ｸｲｽﾞ大陸

いくつもの難事件を抱えててんてこ舞いしている所轄の我々のところに、県警からこんな知らせが入ってきた。それは、各県警にこんな書状が届いたというのである。

「各県警関係者各位
はじめまして。私は白蜥蜴と申す新顔の盗賊です。敬愛する大先輩の黒蜥蜴にちなんでこのように名乗らせて頂いておりますが、まだまだ先輩の足下にも及ばぬシロウトみたいな未熟者でございます（だからシロウトカゲ。もちろん謙遜ですが)。
表の顔は知性も教養もあるいわゆるセレブというやつで、何不自由なく暮らしておりますが、退屈のあまりスリルを求めて裏稼業に身を投じました。今のところは全国各地の美術館から名画を頂戴して楽しんでおります。もちろん精巧な模写と掛け替えてありますから、まだ気づいていない美術館も多々あるものと思います。
これまではひっそりと仕事をして参りましたが、それもなんだかつまらなく思えて来ました。実は私、Ａ型の几帳面な性格でして、年頭に一年のスケジュールを決めて仕事をしているのです。そこで県警のみなさんにスケジュールの一端をご披露しますので、私の次の犯行日を予測して頂きたいのです。

『犯行日は月に１回です。１月は新年早々２日に、２月は６日に仕事をさせて頂きました。さて、３月の実行予定日は何日でしょう？』

たったこれだけのデータで予測しろというのは難しいのは重々承知です。予測に失敗しても何ら恥じることはありません。
しかし、どうしても無理だというときは、名探偵が揃っていると評判の暗号/推理クイズ掲示板に相談されてもかまいません。
たぶんそうなることでしょう。そこで解かれた予測日とその理由がもし当たっていれば、その月以後の犯行は中止いたします。
反対に、予測に失敗した場合は必ず仕事をさせて頂きますが、その後で犯行を行った日をお知らせすることにします。
つまり、予測が成功しない限り私の犯行は防げませんが、データは毎月１つづつ増えるということです。
なおターゲットは全国の美術館で、怪盗白蜥蜴を名乗る以上私に失敗はあり得ないとお考え下さい。

今日はとりあえずのご挨拶です。場合によっては永いお付き合いになるかもしれません。どうぞよろしくお願いいたします。
怪盗白蜥蜴」

なんとも人を食った挑戦状だ。県警からは「いたずらかもしれないが一応注意するように」との曖昧なお達しなので、大げさに騒ぎ立てることもできない。実際署内でも本気にしている者は皆無で、私が暗号/推理クイズ掲示板のファンだということでお鉢が回ってきた次第なのだ.
まあ私自身半信半疑なので、しばらく様子をみるしかないと思っているのだが。。。