どうも解けん刑事の事件帖「指のない男」 ●正解発表● ≫No. 1
kaito
2005/02/26 00:13
あるマンションで、住人である男の死体が発見され、僕も早速現場へ飛んだ。
木製バットで頭部を強く殴打されての撲殺。バット自体は、野球ファンであるらしい被害者本人のものであった。壁には野球選手のサイン入りバットが他にも何本か飾ってあった。
あまりにも単純な犯行で、何かしら証拠──例えば指紋の一つでも見つかれば解決もアッと言う間であろう、と高を括っていた僕だったが、他の刑事の発見で夢から醒めた。
「堂本さん、ちょっとこれ見て下さい」
呼ばれて行ってみるとそれは、ゴミ箱に捨ててあった一対のビニール製の手袋だった。食器洗い用の、何の変哲も無いどこにでもあるような手袋だが、もし犯人が予めこれを用意して犯行に及んでいたとすれば、現場からの指紋の検出はかなり困難になる。
──案の定、部屋の中からは被害者以外の新しい指紋は検出されなかった。ドアノブなど帰り際に触れるものもきれいに拭われていた。
僕は連絡も兼ねて、別の事件現場に捜査に行っている荒方に電話をしてみた。
「荒方、そっちはどうだ?」
「かなり難航しています。堂本先輩の方はどうですか?」
「ただの撲殺事件・・・と思っていたんだが、犯人はどうやら手袋を着用していたようで、指紋が残っていないんだ」
「手袋があったんですか?」
「ああ、現場に捨ててあった。着用する際に素手で触ったかも知れないと思って、手袋の表面も調べてみたんだが、おそらくハンカチのようなもので巧く掴んだんだろう、指紋は出なかった。手袋そのものも、スーパーで売っているような特徴の無いものだし、その線では追えなさそうだ」
「そうですか・・・でも先輩、ひょっとしたらあそこには指紋が残っているかも知れませんよ! 調べてみてはどうですか?」
僕は早速その助言を鑑識に伝え、微かながら、なんとか指紋を採取することに成功した。
さて、犯人の指紋はどこに残っていたのでしょう?
(巡査 堂本 謙)
kaito 2005/02/26 00:13
木製バットで頭部を強く殴打されての撲殺。バット自体は、野球ファンであるらしい被害者本人のものであった。壁には野球選手のサイン入りバットが他にも何本か飾ってあった。
あまりにも単純な犯行で、何かしら証拠──例えば指紋の一つでも見つかれば解決もアッと言う間であろう、と高を括っていた僕だったが、他の刑事の発見で夢から醒めた。
「堂本さん、ちょっとこれ見て下さい」
呼ばれて行ってみるとそれは、ゴミ箱に捨ててあった一対のビニール製の手袋だった。食器洗い用の、何の変哲も無いどこにでもあるような手袋だが、もし犯人が予めこれを用意して犯行に及んでいたとすれば、現場からの指紋の検出はかなり困難になる。
──案の定、部屋の中からは被害者以外の新しい指紋は検出されなかった。ドアノブなど帰り際に触れるものもきれいに拭われていた。
僕は連絡も兼ねて、別の事件現場に捜査に行っている荒方に電話をしてみた。
「荒方、そっちはどうだ?」
「かなり難航しています。堂本先輩の方はどうですか?」
「ただの撲殺事件・・・と思っていたんだが、犯人はどうやら手袋を着用していたようで、指紋が残っていないんだ」
「手袋があったんですか?」
「ああ、現場に捨ててあった。着用する際に素手で触ったかも知れないと思って、手袋の表面も調べてみたんだが、おそらくハンカチのようなもので巧く掴んだんだろう、指紋は出なかった。手袋そのものも、スーパーで売っているような特徴の無いものだし、その線では追えなさそうだ」
「そうですか・・・でも先輩、ひょっとしたらあそこには指紋が残っているかも知れませんよ! 調べてみてはどうですか?」
僕は早速その助言を鑑識に伝え、微かながら、なんとか指紋を採取することに成功した。
さて、犯人の指紋はどこに残っていたのでしょう?
(巡査 堂本 謙)