吉備団子工場出荷係の苦悩≫ No.1 ≫No. 2
千夜一夜
2022/01/11 10:08
出荷係は検査済みの正規品、【あまい吉備団子10個パック】をひとつと、【しょっぱい吉備団子10個パック】をひとつ、そして精密天秤とを自宅に持ち帰りました。
パートナーが気配を察して声をかけました。
「どうしたの?悩みでもあるの?」
出荷係は説明をはじめた。
出荷係「こちらにあるのがしょっぱい団子が10個、で、こちらにあるのがあまい団子10個なんだ。あまい団子の重さは10グラム、しょっぱい団子の重さは10.1グラム。」
パトナ「ふむふむ」
出荷係「甘いほうから何個か取り出してしょっぱいほうに移す、そしてよくまぜる、まざったらさっきと同じ個数だけ、しょっぱいほうからあまいほうに移す。移す個数は10個よりも小さいんだ。」
パトナ「両方ともに10個になるね。でも味がまざっちゃう。」
出荷係「こうした事故が希におきているらしいんだ。だから、梱包前に天秤で検査することになったんだが…3回でできるはずだと工場長が言い張るんだよ。」
パトナ「8個どうしならできるよね?」
出荷係「そうとも。」
――
しょっぱいのが混ざってしまっているかもしれない「全部あまい?」団子8個に名前をつけます。
a1、b2、c3、c4、d5、d6、d7、d8、
としましょう。
A1=a1、B1=b2、C2=c3+c4、D4=d5+d6+d7+d8
としておいて、天秤を3回使って
A1=B1
A1+B1=C2
A1+B1+C2=D4
が確認できたときに限り、8個全てが同じ重さであるとわかります。
しょっぱいのが混ざってしまっているかもしれない「全部あまい?」団子8個がすべて甘いことがわかれば、あまいのが混ざってしまっているかもしれない「全部しょっぱい?」団子8個がすべてしょっぱいことがわかります。
――
パトナ「こどものころ、9個どうしで天秤3回、遊んだことがあるよ?」
出荷係「えー!?」
――
パートナーが思い出した方法が以下でした。
A1=a1
B1=b2
C1=c3
D3=d4+d5+d6
E3=e7+e8+e9
として、
A1+E3 = C1+D3 ...@
A1+D3 = B1+E3 ...A
A1+B1+C1 = D3 ...B
を天秤で確かめられれば9個が全て同じというわけです。
@とAとから、
A1+A1 = B1+C1
がわかります。このことからただちに、
A1 = B1 = C1 = a1
がわかります。
これを踏まえてBをみれば
A1+A1+A1 = D3
となりますから、D3に含まれる団子、d4、d5、d6は全て、a1と同じ重さだとわかります。
ここまでを踏まえて@をみれば、
E3 = D3
とわかりますので、
E3に含まれるe7、e8、e9もまた、a1と同じ重さであると判明します。
――
出荷係「ありがとうっ!! でも10個どうしだとどうなるんだろう?」
パトナ「んー、わかんないなあ。でも、この遊びを教えてくれたの、工場長だよ?若き日の。」
出荷係「へえー!!! そっかー。じゃあ10個どうしで出来るというのも、あながちデマカセとは限らないんだろうなあ……」
2人は悪戦苦闘しましたが、やがて10個どうしでのやり方もわかりました。
夜も更け、2人は吉備団子を全部たいらげました。
出荷係は検査済みの正規品、【あまい吉備団子10個パック】をひとつと、【しょっぱい吉備団子10個パック】をひとつ、そして精密天秤とを自宅に持ち帰りました。
パートナーが気配を察して声をかけました。
「どうしたの?悩みでもあるの?」
出荷係は説明をはじめた。
出荷係「こちらにあるのがしょっぱい団子が10個、で、こちらにあるのがあまい団子10個なんだ。あまい団子の重さは10グラム、しょっぱい団子の重さは10.1グラム。」
パトナ「ふむふむ」
出荷係「甘いほうから何個か取り出してしょっぱいほうに移す、そしてよくまぜる、まざったらさっきと同じ個数だけ、しょっぱいほうからあまいほうに移す。移す個数は10個よりも小さいんだ。」
パトナ「両方ともに10個になるね。でも味がまざっちゃう。」
出荷係「こうした事故が希におきているらしいんだ。だから、梱包前に天秤で検査することになったんだが…3回でできるはずだと工場長が言い張るんだよ。」
パトナ「8個どうしならできるよね?」
出荷係「そうとも。」
――
しょっぱいのが混ざってしまっているかもしれない「全部あまい?」団子8個に名前をつけます。
a1、b2、c3、c4、d5、d6、d7、d8、
としましょう。
A1=a1、B1=b2、C2=c3+c4、D4=d5+d6+d7+d8
としておいて、天秤を3回使って
A1=B1
A1+B1=C2
A1+B1+C2=D4
が確認できたときに限り、8個全てが同じ重さであるとわかります。
しょっぱいのが混ざってしまっているかもしれない「全部あまい?」団子8個がすべて甘いことがわかれば、あまいのが混ざってしまっているかもしれない「全部しょっぱい?」団子8個がすべてしょっぱいことがわかります。
――
パトナ「こどものころ、9個どうしで天秤3回、遊んだことがあるよ?」
出荷係「えー!?」
――
パートナーが思い出した方法が以下でした。
A1=a1
B1=b2
C1=c3
D3=d4+d5+d6
E3=e7+e8+e9
として、
A1+E3 = C1+D3 ...@
A1+D3 = B1+E3 ...A
A1+B1+C1 = D3 ...B
を天秤で確かめられれば9個が全て同じというわけです。
@とAとから、
A1+A1 = B1+C1
がわかります。このことからただちに、
A1 = B1 = C1 = a1
がわかります。
これを踏まえてBをみれば
A1+A1+A1 = D3
となりますから、D3に含まれる団子、d4、d5、d6は全て、a1と同じ重さだとわかります。
ここまでを踏まえて@をみれば、
E3 = D3
とわかりますので、
E3に含まれるe7、e8、e9もまた、a1と同じ重さであると判明します。
――
出荷係「ありがとうっ!! でも10個どうしだとどうなるんだろう?」
パトナ「んー、わかんないなあ。でも、この遊びを教えてくれたの、工場長だよ?若き日の。」
出荷係「へえー!!! そっかー。じゃあ10個どうしで出来るというのも、あながちデマカセとは限らないんだろうなあ……」
2人は悪戦苦闘しましたが、やがて10個どうしでのやり方もわかりました。
夜も更け、2人は吉備団子を全部たいらげました。