香取探偵事務所のドアが勢いよく開いた。
「叔父さん!怪盗ロォーズクォーツの予告状が届いたって本当ですか!」
走りこんできたのは新人刑事の牧田翔。香取正人の甥っ子である。
「まぁまぁ、こんな名も無い探偵にあのロォーズクォーツが手紙をよこすなんて私も驚いているんだよ。いたずらじゃないかと思ってね。」
冷めたコーヒーを一口すすると香取は予告状を見つめたままそう言った。
「何言ってるんですか。最近の叔父さんの活躍は周知の事実です。僕も署内で鼻が高いんですから。」
香取は3年前に趣味と実益を兼ねて探偵事務所を開いた。最初のうちは閑古鳥が鳴いていたもののこのところ牧田刑事のアドバイザーとしていくつかの難事件を解決したため、ぼちぼち仕事の依頼も来るようになっていた。
牧田は側に有る椅子を掴むと香取の隣に座り、横から彼の手にある便箋を覗き込んだ。
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怪盗ローズクォーツ参上!
私は宝の前にいる。北東に進み、南へ進み、西へ戻る、南東へ進み、西への分かれ道、南へ進み、北西に進み、北東に戻る、西へ進み、北へ走り、東へ戻り、西へ進み、南東へ戻る、再び私は宝の前にいる。
今がその時。
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「また、訳のわからない暗号か・・」やはりな・・といった風に溜息をつくと牧田は椅子の背にもたれた。
「ローズクォーツはいつも予告状を暗号にしてよこすのか?」
「ええ。そうなんです。奴はふてぶてしい事に、犯行現場に次の犯行を予告したメッセージを残すんですよ。カードにね、ほらその叔父さんの持ってる封筒にもある薔薇のデザイン。それが印刷されたカードにターゲットのお宝とそのありかをご丁寧に書いて置いとくんですよ!ほんと警察をなめきってやがる!」
「やけに親切な怪盗じゃないか。で、そのカードの暗号はこれとは違うのか?」
「あ・・」牧田はちょっと赤くなった。
「いえ。カードの方は暗号ではないんです。ローズは狙うお宝の事だけ普通に書き残して、犯行日はその場で明かさず、後になって暗号にしてよこすんです。今度の奴のターゲットは"FIFTH ANGEL"という宝石です。前回の犯行から3ヶ月、暗号が来ないんでいい加減痺れを切らしてた所ですよ。しかも我々が解読できないもんだから、今度は叔父さん宛てに暗号を送ってくるなんて・・」
ポリポリと頭をかきながらも、牧田はいかに怪盗ローズクォーツが狡猾で華麗に犯行を遂げているかを熱く語った。
「叔父さん!これはローズから探偵・香取正人に対する挑戦状ですよ!奴は今まで我々を焦らして楽しんきたんです。なんとかこの暗号を解いて奴の鼻を明かしてやりましょうよ!」
「・・・この暗号は犯行日を予告していたのか。なら、まだまだ時間はあるな。翔、コーヒーでも飲んでいくか?」
「叔父さん、何を悠長なこと・・・!まさか、もう暗号が解けたんじゃないですよね?」
香取は穏やかな笑みを浮かべると、コーヒーの湯を沸かすため隣の部屋へと向かった。
−−皆様こんにちは。長文を読んでくださってありがとうございます。単なる暗号問題ですが、いつか推理問題を出してみたくキャラも登場させてみました。暗号は簡単ですので是非チャレンジしてみてください
aya 2005/02/03 19:12
「叔父さん!怪盗ロォーズクォーツの予告状が届いたって本当ですか!」
走りこんできたのは新人刑事の牧田翔。香取正人の甥っ子である。
「まぁまぁ、こんな名も無い探偵にあのロォーズクォーツが手紙をよこすなんて私も驚いているんだよ。いたずらじゃないかと思ってね。」
冷めたコーヒーを一口すすると香取は予告状を見つめたままそう言った。
「何言ってるんですか。最近の叔父さんの活躍は周知の事実です。僕も署内で鼻が高いんですから。」
香取は3年前に趣味と実益を兼ねて探偵事務所を開いた。最初のうちは閑古鳥が鳴いていたもののこのところ牧田刑事のアドバイザーとしていくつかの難事件を解決したため、ぼちぼち仕事の依頼も来るようになっていた。
牧田は側に有る椅子を掴むと香取の隣に座り、横から彼の手にある便箋を覗き込んだ。
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怪盗ローズクォーツ参上!
私は宝の前にいる。北東に進み、南へ進み、西へ戻る、南東へ進み、西への分かれ道、南へ進み、北西に進み、北東に戻る、西へ進み、北へ走り、東へ戻り、西へ進み、南東へ戻る、再び私は宝の前にいる。
今がその時。
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「また、訳のわからない暗号か・・」やはりな・・といった風に溜息をつくと牧田は椅子の背にもたれた。
「ローズクォーツはいつも予告状を暗号にしてよこすのか?」
「ええ。そうなんです。奴はふてぶてしい事に、犯行現場に次の犯行を予告したメッセージを残すんですよ。カードにね、ほらその叔父さんの持ってる封筒にもある薔薇のデザイン。それが印刷されたカードにターゲットのお宝とそのありかをご丁寧に書いて置いとくんですよ!ほんと警察をなめきってやがる!」
「やけに親切な怪盗じゃないか。で、そのカードの暗号はこれとは違うのか?」
「あ・・」牧田はちょっと赤くなった。
「いえ。カードの方は暗号ではないんです。ローズは狙うお宝の事だけ普通に書き残して、犯行日はその場で明かさず、後になって暗号にしてよこすんです。今度の奴のターゲットは"FIFTH ANGEL"という宝石です。前回の犯行から3ヶ月、暗号が来ないんでいい加減痺れを切らしてた所ですよ。しかも我々が解読できないもんだから、今度は叔父さん宛てに暗号を送ってくるなんて・・」
ポリポリと頭をかきながらも、牧田はいかに怪盗ローズクォーツが狡猾で華麗に犯行を遂げているかを熱く語った。
「叔父さん!これはローズから探偵・香取正人に対する挑戦状ですよ!奴は今まで我々を焦らして楽しんきたんです。なんとかこの暗号を解いて奴の鼻を明かしてやりましょうよ!」
「・・・この暗号は犯行日を予告していたのか。なら、まだまだ時間はあるな。翔、コーヒーでも飲んでいくか?」
「叔父さん、何を悠長なこと・・・!まさか、もう暗号が解けたんじゃないですよね?」
香取は穏やかな笑みを浮かべると、コーヒーの湯を沸かすため隣の部屋へと向かった。
−−皆様こんにちは。長文を読んでくださってありがとうございます。単なる暗号問題ですが、いつか推理問題を出してみたくキャラも登場させてみました。暗号は簡単ですので是非チャレンジしてみてください