No. 21≫ No.22 ≫No. 23
Yossy
2005/03/01 21:19
**正解発表です**
「ねえ、どういうことか説明してよ。」
「もちろんよ。容疑者の姓は全部広重の五十三次に描かれている絵にあるのよ。」
「それには私も気が付いていたわ。でも、それじゃ犯人を特定できないでしょ。」
「でもね、五十三次は昔の話。現代の東海道といえば鉄道でしょ。」
「あ、そ〜か、私にもわかってきたわ。東海道本線の駅名ね。でもこれ全部東海道本線の駅名に当てはまるんじゃない?」
「そこが問題なのよ。東海道本線の駅名にこだわっているとこの推理は訳がわからなくなって脱線よ。でも、ちょっと視点を変えれば、一つだけ他の駅とは違う駅があるでしょ。東海道線といっても一つだけとは限らないのだから。」
「あ!東海道新幹線!」
「そう、2003年10月1日から新幹線の品川駅が開業したのよ。つまり品川駅は新幹線の駅というわけよ。」
「でも、あなたのところへ行くときに私も新幹線を使うけど、品川駅に止まったことはないわよ。」
「それはね、あなたがたまたま品川駅に止まらない『ひかり』を利用してるからなのよ。いまの東海道新幹線は『ひかり』の本数が元々少ないんだけれど、品川駅ではほぼ全部の時間帯で『ひかり』は一時間に一本しか止まらないの。『こだま』も二本くらいで、止まるのはほとんどが『のぞみ』なの。」
「被害者は個展を開くためにちょくちょく東京に出向いていたでしょうから、その辺は知っていたんだと思うわ。」
「それで、それが犯人とどう結びつくの?」
「ちょっと聴くけど、その浮世絵の先生はどんな性格だったの?もしかしたら天才肌の人じゃなかった?」
「あら、よく判るわね。だから才能のない人には厳しかったらしいわ。」
「やっぱり。それで辻褄が合うわ。」
「どういうこと?」
「『のぞみ』ばかりで『ひかり』なし。これは品川駅を利用する人の実感ね。被害者もDMでこれを言いたかったんじゃないかしら。」
「なるほど〜、『望んではいるけど光は見えない』、つまり才能がなく成功する見込みがない人物・・・品川を指名したのね。」
「ちょっと厳しい言い方だけど芸術の道は才能がものをいう世界だから仕方がないのかもしれないわね。」
「東海道五十三次からそこまで推理するなんてさすがね。それでどうする?警察に言う?」
「うーん、あくまで推測だし、私たちが口出しする問題じゃないと思うわ。いずれ警察にもわかるだろうし。」
「そうね、じゃもう少しお茶の時間を楽しみましょ。」
****小春日和の昼下がり、時間はゆったりと流れて行く****
Yossy 2005/03/01 21:19
「ねえ、どういうことか説明してよ。」
「もちろんよ。容疑者の姓は全部広重の五十三次に描かれている絵にあるのよ。」
「それには私も気が付いていたわ。でも、それじゃ犯人を特定できないでしょ。」
「でもね、五十三次は昔の話。現代の東海道といえば鉄道でしょ。」
「あ、そ〜か、私にもわかってきたわ。東海道本線の駅名ね。でもこれ全部東海道本線の駅名に当てはまるんじゃない?」
「そこが問題なのよ。東海道本線の駅名にこだわっているとこの推理は訳がわからなくなって脱線よ。でも、ちょっと視点を変えれば、一つだけ他の駅とは違う駅があるでしょ。東海道線といっても一つだけとは限らないのだから。」
「あ!東海道新幹線!」
「そう、2003年10月1日から新幹線の品川駅が開業したのよ。つまり品川駅は新幹線の駅というわけよ。」
「でも、あなたのところへ行くときに私も新幹線を使うけど、品川駅に止まったことはないわよ。」
「それはね、あなたがたまたま品川駅に止まらない『ひかり』を利用してるからなのよ。いまの東海道新幹線は『ひかり』の本数が元々少ないんだけれど、品川駅ではほぼ全部の時間帯で『ひかり』は一時間に一本しか止まらないの。『こだま』も二本くらいで、止まるのはほとんどが『のぞみ』なの。」
「被害者は個展を開くためにちょくちょく東京に出向いていたでしょうから、その辺は知っていたんだと思うわ。」
「それで、それが犯人とどう結びつくの?」
「ちょっと聴くけど、その浮世絵の先生はどんな性格だったの?もしかしたら天才肌の人じゃなかった?」
「あら、よく判るわね。だから才能のない人には厳しかったらしいわ。」
「やっぱり。それで辻褄が合うわ。」
「どういうこと?」
「『のぞみ』ばかりで『ひかり』なし。これは品川駅を利用する人の実感ね。被害者もDMでこれを言いたかったんじゃないかしら。」
「なるほど〜、『望んではいるけど光は見えない』、つまり才能がなく成功する見込みがない人物・・・品川を指名したのね。」
「ちょっと厳しい言い方だけど芸術の道は才能がものをいう世界だから仕方がないのかもしれないわね。」
「東海道五十三次からそこまで推理するなんてさすがね。それでどうする?警察に言う?」
「うーん、あくまで推測だし、私たちが口出しする問題じゃないと思うわ。いずれ警察にもわかるだろうし。」
「そうね、じゃもう少しお茶の時間を楽しみましょ。」
****小春日和の昼下がり、時間はゆったりと流れて行く****