クイズ大陸



履歴 検索 最新 出題

Re: 十二支殺人事件・6 〜内通者〜 ≫No. 1
?kaito 2005/02/06 15:52
この問題は「十二支殺人事件」シリーズの第1話〜第5話をご覧になってから読んで下さると、より楽しめます。
(旧・推理掲示板に掲載されています。↑上のURLにリンク集を作っておきました。)


ソーサーに添えて出されたスティックシュガーとミルクを入れて掻き混ぜながら、私はこの事件のあらましをもう一度振り返ってみていた。
隣では黒木刑事がブラックのままでコーヒーを啜(すす)っている。
我々は『浦上印刷』という印刷・製本会社の応接室で、社長の浦上大二郎を待っていた。
浦上印刷はM大の卒業生名簿や在校者名簿の製作を永く請け負ってきている業者で、我々は浦上大二郎を例の“干支”の連続殺人事件の最重要参考人として内偵してきた。
情報も徐々に集まりつつあり、いよいよ直接接触しようと近辺の地理と人脈に詳しい黒木刑事と乗り込んできたのだが、あいにく空振りだったようだ。
「すみません。社長がまだ捕まらなくて・・・」
先程コーヒーを出してくれた受付兼秘書といった感じの女性がまたお詫びをしに入ってきた。
コーヒーを淹れ直しますので、と二人分のカップセットと、私が使った砂糖とミルクの塵(ごみ)を片付ける彼女に私は、
「いえ、こちらこそ事前にご連絡もしておらなかったので・・・本日のところはこれで失礼させていただきます」
と丁重に御礼を言って辞去することにした。


浦上印刷を出てしばらく歩きながら、私はふと黒木刑事に言った。
「浦上印刷に行ったのは今日が初めてだそうだね」
「ええ。この界隈の事件を担当したことがあって、この辺にはだいぶん詳しくはなったんですが」
「黒木刑事、君は本当はあそこには何度も行ったことがあるのじゃないのかな」
「え?」
私は勿体ぶらずに、自分の憶測を単刀直入に彼にぶつけた。
「事件の経過や捜査の内容が犯人には筒抜けだった。それは君が浦上大二郎に話していたからなのじゃないか?」


さて、私は何故、黒木刑事を内通者として疑ったのでしょうか?
                                 (警部補 海東優作)

------------------------------
久しぶりの「十二支〜」続編です。
多分これで完結するはず・・・ (^^;)
編集