それでは解答編です。
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まずは暗号を解く為のヒント、「旧くに下る基本の原因、その故に許すまじ。」に注目した降旗警部補。
降旗「文語的な書き方の割には、『基本』とか『原因』なんて言葉が変だな。それに『古く』じゃなくてわざわざ『旧く』としてる所も…。何か意味があるのだろうか…。」
しばらくその文を見つめていたが、ふと気が付いた事があり、国語辞典や漢和辞典を引っ張り出してきた。
降旗「下・基・本あたりで、もしやと思ったが、やはり…。この中に出てくる8つの漢字は、すべて『もと』という読み方が出来るんだ。ただ、この8つで全部ではないな。一般的によく使う、『もと』と読める漢字といえば、あとは…『元』と『素』くらいかな?
『元』と『素』なら…『元素』ということか!」
今度は化学の参考書を引っ張り出してくる。
降旗「この暗号は元素の周期表を示しているわけだ。3-1なら第3周期の第1族の元素、つまりナトリウムだな。これで7-3-4や7-3-14の意味も分かる。7-3が89〜103番のアクチノイドで、そのうちの4番目とかいう意味だったんだな。後は暗号を解読するだけか。』
ひとつひとつが表す元素を書き下していくと…
Na W Os I Ru Se N U Mo No
ナヲシルセヌモノ
降旗「…?元素記号をローマ字に見たてればうまく読めるが…
『名を記せぬ者』とは、一体誰の事だ…?」
再び考え込む降旗。『名を記せぬ者』、つまり名前が書けない人物とは…
降旗「わざわざ暗号を使うんだから、ターゲットの名前をそのまま暗号にすればいいのに、どうしてそうしなかったんだろうか…?それはつまり、『名を記せぬ者』とあるように、そのターゲットの名前が書けなかったからではないか?」
今度は周期表を前に、何やら作業をし始めた降旗。そしてその手が止まった。
降旗「ターゲットリストの名前をこの暗号で書いてみると…
いしげ・てるひこ I Si Ge Te Ru H I K O
せんばやし・りゅうた Se N Ba Y As Ir Y U Ta
たかうら・すばる Ta K Au Ra S U Ba Ru
きぬがさ・まり K In U Ga S Am Ar I
しんどう・たけし Si Nd O Ta K Es I
この5人はこれで書ける。そして残る桜井悦次は…
最初はSaという記号がないからSを使うが、その後にAもAkもない。
下の名前に至っては、ZがZnとZrにしか使われていないし、Jは一度も使われていないから、ざ行が全く表せない。『じ』が入ってる時点でアウトだな。
つまり、『名を記せぬ者』というのは、この元素記号を使った暗号では名前を書き記す事が出来ない人物。ターゲットは、桜井悦次だ!」
こうして我々は桜井氏の警護を固め、その夜を乗り切る事が出来ました。次の日、署にこんな手紙がきていましたよ。
『今回も私の負けのようですね。
また機会があれば参上します。
怪盗ブラッド』
捕まえる事は出来ませんでしたが…次こそは、必ず。
今井「次こそは、僕が暗号を解いてみせます!でも降旗さん、元素って何でしたっけ?」
降旗「…………皆様ご協力誠にありがとうございました。」
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暗号の形式上、すべての文を暗号で表せるわけではなく、元素記号だけで作れるような文でないといけない、と言う事を逆手にとって考えた問題でした。
参加して下さった皆様、ありがとうございます
吉近 2006/03/13 00:33
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まずは暗号を解く為のヒント、「旧くに下る基本の原因、その故に許すまじ。」に注目した降旗警部補。
降旗「文語的な書き方の割には、『基本』とか『原因』なんて言葉が変だな。それに『古く』じゃなくてわざわざ『旧く』としてる所も…。何か意味があるのだろうか…。」
しばらくその文を見つめていたが、ふと気が付いた事があり、国語辞典や漢和辞典を引っ張り出してきた。
降旗「下・基・本あたりで、もしやと思ったが、やはり…。この中に出てくる8つの漢字は、すべて『もと』という読み方が出来るんだ。ただ、この8つで全部ではないな。一般的によく使う、『もと』と読める漢字といえば、あとは…『元』と『素』くらいかな?
『元』と『素』なら…『元素』ということか!」
今度は化学の参考書を引っ張り出してくる。
降旗「この暗号は元素の周期表を示しているわけだ。3-1なら第3周期の第1族の元素、つまりナトリウムだな。これで7-3-4や7-3-14の意味も分かる。7-3が89〜103番のアクチノイドで、そのうちの4番目とかいう意味だったんだな。後は暗号を解読するだけか。』
ひとつひとつが表す元素を書き下していくと…
Na W Os I Ru Se N U Mo No
ナヲシルセヌモノ
降旗「…?元素記号をローマ字に見たてればうまく読めるが…
『名を記せぬ者』とは、一体誰の事だ…?」
再び考え込む降旗。『名を記せぬ者』、つまり名前が書けない人物とは…
降旗「わざわざ暗号を使うんだから、ターゲットの名前をそのまま暗号にすればいいのに、どうしてそうしなかったんだろうか…?それはつまり、『名を記せぬ者』とあるように、そのターゲットの名前が書けなかったからではないか?」
今度は周期表を前に、何やら作業をし始めた降旗。そしてその手が止まった。
降旗「ターゲットリストの名前をこの暗号で書いてみると…
いしげ・てるひこ I Si Ge Te Ru H I K O
せんばやし・りゅうた Se N Ba Y As Ir Y U Ta
たかうら・すばる Ta K Au Ra S U Ba Ru
きぬがさ・まり K In U Ga S Am Ar I
しんどう・たけし Si Nd O Ta K Es I
この5人はこれで書ける。そして残る桜井悦次は…
最初はSaという記号がないからSを使うが、その後にAもAkもない。
下の名前に至っては、ZがZnとZrにしか使われていないし、Jは一度も使われていないから、ざ行が全く表せない。『じ』が入ってる時点でアウトだな。
つまり、『名を記せぬ者』というのは、この元素記号を使った暗号では名前を書き記す事が出来ない人物。ターゲットは、桜井悦次だ!」
こうして我々は桜井氏の警護を固め、その夜を乗り切る事が出来ました。次の日、署にこんな手紙がきていましたよ。
『今回も私の負けのようですね。
また機会があれば参上します。
怪盗ブラッド』
捕まえる事は出来ませんでしたが…次こそは、必ず。
今井「次こそは、僕が暗号を解いてみせます!でも降旗さん、元素って何でしたっけ?」
降旗「…………皆様ご協力誠にありがとうございました。」
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暗号の形式上、すべての文を暗号で表せるわけではなく、元素記号だけで作れるような文でないといけない、と言う事を逆手にとって考えた問題でした。
参加して下さった皆様、ありがとうございます