百人一首殺人事件・・裏切り者は誰だ! *正解発表* ≫No. 1
Yossy
2005/07/14 13:53
しばらく静かだったうちの管内で、またまた殺人事件が発生した。
ある中堅企業の社長が自宅応接間で殺されたのである。
この社長はワンマン社長として有名で、最近の業績不振と相まって社内では退陣を求める声が強まっていたらしい。
そして、今度の株主総会では、社長の追い落としを謀る緊急動議が提出されるらしいという噂が密かに囁かれていたという。
株主総会を間近に控え、この動きを察知した被害者は裏切り者を見いだすべく密かに独自調査を進めていたらしく、捜査の過程で発見された被害者の日記に次のような一文があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『やはりあいつが首謀者らしい。
あんなに目をかけてやったのに、まったくもって許せん!
おまけに不正をはたらき私腹を肥やしているとは・・・・。
人 世 ユ 厩 わ
は を ダ の が
い う ぞ た 庵
ふ ち 住 つ は
な 山 む み
り と
明日あいつを呼んできっちり問いただしてやろう。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この日記によれば、被害者には裏切者の目星がついていたに違いない。
しかし、被害者は妻を亡くして一人暮らしだったため当日の来訪者を特定することもできず、また付近の聞き込みでも、被害者宅を訪れた客を見かけたという情報は得られなかった。
この日記が記されたページに百人一首の柿本人麻呂の絵札が挟まれていたこともあって、日記の歌が百人一首にある喜撰法師の歌の替え歌であることは直ぐにわかった。
しかし、被害者は自分の馬を所有している程の競馬好きではあったが、自宅に厩などはなかったので、「どうして日記にこんな替え歌を書き込んだのか? 歌の意味するところは何なのか?」とあれこれ思いをめぐらせている最中に、被害者はかなりの読書家で、推理小説愛好家でもあったという情報が入ってきた。
「とすると、日記には何らかのメッセージが込められているかもしれない。」
ここで例によって閃いた。
「なるほど、厩で生まれたキリストとそれを裏切ったユダ。被害者は自分をユダに裏切られたキリストに喩えてこの替え歌を作ったんだ。『世をうち』は『余を討ち』の掛詞なんだな。つまり、『裏切り者が自分を討とうとしていると人が噂している』ということなんだ。そして、被害者に呼び出され、詰問された犯人がもはやこれまでと犯行に及んだのだろう。」と私は考えた。
「和歌と聖書のコラボレーションか。なんだかミスマッチだな。それにしても犯人は誰なんだ。」
容疑者はアリバイのない以下の6人。
湯屋 都 (ゆや・みやこ 秘書室長)
須田 淳一(すだ・じゅんいち 総務部長)
馬場 和樹(ばば・かずき 総務課長)
嵯峨 勇太(さが・ゆうた 経理部長)
宮津 辰巳(みやず・たつみ 資材部長)
浦野 桐生(うらの・きりお 資材課長)
さて、被害者はだれを裏切り者と考えていたのだろうか?
ある中堅企業の社長が自宅応接間で殺されたのである。
この社長はワンマン社長として有名で、最近の業績不振と相まって社内では退陣を求める声が強まっていたらしい。
そして、今度の株主総会では、社長の追い落としを謀る緊急動議が提出されるらしいという噂が密かに囁かれていたという。
株主総会を間近に控え、この動きを察知した被害者は裏切り者を見いだすべく密かに独自調査を進めていたらしく、捜査の過程で発見された被害者の日記に次のような一文があった。
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『やはりあいつが首謀者らしい。
あんなに目をかけてやったのに、まったくもって許せん!
おまけに不正をはたらき私腹を肥やしているとは・・・・。
人 世 ユ 厩 わ
は を ダ の が
い う ぞ た 庵
ふ ち 住 つ は
な 山 む み
り と
明日あいつを呼んできっちり問いただしてやろう。』
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この日記によれば、被害者には裏切者の目星がついていたに違いない。
しかし、被害者は妻を亡くして一人暮らしだったため当日の来訪者を特定することもできず、また付近の聞き込みでも、被害者宅を訪れた客を見かけたという情報は得られなかった。
この日記が記されたページに百人一首の柿本人麻呂の絵札が挟まれていたこともあって、日記の歌が百人一首にある喜撰法師の歌の替え歌であることは直ぐにわかった。
しかし、被害者は自分の馬を所有している程の競馬好きではあったが、自宅に厩などはなかったので、「どうして日記にこんな替え歌を書き込んだのか? 歌の意味するところは何なのか?」とあれこれ思いをめぐらせている最中に、被害者はかなりの読書家で、推理小説愛好家でもあったという情報が入ってきた。
「とすると、日記には何らかのメッセージが込められているかもしれない。」
ここで例によって閃いた。
「なるほど、厩で生まれたキリストとそれを裏切ったユダ。被害者は自分をユダに裏切られたキリストに喩えてこの替え歌を作ったんだ。『世をうち』は『余を討ち』の掛詞なんだな。つまり、『裏切り者が自分を討とうとしていると人が噂している』ということなんだ。そして、被害者に呼び出され、詰問された犯人がもはやこれまでと犯行に及んだのだろう。」と私は考えた。
「和歌と聖書のコラボレーションか。なんだかミスマッチだな。それにしても犯人は誰なんだ。」
容疑者はアリバイのない以下の6人。
湯屋 都 (ゆや・みやこ 秘書室長)
須田 淳一(すだ・じゅんいち 総務部長)
馬場 和樹(ばば・かずき 総務課長)
嵯峨 勇太(さが・ゆうた 経理部長)
宮津 辰巳(みやず・たつみ 資材部長)
浦野 桐生(うらの・きりお 資材課長)
さて、被害者はだれを裏切り者と考えていたのだろうか?