最後まで聞かなかったからだよ。句の特徴は回文だけではなく、もう一つ存在する」
若刑事「もう一つの特徴?」
たいふ「そう、俳句を詠むにあたって、幾つかのルールが存在する。
【字余りは避ける】とか【重季の句は詠まない】などだが、最も一般的なのは…」
若刑事「はいっ、先生!!【季語】ですね」
たいふ「よく出来ました。そう、【季語を入れる】こと。被害者の句には季語が無い。
仮にも俳句の先生である彼がその禁を犯すとは思えない。つまり彼は犯人を示
すために意図的に季語を入れなかったと考えるべきだろう」
若刑事「ええと、それは、犯人の名前に季節が…」
たいふ「……では私は何のために生徒の句を探してもらったのかな?
【初詣で、サクラ、若葉】は春、【梅雨】は夏、【銀杏、彼岸花、いわし雲】
は秋、【サンタ】は冬の季語だ」
若刑事「えっと、つまり…だから…!!太田太!!【名前が回文で、句に季語を詠ん
でいない】すぐに逮捕に向かいます。捕まえたら行きますから、バーで待ってて
くださぁい…」
たいふ「フッ、君のツケで飲んで待っているよ…」
(10月 某日 BAR「終の棲家」)
たいふ「やぁ、若くん。あの事件以来だね」
若刑事「先日はどうも。おかげさまで事件解決です。お礼だと思えばあれ位は
何時でも奢りますよ。ところで、奴の部屋から一つの句を見つけたんですが、
たいふさんはどう解釈されますか?」
たいふ「ん? 私は俳句の先生ではないのだが…まぁ、酔い覚ましには丁度良いか」
【目を閉じて 甘く愛しき アマポーラ】
若刑事「如何ですか?」
たいふ「もし、この句をあの教室で詠んでいたら事件の解決は遅れていただろうね。
それから、四季を全て感じることのできる本当に、かなしい句だと思うよ」
事件は無事に解決することが出来たが、最後の句を私は一体どう解釈したのだろうか。
これを解き明かして、この昔語りを終わりにしましょうか。