ちひろです。
得な選択はしたいですし、損な選択はしたくないものです。
そこで、こんなゲームを作ってみました。
《問題》
次のようなゲームを考えます。
《ルール》
裏が出るまでコインが投げ続けられて、それまでに表が出た回数をnとする。
もう1度コインが投げられて、表が出たら右の箱に4n円,左の箱に4n+1円入れられ、裏が出たら右の箱に4n+1円,左の箱に4n円入れられる。
ここまでの準備の様子を見ることはできないが、箱を1つ選んで中身を見てよい。
見た箱の中身を受け取るか,1円払って別の箱の中身を受け取る。
n回表が出た後に裏が出て、最後に表が出る場合をFn,最後に裏が出る場合をBnとします。
このゲームでFn,Bnが起きる確率はどちらも(1/2)n+2です。
Aさんは次のように考えました。
このゲームは右と左について対称なので、1円払う分、箱を変える選択は損である。
Bさんは次のように考えました。
例えば、左の箱の中身を見たとする。
左が1円のときはB0が起きていて、1円払ってでも4円である右に変えた方がいい。
1以上のすべてのnについて、次がいえる。
左が4n円のときはFn-1かBnが起きていて、それぞれ右は4n-1円,4n+1円である。
左が4n円という条件のもと、Fn-1,Bnが起きる条件付き確率はそれぞれ2/3,1/3である。
左が4n円のとき、1円払ってでも期待値が(2/3)×4n-1+(1/3)×4n+1=(3/2)×4n円である右に変えた方がいい。
左が何円でも1円払って右に変えた方がいいので、箱を変える選択は得である。
このゲームで箱を変えるのは得かつ損な選択なのでしょうか?
そうでないなら、どこが正しくないのでしょうか?
元ネタは「2つの封筒」というパラドックスなのですが、ゲームを設定する時点で微妙な部分があり、そこを指摘して解決する文献がほとんどなので、この問題を作りました。
ちひろ 2020/10/13 18:36
得な選択はしたいですし、損な選択はしたくないものです。
そこで、こんなゲームを作ってみました。
元ネタは「2つの封筒」というパラドックスなのですが、ゲームを設定する時点で微妙な部分があり、そこを指摘して解決する文献がほとんどなので、この問題を作りました。