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HIKARU
2005/06/14 18:42
―正解―
しばらく、無言の時が続いた。やがて未珱が痺れを切らす。
「じゃあ、最初っから整理してみるよ〜?」
未珱はペンを取り、書類の裏に書き込み始めた。
<1行目> cloak-(1αβ)+(3αβ)
αβ=アルファベット
よって、(数字)番目のアルファベットを式に当てはめる。
結果:cloak-a+c=clock
<2行目> 6+6=2 90-30=10
1行目と「start12」から、使用するのは時計の文字盤。文字盤の「1分」の角度は6゜。
結果:左辺・・・12を0とした時の角度 右辺・・・左辺の合計を「分」に直した物
<3行目> MAPLE etc...
MAPLE・・・楓(GINKGO=銀杏)
これは紅葉する木々=色づく葉=色葉
(別解:イロハカエデから)
結果:いろは歌
<4行目> 18+24 60+54 60X3+12 ゜12X12 18+24゛100+62 54
2行目と同じ考え方で答えを出す。
18+24=42→7 60+54=114→19 60X3+12 ゜=192゜→32゜
12X12=144→24 18+24゛=42゛→7゛ 100+62=162→28 54→9
3行目から、いろは歌の(数字)番目の文字を拾い出す。
結果:とつぷうどおり=突風通り
ここまで一息に書いて、未珱は一度手を止めた。
「ここまでは、皆わかったよね〜?」
「うん。でも『突風通り』って・・・何?」
「英語に直したって、意味不明じゃん」
梢と詩珱が首を捻る。もう何度目か。
「ま、これは詳しくないとわからないからな」
槙瀬が呟く。そして、
「もう言ってもいいんじゃないのか?」
「わかった〜」
未珱は指で、5行目を示した。
「これを共通点――英語に直すんだよね〜。突風はgust、通りはavenueでしょ〜?ここで、槙君のもう1つのヒントを使うんだよ〜」
「それだけど・・・もう1つ、あった?」
「あったよお姉ちゃん。省略、ってね〜」
「あれ、ヒントだったの!?」
梢が声を裏返し、槙瀬を睨む。彼はそ知らぬ顔で横を向き、眼で未珱を促した。
「avenueを省略して、日本語と同じ語順で並べると、gustavになるよね〜。これって、クラシックの作曲家の人の名前なんだよ〜」
未珱と槙瀬を除く3人が首を振る。知らない、の合図だ。
「ん〜、ホルストって言えばわかるかな〜?」
「あ、それなら知ってる。ちょっと前に、話題になったもんね」
「『惑星』って言う組曲を書いた人ですね」
「それが32番の作品だ」
薫に槙瀬が補足する。梢が、あ、と言った。
「じゃあ最後のアルファベットって、惑星の名前を示すんだ」
「数字は、アルファベットの何番目かを示してるんだと思うよ〜?」
「じゃあ・・・」
「Mだけ2つあるから、意味が通る方でな」
詩珱が書類を手繰り寄せ、解読を始めた。槙瀬の注意を元に、暗号文の下に文字を書いていく。
E2、N3、U2、J4、M4、P5、S3
a p r i c o t
「apricot・・・杏、だね」
「そう。犯人は杏さんだよ」
「はぁー・・・なるほどねぇ」
梢は感嘆したように呟く。そんな彼女に槙瀬が視線を向け、
「いいのか? 地郷探偵事務所の『正社員』が、暗号に感心してて」
「わ、悪かったわね」
梢がそっぽを向く。槙瀬が『暗号を解けなくて』と言わなかったことに、梢は気づいていなかった。
数日後、事務所に犯人逮捕の知らせが舞い込んだ。
しばらく、無言の時が続いた。やがて未珱が痺れを切らす。
「じゃあ、最初っから整理してみるよ〜?」
未珱はペンを取り、書類の裏に書き込み始めた。
<1行目> cloak-(1αβ)+(3αβ)
αβ=アルファベット
よって、(数字)番目のアルファベットを式に当てはめる。
結果:cloak-a+c=clock
<2行目> 6+6=2 90-30=10
1行目と「start12」から、使用するのは時計の文字盤。文字盤の「1分」の角度は6゜。
結果:左辺・・・12を0とした時の角度 右辺・・・左辺の合計を「分」に直した物
<3行目> MAPLE etc...
MAPLE・・・楓(GINKGO=銀杏)
これは紅葉する木々=色づく葉=色葉
(別解:イロハカエデから)
結果:いろは歌
<4行目> 18+24 60+54 60X3+12 ゜12X12 18+24゛100+62 54
2行目と同じ考え方で答えを出す。
18+24=42→7 60+54=114→19 60X3+12 ゜=192゜→32゜
12X12=144→24 18+24゛=42゛→7゛ 100+62=162→28 54→9
3行目から、いろは歌の(数字)番目の文字を拾い出す。
結果:とつぷうどおり=突風通り
ここまで一息に書いて、未珱は一度手を止めた。
「ここまでは、皆わかったよね〜?」
「うん。でも『突風通り』って・・・何?」
「英語に直したって、意味不明じゃん」
梢と詩珱が首を捻る。もう何度目か。
「ま、これは詳しくないとわからないからな」
槙瀬が呟く。そして、
「もう言ってもいいんじゃないのか?」
「わかった〜」
未珱は指で、5行目を示した。
「これを共通点――英語に直すんだよね〜。突風はgust、通りはavenueでしょ〜?ここで、槙君のもう1つのヒントを使うんだよ〜」
「それだけど・・・もう1つ、あった?」
「あったよお姉ちゃん。省略、ってね〜」
「あれ、ヒントだったの!?」
梢が声を裏返し、槙瀬を睨む。彼はそ知らぬ顔で横を向き、眼で未珱を促した。
「avenueを省略して、日本語と同じ語順で並べると、gustavになるよね〜。これって、クラシックの作曲家の人の名前なんだよ〜」
未珱と槙瀬を除く3人が首を振る。知らない、の合図だ。
「ん〜、ホルストって言えばわかるかな〜?」
「あ、それなら知ってる。ちょっと前に、話題になったもんね」
「『惑星』って言う組曲を書いた人ですね」
「それが32番の作品だ」
薫に槙瀬が補足する。梢が、あ、と言った。
「じゃあ最後のアルファベットって、惑星の名前を示すんだ」
「数字は、アルファベットの何番目かを示してるんだと思うよ〜?」
「じゃあ・・・」
「Mだけ2つあるから、意味が通る方でな」
詩珱が書類を手繰り寄せ、解読を始めた。槙瀬の注意を元に、暗号文の下に文字を書いていく。
E2、N3、U2、J4、M4、P5、S3
a p r i c o t
「apricot・・・杏、だね」
「そう。犯人は杏さんだよ」
「はぁー・・・なるほどねぇ」
梢は感嘆したように呟く。そんな彼女に槙瀬が視線を向け、
「いいのか? 地郷探偵事務所の『正社員』が、暗号に感心してて」
「わ、悪かったわね」
梢がそっぽを向く。槙瀬が『暗号を解けなくて』と言わなかったことに、梢は気づいていなかった。
数日後、事務所に犯人逮捕の知らせが舞い込んだ。