No. 42≫ No.43 ≫No. 44
KYO and HIKARU
2006/02/09 18:13
―正解―
2人の少年が向かった先は、何処かの事務所だった。「CLOSED」の札がかかった扉を、何の躊躇いも無く開く。
「おはようございまーすっ」
「あ。おはよう」
室内に居るのは、少年に暗号を出題した3人の少女と、青年。
「もう解けたのかな? じゅ・・・」
「ゲホゴホガバッ! ・・・僕も解けたよ。面倒くさいから、説明はJに任せるけど」
「あのなぁ、けん・・・」
「ゴフッゲホッグハッ!」
「・・・Kも説明しろよ」
「Jに任せる」
少年――Jは、しばらくKの笑顔を眺めた後、ため息をついた。
「とにかく。梢さん、詩珱さん、未珱さん――僕は解けましたよ」
「J君、解くの早いね」
「梢だって、早かったじゃん」
「私が一番遅かったからね〜・・・J君に負けちゃったわ〜」
心得た様子の3人は、苦笑した。
その時、部屋の奥の扉が開いた。槙瀬が顔を出す。
「何だ? J、俺の自信作を、いつもの素早さで解いたのか?」
「ええ、まあ」
「ちぇ。俺もまだまだか」
槙瀬は奥に引っ込んでしまった。いつもの調子で梢が呻く。
「私達に解説を任せる気かっ」
「・・・じゃあ梢さん、良いですか?」
「・・・。わかった」
そしてJの解読が始まった。
(ここから先は、J君の台詞です)
まず、それぞれの文章の「前半」。
種類ごとに分類すると「東西南北」「春夏秋冬」「赤青黒白」「水炎木金」の4種類ですよね。
それから「詩人」は「四神」、青竜・玄武・朱雀・白虎ですね。四神は方角・季節・色・五行――使うのは4つだけど――を、属性として持っていますからね。
青竜=東・春・青・木
玄武=北・冬・黒・水
朱雀=南・夏・赤・炎
白虎=西・秋・白・金
次に「後半」です。
これは「あるかな?」=「アルカナ」、つまりタロットカードですね。カードの種類からして大アルカナを使うようですが、「時計」――1〜12のカードしか使わないでしょう。
これで、解読表の「軸」が決まりました。
でも、解読表に当てはめる四神の順番がわかりませんよね。それで、解読表にはどんな文字を使うのか、考えてみたんです。
4×12=48。だから、「いろは文字」に「ん」を付け加えた物が、解読表の文字ですね?
これで、「クリスマス」から、四神の順番を決められます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
青竜 い ほ り わ れ な ゐ や こ さ み も
玄武 ろ へ ぬ か そ ら の ま え き し せ
朱雀 は と る よ つ む お け て ゆ ゑ す
白虎 に ち を た ね う く ふ あ め ひ ん
あとは、この解読表に沿って暗号を解読し、濁点などを補えば・・・。
「しむしよのとなりのきつさてんくの」
↓
「事務所の隣の喫茶店『久野』」
(通常文に戻します)
「――だから、パーティを開いた場所って、ここの隣にある喫茶店でしょう?」
「大正解! さっすが探偵君だね!」
3人がパチパチと拍手する。何故かKが胸を張った。
「ぼ、僕の手にかかれば、簡単だよ!」
(・・・Kは何もしてないだろうに・・・)
「J、何か思った?」
「いや何も」
そこで再び槙瀬が現れた。
「はい、正解したからプレゼントな。2人で仲良く分けろよ?」
どうやらJが正解している事を見越して、プレゼントを取りにいっていたようだ。小さなケーキの箱を、Jに手渡す。
「改めて、メリー・クリスマス!」
――事務所からの帰り道、Kは心の中で呟いた。
(Jが言ってる事、難しくてあんまりわからなかったな・・・。J、君ハ本当ニ小学生カイ?)
「K、何か思った?」
「いや何も」
KYO and HIKARU 2006/02/09 18:13
2人の少年が向かった先は、何処かの事務所だった。「CLOSED」の札がかかった扉を、何の躊躇いも無く開く。
「おはようございまーすっ」
「あ。おはよう」
室内に居るのは、少年に暗号を出題した3人の少女と、青年。
「もう解けたのかな? じゅ・・・」
「ゲホゴホガバッ! ・・・僕も解けたよ。面倒くさいから、説明はJに任せるけど」
「あのなぁ、けん・・・」
「ゴフッゲホッグハッ!」
「・・・Kも説明しろよ」
「Jに任せる」
少年――Jは、しばらくKの笑顔を眺めた後、ため息をついた。
「とにかく。梢さん、詩珱さん、未珱さん――僕は解けましたよ」
「J君、解くの早いね」
「梢だって、早かったじゃん」
「私が一番遅かったからね〜・・・J君に負けちゃったわ〜」
心得た様子の3人は、苦笑した。
その時、部屋の奥の扉が開いた。槙瀬が顔を出す。
「何だ? J、俺の自信作を、いつもの素早さで解いたのか?」
「ええ、まあ」
「ちぇ。俺もまだまだか」
槙瀬は奥に引っ込んでしまった。いつもの調子で梢が呻く。
「私達に解説を任せる気かっ」
「・・・じゃあ梢さん、良いですか?」
「・・・。わかった」
そしてJの解読が始まった。
(ここから先は、J君の台詞です)
まず、それぞれの文章の「前半」。
種類ごとに分類すると「東西南北」「春夏秋冬」「赤青黒白」「水炎木金」の4種類ですよね。
それから「詩人」は「四神」、青竜・玄武・朱雀・白虎ですね。四神は方角・季節・色・五行――使うのは4つだけど――を、属性として持っていますからね。
青竜=東・春・青・木
玄武=北・冬・黒・水
朱雀=南・夏・赤・炎
白虎=西・秋・白・金
次に「後半」です。
これは「あるかな?」=「アルカナ」、つまりタロットカードですね。カードの種類からして大アルカナを使うようですが、「時計」――1〜12のカードしか使わないでしょう。
これで、解読表の「軸」が決まりました。
でも、解読表に当てはめる四神の順番がわかりませんよね。それで、解読表にはどんな文字を使うのか、考えてみたんです。
4×12=48。だから、「いろは文字」に「ん」を付け加えた物が、解読表の文字ですね?
これで、「クリスマス」から、四神の順番を決められます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
青竜 い ほ り わ れ な ゐ や こ さ み も
玄武 ろ へ ぬ か そ ら の ま え き し せ
朱雀 は と る よ つ む お け て ゆ ゑ す
白虎 に ち を た ね う く ふ あ め ひ ん
あとは、この解読表に沿って暗号を解読し、濁点などを補えば・・・。
「しむしよのとなりのきつさてんくの」
↓
「事務所の隣の喫茶店『久野』」
(通常文に戻します)
「――だから、パーティを開いた場所って、ここの隣にある喫茶店でしょう?」
「大正解! さっすが探偵君だね!」
3人がパチパチと拍手する。何故かKが胸を張った。
「ぼ、僕の手にかかれば、簡単だよ!」
(・・・Kは何もしてないだろうに・・・)
「J、何か思った?」
「いや何も」
そこで再び槙瀬が現れた。
「はい、正解したからプレゼントな。2人で仲良く分けろよ?」
どうやらJが正解している事を見越して、プレゼントを取りにいっていたようだ。小さなケーキの箱を、Jに手渡す。
「改めて、メリー・クリスマス!」
――事務所からの帰り道、Kは心の中で呟いた。
(Jが言ってる事、難しくてあんまりわからなかったな・・・。J、君ハ本当ニ小学生カイ?)
「K、何か思った?」
「いや何も」