仏法僧からの手紙 ※正解発表 ≫No. 1
そう
2005/06/29 23:48
深山 美薗(23)。彼女が失踪してからどれだけの時間がたったのだろうか。
東京池袋にある彼女のマンションは、人の出入りが無いまま数ヶ月が経過していた。
彼女の両親が上京してきたことで、初めて彼女の失踪に気づいたのだった。
失踪の発見が遅れたのも、彼女は、家賃や光熱費など全て銀行からの引き落としにしていたし、新聞もとっておらず、郵便が届くのも稀であり、近所づきあいもほとんど皆無という生活をおくっていたためである。
刑事は、徐々に暑さが増していく中、彼女の部屋に日参している。
彼女の部屋には推理小説が本棚にぎっしりと詰め込まれていた。1年ほど前までは都内の推理小説の同好会に入っていたほどだった。
長年の勘というべきか、刑事はこの推理小説同好会のメンバーの中に失踪に関わりを持つものがいると踏んでいた。
美薗は同性もうらやむほどの美貌の持ち主で、同好会のメンバーも、独身既婚を問わず、彼女に言い寄っていたらしい。
刑事は、過去一年の彼らのアリバイを探った。
平野 幹人(34)…既婚。出版社勤務。昨年の10月15日から20日まで、三河地方に一人旅をしている。
笹山 悠太(26)…独身。フリーライター。自由業のため、一年の間日本中を回っていた。
木下 友則(43)…既婚。中華料理店店主。今年の3月23日から4月13日まで信州をぶらぶらまわっている。
仁藤 彰次(58)…既婚。会社重役。木下と同時期に、神戸に出張している。
間宮 宗治(23)…独身。広告代理店勤務。ゴールデンウィークの間、九州をぐるりと旅していた。
つまり、それぞれその間であれば、美薗を連れまわすことが出来たのだ。
刑事は美薗の部屋を丹念に調べ上げ、ある1枚の奇妙な紙切れを見つけた。
それは新聞や雑誌の文字を切り貼りしたものだった。
「関羽と関羽の間に鳥が来る。鳥の来るべき門前にて、花を祭って、お会いしましょう。
仏法僧」
このメモがはさんであったのは鳥類図鑑だった。そこにはブッポウソウという鳥が載っていた。
この鳥は本州以南に生息し、山地の大木の高所にいる。冬には南方に渡る。
霊鳥として名高く、三宝鳥ともいう。
鑑みるに、同好会のメンバーの一人が美薗にこの暗号を送り、それを面白がった美薗が懸命に解き、そして誰かに会った。
こういうことだろう。
さて、いつ、どこに、彼女は向かったのだろうか。そして彼女が会った人物とはいったい。
東京池袋にある彼女のマンションは、人の出入りが無いまま数ヶ月が経過していた。
彼女の両親が上京してきたことで、初めて彼女の失踪に気づいたのだった。
失踪の発見が遅れたのも、彼女は、家賃や光熱費など全て銀行からの引き落としにしていたし、新聞もとっておらず、郵便が届くのも稀であり、近所づきあいもほとんど皆無という生活をおくっていたためである。
刑事は、徐々に暑さが増していく中、彼女の部屋に日参している。
彼女の部屋には推理小説が本棚にぎっしりと詰め込まれていた。1年ほど前までは都内の推理小説の同好会に入っていたほどだった。
長年の勘というべきか、刑事はこの推理小説同好会のメンバーの中に失踪に関わりを持つものがいると踏んでいた。
美薗は同性もうらやむほどの美貌の持ち主で、同好会のメンバーも、独身既婚を問わず、彼女に言い寄っていたらしい。
刑事は、過去一年の彼らのアリバイを探った。
平野 幹人(34)…既婚。出版社勤務。昨年の10月15日から20日まで、三河地方に一人旅をしている。
笹山 悠太(26)…独身。フリーライター。自由業のため、一年の間日本中を回っていた。
木下 友則(43)…既婚。中華料理店店主。今年の3月23日から4月13日まで信州をぶらぶらまわっている。
仁藤 彰次(58)…既婚。会社重役。木下と同時期に、神戸に出張している。
間宮 宗治(23)…独身。広告代理店勤務。ゴールデンウィークの間、九州をぐるりと旅していた。
つまり、それぞれその間であれば、美薗を連れまわすことが出来たのだ。
刑事は美薗の部屋を丹念に調べ上げ、ある1枚の奇妙な紙切れを見つけた。
それは新聞や雑誌の文字を切り貼りしたものだった。
「関羽と関羽の間に鳥が来る。鳥の来るべき門前にて、花を祭って、お会いしましょう。
仏法僧」
このメモがはさんであったのは鳥類図鑑だった。そこにはブッポウソウという鳥が載っていた。
この鳥は本州以南に生息し、山地の大木の高所にいる。冬には南方に渡る。
霊鳥として名高く、三宝鳥ともいう。
鑑みるに、同好会のメンバーの一人が美薗にこの暗号を送り、それを面白がった美薗が懸命に解き、そして誰かに会った。
こういうことだろう。
さて、いつ、どこに、彼女は向かったのだろうか。そして彼女が会った人物とはいったい。