地郷家の会議前 ☆正解発表☆ ≫No. 1
					 HIKARU 
					2005/05/08 23:21
HIKARU 
					2005/05/08 23:21
					
					「おっそいなぁ・・・」
 地郷梢(こずえ)は部屋の時計を見上げ、呟いた。
「まあまあ。部長なんだから、仕方ないじゃん」
「もうちょっと待とうよ〜」
 テーブルを挟んだ向かいから、なだめるような声。
「詩珱、未珱。あんた達、ほんっとに声似すぎ」
「そりゃあ、双子だもん」
「性格は全然違うんだけどね〜」
 無意味に胸を張る風澤詩珱(しおう)と、姉を見ながら肩をすくめる風澤未珱(みおう)が、ほぼ同時に言った。
 この3人は、桜高校の1年生。同じ部にも入る仲良しだ。ちなみに部活は英語部である。
「あ、来ましたよ」
 窓から外を見ていた、梢の弟――地郷薫(かおる)が振り返って言った。
「お、来たか」
「やっと始められるわね」
 真っ先に反応したのは、地郷幹和(みきかず)と風澤瑠璃(るり)だった。幹和は梢・薫の父親で、探偵。今彼らがいるのは、地郷家の1階にある探偵事務所だ。瑠璃は詩珱・未珱の母親。婦警で、よく幹和に事件を持ってくる(その逆もある)。
 そうしているうちに、事務所の玄関が開いた。槙瀬が顔を出す。
「おっす」
「槙君、遅かったね〜」
「仕方ねぇだろ? お前らのプリントの処理で手こずったんだから」
 未珱に答えながら、槙瀬もテーブルに座った。
「そうだ、梢。さっきのお返し、いいか?」
「ん? ・・・ああ、あれか」
 暗号メモの事だ。
「とっさに考えただけだろ。簡単な単語しかなかったぞ」
(だって、小学生の人達にはわかりづらくなるから・・・)
 梢は内心、呟いた。声には出さず、
「ゴム忘れるなんて、迂闊だったからね」
 いつもは集まりの合図を、ゴムの色で行っているのだ。
「で、お返し」
「あ、うん。時間、だいじょぶ?」
 台詞の後半は、おもしろそうに聞いている幹和と瑠璃へ。
「瑠璃?」
「大丈夫よ」
「んじゃ、行くぞ」
 槙瀬はメモを1枚取り出して、何やら書き込み始めた。
 のな・みに・みに・とな・すち・もに・すち・みら・に・もに・もに・みら・みみ・みち・みち
「・・・はぁ?」
 梢は思わず、変な声を出した。皆、思わず苦笑。
「皆も参戦していいぞ」
 槙瀬が手招きした。
 ぜひ、皆さんも参戦してください。
					
				 
				
地郷梢(こずえ)は部屋の時計を見上げ、呟いた。
「まあまあ。部長なんだから、仕方ないじゃん」
「もうちょっと待とうよ〜」
テーブルを挟んだ向かいから、なだめるような声。
「詩珱、未珱。あんた達、ほんっとに声似すぎ」
「そりゃあ、双子だもん」
「性格は全然違うんだけどね〜」
無意味に胸を張る風澤詩珱(しおう)と、姉を見ながら肩をすくめる風澤未珱(みおう)が、ほぼ同時に言った。
この3人は、桜高校の1年生。同じ部にも入る仲良しだ。ちなみに部活は英語部である。
「あ、来ましたよ」
窓から外を見ていた、梢の弟――地郷薫(かおる)が振り返って言った。
「お、来たか」
「やっと始められるわね」
真っ先に反応したのは、地郷幹和(みきかず)と風澤瑠璃(るり)だった。幹和は梢・薫の父親で、探偵。今彼らがいるのは、地郷家の1階にある探偵事務所だ。瑠璃は詩珱・未珱の母親。婦警で、よく幹和に事件を持ってくる(その逆もある)。
そうしているうちに、事務所の玄関が開いた。槙瀬が顔を出す。
「おっす」
「槙君、遅かったね〜」
「仕方ねぇだろ? お前らのプリントの処理で手こずったんだから」
未珱に答えながら、槙瀬もテーブルに座った。
「そうだ、梢。さっきのお返し、いいか?」
「ん? ・・・ああ、あれか」
暗号メモの事だ。
「とっさに考えただけだろ。簡単な単語しかなかったぞ」
(だって、小学生の人達にはわかりづらくなるから・・・)
梢は内心、呟いた。声には出さず、
「ゴム忘れるなんて、迂闊だったからね」
いつもは集まりの合図を、ゴムの色で行っているのだ。
「で、お返し」
「あ、うん。時間、だいじょぶ?」
台詞の後半は、おもしろそうに聞いている幹和と瑠璃へ。
「瑠璃?」
「大丈夫よ」
「んじゃ、行くぞ」
槙瀬はメモを1枚取り出して、何やら書き込み始めた。
のな・みに・みに・とな・すち・もに・すち・みら・に・もに・もに・みら・みみ・みち・みち
「・・・はぁ?」
梢は思わず、変な声を出した。皆、思わず苦笑。
「皆も参戦していいぞ」
槙瀬が手招きした。
ぜひ、皆さんも参戦してください。