動物たちは見ていた ≫No. 1
kaito
2005/02/19 18:37
動物園なんて男の来るところじゃない──そう思っている庵郷トキオだったが、よく思い起こしてみると、この『東京ズーロジカルガーデン』にはもう何回も来ている気がする。そしてまたそのいずれもが、御手洗麻衣子に連れられて、だ。
「別に、いる動物が替わる訳じゃないのになあ・・・。僕も何か奢るくらいで許してもらえば良かったよ」
トキオは昨日からずっとふてっていた。
ふと見ると、入園ゲートのところに人だかりがしている。どうやら入場制限がされているようだ。警察らしき制服の人影も何人も見える。トキオと麻衣子は少し足早になってゲートに近づいていった。
思った通り、入園ゲートは閉ざされており、警察が警備をしている。その中にトキオは見知った顔を見つけた。
「夏美さん!」
「あら、庵郷君と御手洗さんじゃない」
沖 夏美はすぐにトキオたちに気付いて近寄ってきた。
「どうしたんですか? 事件ですか?」
「そうなの、ここの園長が殺されたのよ」
夏美の話では、殺されたのは『東京ズーロジカルガーデン』の園長、佐針 博太郎。管理事務室で刺殺体で発見された。手に握られていた携帯電話の画面には『110』が表示されたままになっており、発信する前に息絶えたものと思われた。
「容疑者は上がっているんですか?」
「ええ、園内には飼育係が数名いたらしいの。その中の誰かが犯人だと思っていて、今、それぞれに事情聴取中だけど」
容疑者とされている飼育係は、以下の五名。
桐山 篤(24歳・哺乳綱 偶蹄目 キリン科担当)
樺島涼子(21歳・哺乳綱 偶蹄目 カバ科担当)
斉木圭吾(30歳・哺乳綱 奇蹄目 サイ科担当)
宍戸琢磨(25歳・哺乳綱 食肉目 ネコ科担当)
宇崎秀美(22歳・哺乳綱 ウサギ目 ウサギ科担当)
「夏美さん、特に入念に事情聴取してみて欲しい人がいるんですけど・・・」
「え?」
さて、トキオは誰を怪しいと思ったのでしょう?
kaito 2005/02/19 18:37
「別に、いる動物が替わる訳じゃないのになあ・・・。僕も何か奢るくらいで許してもらえば良かったよ」
トキオは昨日からずっとふてっていた。
ふと見ると、入園ゲートのところに人だかりがしている。どうやら入場制限がされているようだ。警察らしき制服の人影も何人も見える。トキオと麻衣子は少し足早になってゲートに近づいていった。
思った通り、入園ゲートは閉ざされており、警察が警備をしている。その中にトキオは見知った顔を見つけた。
「夏美さん!」
「あら、庵郷君と御手洗さんじゃない」
沖 夏美はすぐにトキオたちに気付いて近寄ってきた。
「どうしたんですか? 事件ですか?」
「そうなの、ここの園長が殺されたのよ」
夏美の話では、殺されたのは『東京ズーロジカルガーデン』の園長、佐針 博太郎。管理事務室で刺殺体で発見された。手に握られていた携帯電話の画面には『110』が表示されたままになっており、発信する前に息絶えたものと思われた。
「容疑者は上がっているんですか?」
「ええ、園内には飼育係が数名いたらしいの。その中の誰かが犯人だと思っていて、今、それぞれに事情聴取中だけど」
容疑者とされている飼育係は、以下の五名。
桐山 篤(24歳・哺乳綱 偶蹄目 キリン科担当)
樺島涼子(21歳・哺乳綱 偶蹄目 カバ科担当)
斉木圭吾(30歳・哺乳綱 奇蹄目 サイ科担当)
宍戸琢磨(25歳・哺乳綱 食肉目 ネコ科担当)
宇崎秀美(22歳・哺乳綱 ウサギ目 ウサギ科担当)
「夏美さん、特に入念に事情聴取してみて欲しい人がいるんですけど・・・」
「え?」
さて、トキオは誰を怪しいと思ったのでしょう?