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ひでぽん
2005/06/13 11:39
解答編
「まず、私が最初に気になったのはズボン後ろポケットに入ったピストルです。出題者は利き手で何かをしようと思ったみたいだけど、それは没になったので放っておくとして。だって、後ろポケットって椅子に座った時、暴発するかもしれないし、お知りに銃が当たって痛いだろうし、後ろからみたらピストルの形が見えちゃうかもしれないし。だから誰かがうつ伏せに倒れた矢向のズボンに入れたのかな?と思ったんです。」
「・・・・」
「そう思ってジュラルミンのケースを見るとこれも不自然なんです。壁に立てかけられてますよね。振り向いて銃を取ろうとした。っていいましたよね?そして撃たれた矢向がジュラルミンのケースをいつ『立てかけた』んです?」
「・・・・」
「最後にスーツのずれた穴です。スーツの穴はYシャツの穴より中央よりについてますね?ということは撃たれた時はスーツが外側に引っ張られていたということです。ジュラルミンケースとあわせて考えると状況が見えてきたんです。」
「・・・・」
「銃を突きつける先輩・・観念する矢向・・ジュラルミンケースをそっと置きふりむいて両手をあげる・・・銃声がして、両手をあげ外に引っ張られたスーツに穴が開き、Yシャツに穴が開き、そして矢向の胸に・・・そして先輩はうつ伏せに倒れた矢向に近づきズボンの後ろポケットにピストルを入れる・・」
「すばらしい推理だ。たぶんそのセンで捜査すれば物的証拠も出るだろうさ。実際その通りだったからな。面倒がらずに内ポケットにでもピストルを入れればよかったかな。さあ、君の手柄だ。私を逮捕しなさい。」
「いいえ。手柄はもうそろそろ来る男にあげるわ。ほら来た。」
「あ、あやぽんさん!大丈夫ッすか!」
あたしは、到着した早とちりデカに事情を話した。
「さあ、彼を逮捕して。あ!その前に。もう一つ気になることがあったんです。銃声がしてから私が駆けつけるまで約5分。ピストルを入れただけにしては長すぎるわ。何をしていたの?」
「なーに、天国にいる妻に報告してたのさ。『敵は討ったぞ』ってな。まあ、下らん自己満足だよ。じゃあな。アディダス!」
「それを言うならアディオスでしょうに・・」
そうつぶやきあたしはこっそりこぼれる涙をぬぐった。
ひでぽん 2005/06/13 11:39
「まず、私が最初に気になったのはズボン後ろポケットに入ったピストルです。出題者は利き手で何かをしようと思ったみたいだけど、それは没になったので放っておくとして。だって、後ろポケットって椅子に座った時、暴発するかもしれないし、お知りに銃が当たって痛いだろうし、後ろからみたらピストルの形が見えちゃうかもしれないし。だから誰かがうつ伏せに倒れた矢向のズボンに入れたのかな?と思ったんです。」
「・・・・」
「そう思ってジュラルミンのケースを見るとこれも不自然なんです。壁に立てかけられてますよね。振り向いて銃を取ろうとした。っていいましたよね?そして撃たれた矢向がジュラルミンのケースをいつ『立てかけた』んです?」
「・・・・」
「最後にスーツのずれた穴です。スーツの穴はYシャツの穴より中央よりについてますね?ということは撃たれた時はスーツが外側に引っ張られていたということです。ジュラルミンケースとあわせて考えると状況が見えてきたんです。」
「・・・・」
「銃を突きつける先輩・・観念する矢向・・ジュラルミンケースをそっと置きふりむいて両手をあげる・・・銃声がして、両手をあげ外に引っ張られたスーツに穴が開き、Yシャツに穴が開き、そして矢向の胸に・・・そして先輩はうつ伏せに倒れた矢向に近づきズボンの後ろポケットにピストルを入れる・・」
「すばらしい推理だ。たぶんそのセンで捜査すれば物的証拠も出るだろうさ。実際その通りだったからな。面倒がらずに内ポケットにでもピストルを入れればよかったかな。さあ、君の手柄だ。私を逮捕しなさい。」
「いいえ。手柄はもうそろそろ来る男にあげるわ。ほら来た。」
「あ、あやぽんさん!大丈夫ッすか!」
あたしは、到着した早とちりデカに事情を話した。
「さあ、彼を逮捕して。あ!その前に。もう一つ気になることがあったんです。銃声がしてから私が駆けつけるまで約5分。ピストルを入れただけにしては長すぎるわ。何をしていたの?」
「なーに、天国にいる妻に報告してたのさ。『敵は討ったぞ』ってな。まあ、下らん自己満足だよ。じゃあな。アディダス!」
「それを言うならアディオスでしょうに・・」
そうつぶやきあたしはこっそりこぼれる涙をぬぐった。