遅くなってごめんなさい。
では【解答篇】をどうぞ。
(みなさんの解決レスを元に、“言い訳”的内容を追加・・・
)
【解答篇】
「いや先輩、これはおそらくコロシです」
荒方にそう言われて、僕はちょっと考えた。
──なるほど、この薬瓶は桧枝草美がどこか──おそらくは大学の研究室かどこかだろう──から持ち出してきたものだろう。そうであれば彼女以外の指紋もついていなくてはおかしい。
「そうか、犯人が指紋を一旦拭き取って、その後で被害者のをつけたというワケか」
「あ、いえ、そうではないんです。実際、やや古めの指紋は他にもありました。“真新しい指紋”は遺体のものしか無い、ということです。それに犯人は手袋さえ嵌めていればいい訳ですから、敢えて拭き取る必要はありません。殺したい相手の目の前で薬瓶を扱うこともないでしょうから」
「じゃあ、利き手の問題・・・」
「いえ、それもありますが、瓶には遺体の左手の指紋が付いていました。被害者は右利きのようですので、左に瓶を持つのは自然です。よしんば右手の指紋が付いていたとしても、利き手と逆の手で瓶を持つとは限らないので決定打にはならないと思います」
「じゃあ、どこがおかしいんだ?」僕は焦れて聞いた。
「蓋です」
「蓋?」
「蓋についていた指紋も、瓶と同じく左手のものだったんです」
昨日の杉山痒平もコロシ。それも同じ大学の同じサークル。おそらく二人は顔見知り──
同一犯による連続殺人だろうか。それにしては昨日の事件は典型的な衝動殺人で、今日のは詰めが甘いとは言え計画的殺人、とタイプが違う。
荒方はちょっと不安そうな、それでいて高揚を抑え切れないような顔つきになっていた。
我々は、まずは春日野大学で聞き込みから始めることにした。
kaito 2006/03/18 02:18
では【解答篇】をどうぞ。
(みなさんの解決レスを元に、“言い訳”的内容を追加・・・ )
【解答篇】
「いや先輩、これはおそらくコロシです」
荒方にそう言われて、僕はちょっと考えた。
──なるほど、この薬瓶は桧枝草美がどこか──おそらくは大学の研究室かどこかだろう──から持ち出してきたものだろう。そうであれば彼女以外の指紋もついていなくてはおかしい。
「そうか、犯人が指紋を一旦拭き取って、その後で被害者のをつけたというワケか」
「あ、いえ、そうではないんです。実際、やや古めの指紋は他にもありました。“真新しい指紋”は遺体のものしか無い、ということです。それに犯人は手袋さえ嵌めていればいい訳ですから、敢えて拭き取る必要はありません。殺したい相手の目の前で薬瓶を扱うこともないでしょうから」
「じゃあ、利き手の問題・・・」
「いえ、それもありますが、瓶には遺体の左手の指紋が付いていました。被害者は右利きのようですので、左に瓶を持つのは自然です。よしんば右手の指紋が付いていたとしても、利き手と逆の手で瓶を持つとは限らないので決定打にはならないと思います」
「じゃあ、どこがおかしいんだ?」僕は焦れて聞いた。
「蓋です」
「蓋?」
「蓋についていた指紋も、瓶と同じく左手のものだったんです」
昨日の杉山痒平もコロシ。それも同じ大学の同じサークル。おそらく二人は顔見知り──
同一犯による連続殺人だろうか。それにしては昨日の事件は典型的な衝動殺人で、今日のは詰めが甘いとは言え計画的殺人、とタイプが違う。
荒方はちょっと不安そうな、それでいて高揚を抑え切れないような顔つきになっていた。
我々は、まずは春日野大学で聞き込みから始めることにした。