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小野田謙吾
2005/02/26 21:36
私はこの暗号を解読したあと、赤石要一を訪ねた。
「あなたが九戸駿二を殺しましたね」
赤石はしばらく沈黙していたが、
「そうだ。俺が駿二を殺した。あいつは教師になってから俺に説教ばかりするようになったんだよ。『高卒で何年フリーターやってるんだ』とか『人生に夢をもてないのか』とかって・・・生意気になりやがって」
「でもそれは、君を思ってのことじゃなかったのかい」
「そうなんだろうけどよ。俺には耳障りでしょうがなかったんだよ」
「君が自分と一緒に生きてきたからこそ、彼は君のことを希望を持てる人間にしたかったのじゃないのか」
「本当か?俺が希望を持てるような人間になってほしいということだったのか?」
「ああ、そうだ。彼は『犯人を見つけてほしい』とダイイングメッセージに残してあったが、本当はあなたの沈んだ人生を浮かせようとしていたんだよ」
「・・・そうか。馬鹿な事しやがって。結局は自分が夢が叶えられない人間になっちまったじゃねーか」
「さあ、来てもらおうか」
「分かったよ、警部補さん。あいつのためにも、俺は生きてやんなくちゃならねえ。これからはな」
そうして赤石は逮捕された。裁判によって懲役15年となったが、これからの彼は前の彼とは明らかに変わるだろう。
こうして一人の青年の人生は幕を閉じてしまったが、ある一人の青年の人生が新たに始まった。
「あなたが九戸駿二を殺しましたね」
赤石はしばらく沈黙していたが、
「そうだ。俺が駿二を殺した。あいつは教師になってから俺に説教ばかりするようになったんだよ。『高卒で何年フリーターやってるんだ』とか『人生に夢をもてないのか』とかって・・・生意気になりやがって」
「でもそれは、君を思ってのことじゃなかったのかい」
「そうなんだろうけどよ。俺には耳障りでしょうがなかったんだよ」
「君が自分と一緒に生きてきたからこそ、彼は君のことを希望を持てる人間にしたかったのじゃないのか」
「本当か?俺が希望を持てるような人間になってほしいということだったのか?」
「ああ、そうだ。彼は『犯人を見つけてほしい』とダイイングメッセージに残してあったが、本当はあなたの沈んだ人生を浮かせようとしていたんだよ」
「・・・そうか。馬鹿な事しやがって。結局は自分が夢が叶えられない人間になっちまったじゃねーか」
「さあ、来てもらおうか」
「分かったよ、警部補さん。あいつのためにも、俺は生きてやんなくちゃならねえ。これからはな」
そうして赤石は逮捕された。裁判によって懲役15年となったが、これからの彼は前の彼とは明らかに変わるだろう。
こうして一人の青年の人生は幕を閉じてしまったが、ある一人の青年の人生が新たに始まった。