そろそろ新着問題の1ページ目から押し出されてしまいそうなので、正解発表。
補題
当たりの確率が常にp (0<p≦1) であるくじを、当たりが1回出るまで引く時、
くじを引く回数の期待値は、 1/p である。
・最初に当たりを引いた場合、1回で終わる。
・最初にハズレを引いても、後の確率には影響を及ぼさないので、1回分の「徒労」が増えるだけ。
したがって、期待値X = p×1 + (1-p)×(X+1) 。
これを変形すると、 X = 1/p 。(証明終わり)
様々な求め方
解答者の皆様により、様々な解法が投稿されましたので、大雑把に紹介いたします。
似たような解放は一纏めにしております。ご了承ください。
解答1 (私、 Prime さん、 Yss さん)
(【当たり】が1個出るまでの討伐回数の期待値)
+
[
//残った方が出るまでの討伐回数の期待値 //たてがみ→エメラルド (先に
たてがみが出る確率) × (そこから
エメラルド入手までの討伐回数の期待値)
+
//エメラルド→たてがみ (先に
エメラルドが出る確率) × (そこから
たてがみ入手までの討伐回数の期待値)
]
= (20/3) + [(1/3)×10 + (2/3)×20] = 70/3
解答2 (ばやとな さん)
(【当たり】を1個出すのに必要な討伐回数の期待値)
×
[
//揃うまでに出る【当たり】の個数の期待値 //たてがみ→エメラルド (先に
たてがみが出る確率) × (1 + そこから
エメラルド入手までの【当たり】個数の期待値)
+
//エメラルド→たてがみ (先に
エメラルドが出る確率) × (1 + そこから
たてがみ入手までの【当たり】個数の期待値)
]
= (20/3) × [(1/3)×(1+1/(2/3)) + (2/3)×(1+1/(1/3))] = 70/3
解答3 (なるほど さん、 たっくん4 さん、 KY さん)
X =
(1回目に
たてがみが出る確率) × (そこから
エメラルド入手までの討伐回数の期待値 + 1) +
(1回目に
エメラルドが出る確率) × (そこから
たてがみ入手までの討伐回数の期待値 + 1) +
(1回目にどちらも手に入らない確率) × (X + 1)
の方程式を解く。計算すると X = 70/3
解答4 (具無しのとんぺい さん)
期待値 = (k × ちょうどk回目で両方のアイテムが揃う確率) である。
ちょうどk回目で両方のアイテムが揃う確率 =
{ //たてがみ→エメラルド [((n-1)回目まで
エメラルドが出ない確率) - ((n-1)回目まで【ハズレ】しか出ない確率)]
×
エメラルドが出る確率
+
//エメラルド→たてがみ [((n-1)回目まで
たてがみが出ない確率) - ((n-1)回目まで【ハズレ】しか出ない確率)]
×
たてがみが出る確率
}= [(18/20)
k-1 - (17/20)
k-1]×(2/20) + [(19/20)
k-1 - (17/20)
k-1]×(1/20) となるので、
X = (k
{[(18/20)
k-1 - (17/20)
k-1]×(2/20) + [(19/20)
k-1 - (17/20)
k-1]×(1/20)
})
ここで、0<k<1ならば、Σ kx
k-1 = 1/(k-1)
2 に収束するので(証明略)
X = [1/(2/20)
2 - 1/(3/20)
2]×(2/20) + [1/(1/20)
2 - 1/(3/20)
2]×(1/20)
= … = 70/3
あとがき
この問題を作るきっかけとなったのは、とあるソーシャルゲームでの出来事。
「キャラクターガチャ」で入手しておきたいキャラクターが2種類ある。
片方はピックアップ期間中で排出確率が上がっているが
もう片方は最近ピックアップが終了してしまったので、今は排出確率が低い。
複数入手する必要は無いので、1体ずつ手に入ればいい。
このように「排出確率の違う2種類のもの」を揃えるためには、
どう計算すれば良いのだろうか?
と思ったことがきっかけでした。
期待値の計算は難しくはありませんでしたし、出てきた数字も信憑性のあるものでした。
しかし、実際はうまくいきませんでした。
「確率」ですから、運が悪ければいつまで経っても出ないのです。
ソーシャルゲームは大変です。
補題
当たりの確率が常にp (0<p≦1) であるくじを、当たりが1回出るまで引く時、
くじを引く回数の期待値は、 1/p である。
・最初に当たりを引いた場合、1回で終わる。
・最初にハズレを引いても、後の確率には影響を及ぼさないので、1回分の「徒労」が増えるだけ。
したがって、期待値X = p×1 + (1-p)×(X+1) 。
これを変形すると、 X = 1/p 。(証明終わり)
様々な求め方
解答者の皆様により、様々な解法が投稿されましたので、大雑把に紹介いたします。
似たような解放は一纏めにしております。ご了承ください。
解答1 (私、 Prime さん、 Yss さん)
(【当たり】が1個出るまでの討伐回数の期待値)
+
[ //残った方が出るまでの討伐回数の期待値
//たてがみ→エメラルド
(先にたてがみが出る確率) × (そこからエメラルド入手までの討伐回数の期待値)
+
//エメラルド→たてがみ
(先にエメラルドが出る確率) × (そこからたてがみ入手までの討伐回数の期待値)
]
= (20/3) + [(1/3)×10 + (2/3)×20] = 70/3
解答2 (ばやとな さん)
(【当たり】を1個出すのに必要な討伐回数の期待値)
×
[ //揃うまでに出る【当たり】の個数の期待値
//たてがみ→エメラルド
(先にたてがみが出る確率) × (1 + そこからエメラルド入手までの【当たり】個数の期待値)
+
//エメラルド→たてがみ
(先にエメラルドが出る確率) × (1 + そこからたてがみ入手までの【当たり】個数の期待値)
]
= (20/3) × [(1/3)×(1+1/(2/3)) + (2/3)×(1+1/(1/3))] = 70/3
解答3 (なるほど さん、 たっくん4 さん、 KY さん)
X =
(1回目にたてがみが出る確率) × (そこからエメラルド入手までの討伐回数の期待値 + 1) +
(1回目にエメラルドが出る確率) × (そこからたてがみ入手までの討伐回数の期待値 + 1) +
(1回目にどちらも手に入らない確率) × (X + 1)
の方程式を解く。計算すると X = 70/3
解答4 (具無しのとんぺい さん)
期待値 = (k × ちょうどk回目で両方のアイテムが揃う確率) である。
ちょうどk回目で両方のアイテムが揃う確率 =
{
//たてがみ→エメラルド
[((n-1)回目までエメラルドが出ない確率) - ((n-1)回目まで【ハズレ】しか出ない確率)]
× エメラルドが出る確率
+
//エメラルド→たてがみ
[((n-1)回目まで たてがみが出ない確率) - ((n-1)回目まで【ハズレ】しか出ない確率)]
× たてがみが出る確率
}
= [(18/20)k-1 - (17/20)k-1]×(2/20) + [(19/20)k-1 - (17/20)k-1]×(1/20) となるので、
X = (k{[(18/20)k-1 - (17/20)k-1]×(2/20) + [(19/20)k-1 - (17/20)k-1]×(1/20)})
ここで、0<k<1ならば、Σ kxk-1 = 1/(k-1)2 に収束するので(証明略)
X = [1/(2/20)2 - 1/(3/20)2]×(2/20) + [1/(1/20)2 - 1/(3/20)2]×(1/20)
= … = 70/3
あとがき
この問題を作るきっかけとなったのは、とあるソーシャルゲームでの出来事。
と思ったことがきっかけでした。
期待値の計算は難しくはありませんでしたし、出てきた数字も信憑性のあるものでした。
しかし、実際はうまくいきませんでした。
「確率」ですから、運が悪ければいつまで経っても出ないのです。
ソーシャルゲームは大変です。