クイズ大陸



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?千夜一夜 2022/06/10 13:37
 
このドーニックのパラドクスは、有名な問題である、
「2封筒問題」から、私が派生させた問題です。

「2封筒問題」について、
日本語でコンパクトに紹介している記事があります。以下。

■参考文書
関 勝寿 (Katsutoshi Seki) - ブログ - researchmap - 2つの封筒問題
( https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/92228/98e56ed2a2e2f485f4c22d2bcac369c0?frame_id=526781 )

私はこの記事の以下が気になりました。引用します。


どんな金額でも必ず1/2となるような事前確率の分布はあり得ない、という説明がなされます。


一般的に流布している「2封筒問題」には、
《事前分布》が規定されていないために解くことはできない
といった評価があります。
また、仮に問題を限定し、《事前分布》を与えようとしても、
《どんな金額でも必ず1/2となるような事前確率の分布はあり得ない》
という事態がおきます。

そこで、私は、ちょっと変わった《事前確率》をでっちあげて、
「2封筒問題」の変形版を考えてみようと思ったのです。
ひとつめの封筒を開けたときに、それが偶数だったならば、
それがペアのうち小さいほうである確率が1/3、
大きいほうである確率が2/3、
となるような《事前分布》を作成してみた、
ということになります。

さて、ほにょこさんが r を導入して、
上記を一般化なさいました。

いやあ、素晴らしいことです。

rの取り方如何では、
開けた封筒のなかみが偶数ならば
《どんな金額でも必ずほぼ
1/2となるような事前確率の分布》がありえる……
ということになるからです。

《事前確率》が与えられていないから、
「2封筒問題」がパラドキシカルにみえるのだ、
といった解説もありますが、
ほにょこさんが作成した確率分布を与えてもなお、
「2封筒問題」のオリジナル同様の気持ち悪さ、不可思議さが
相変わらず残る、ということですね。

こうなると、「2封筒問題」の気持ち悪さの原因は、
封筒を開けてみる前の、
封筒内の数の期待値が無限大に発散してしまっている
という点にあるのではないかと思われてならないのです。


出題してみてよかったです。
いろいろと教わることが大でした。

有り難うございます。

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