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Yossy
2005/02/16 22:29
これで物証が得られたと思った瞬間、以前から漠然と感じていた違和感が何であるのかがはっきりとわかりました。
そう、もう一つの物証である凶器の行方です。秘書が東京へ行くときに持ち去った可能性もありますが、私にはもう一つの可能性が思い浮かんだのです。あの雪の上の足跡です。あの足跡は凶器を崖下へ投棄するために、犯人が崖際まで往復した足跡ではないかと。
波にさらわれてしまったか、海中に沈んでしまったか、いずれにしても発見は困難と思いましたが、念のため崖下を捜索したところ、なんと幸運なことに血痕が付着した石(後でこの石は割れた飛び石の一部であることがわかりました)が岩礁に挟まっているのが発見され、その血痕が被害者のものと一致することが判明しました。そしてその石から検出された指紋が秘書のものであったことが犯人を特定する決め手になったのです。
犯人の供述による行動順序は次のとおりで、私が最初に推理したものとはちょっと違っていました。
その日東京に行く前に、秘書は仕事上のミスで社長から激しく叱責されたため、日頃の不満が爆発して社長を殺してしまったのです。
その後は・・・庭に降りて凶器の石を崖下に投棄→書斎戻ってから足跡を利用した侵入、逃走経路の偽装を思いつき→室内からガラスを割り→ドアチェーンの金具を外し、細工をして→外に出てドアチェーンの工作をし→ドアに施錠し→東京に向かった・・・ということでした。
凶器は東京に向かうどこかで処分すればよかったのかもしれませんが、石や岩がごろごろしている崖下は処分場所としては最適だと考えたのです。しかしあいにく庭には雪が積もっていたため、望まぬ足跡が残ってしまいました。これでは崖下に捜査の目が向くのは必至です。そこで足跡を侵入、逃走の経路にみせかけようとしたのです。これでも崖下の捜索は避けられないかもしれませんが、とりあえず凶器の捜査からは目をそらせると思ったのです。しかしガラスを室内から外に向かって割ったのは大きなミスでした。偽装工作が発覚してからは、当然のごとくドアチェーンに目が向き、トリックが暴かれ、雪上の足跡が凶器のありかを示してくれたのでした。
Yossy 2005/02/16 22:29
そう、もう一つの物証である凶器の行方です。秘書が東京へ行くときに持ち去った可能性もありますが、私にはもう一つの可能性が思い浮かんだのです。あの雪の上の足跡です。あの足跡は凶器を崖下へ投棄するために、犯人が崖際まで往復した足跡ではないかと。
波にさらわれてしまったか、海中に沈んでしまったか、いずれにしても発見は困難と思いましたが、念のため崖下を捜索したところ、なんと幸運なことに血痕が付着した石(後でこの石は割れた飛び石の一部であることがわかりました)が岩礁に挟まっているのが発見され、その血痕が被害者のものと一致することが判明しました。そしてその石から検出された指紋が秘書のものであったことが犯人を特定する決め手になったのです。
犯人の供述による行動順序は次のとおりで、私が最初に推理したものとはちょっと違っていました。
その日東京に行く前に、秘書は仕事上のミスで社長から激しく叱責されたため、日頃の不満が爆発して社長を殺してしまったのです。
その後は・・・庭に降りて凶器の石を崖下に投棄→書斎戻ってから足跡を利用した侵入、逃走経路の偽装を思いつき→室内からガラスを割り→ドアチェーンの金具を外し、細工をして→外に出てドアチェーンの工作をし→ドアに施錠し→東京に向かった・・・ということでした。
凶器は東京に向かうどこかで処分すればよかったのかもしれませんが、石や岩がごろごろしている崖下は処分場所としては最適だと考えたのです。しかしあいにく庭には雪が積もっていたため、望まぬ足跡が残ってしまいました。これでは崖下に捜査の目が向くのは必至です。そこで足跡を侵入、逃走の経路にみせかけようとしたのです。これでも崖下の捜索は避けられないかもしれませんが、とりあえず凶器の捜査からは目をそらせると思ったのです。しかしガラスを室内から外に向かって割ったのは大きなミスでした。偽装工作が発覚してからは、当然のごとくドアチェーンに目が向き、トリックが暴かれ、雪上の足跡が凶器のありかを示してくれたのでした。