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伊藤那由多
2016/07/29 07:08
問1の厳密解と問2の解法だけ。
「y軸周りの回転」とは、y軸の負の向きから見て時計回り、
「z軸周りの回転」とは、z軸の負の向きから見て時計回りを正とする。
また、半径1、中心角θ(rad)の扇形の弧の長さは弧度法の定義よりθである。
地球を中心(0,0,0)、半径1の球とし、このとき1kmが2kπに相当するとする。
このとき、地球表面で1km離れたどんな2点P,Qについても
弧度法の定義より∠POQ=2kπが成り立つ。
北極点をP(0,0,1),A(sin2kπ,0,cos2kπ)とする。
このとき、Aから真東に向かって地球を一周した時の軌跡は、
xy平面上の円x^2+y^2=1(赤道)をy軸周りに-(1/2-2k)πだけ回転させたものである。
Aをy軸周りに(1/2-2k)πだけ回転させた点をA',
Bをy軸周りに(1/2-2k)πだけ回転させた点をB'とすると、
A'(1,0,0),∠A'OB'=2kπより
B'(cos2kπ,sin2kπ,0)
BはB'をy軸周りに-(1/2-2k)πだけ回転させた点であるから、
B(cos2kπcos(2k-1/2)π,sin2kπ,-sin(2k-1/2)πcos2kπ) (∵y軸周りの回転行列)
全ての緯度θの点のz座標はsinθなので、
-sin(2k-1/2)π=cos2kπより、
Bの緯度はarcsin(cos^2(2kπ))
よって北極点との距離はπ/2-arcsin(cos^2(2kπ))
1kmが2kπに相当するので求める距離は
(π/2-arcsin(cos^2(2kπ)))/2kπ
(実際これはk→0で√2となる)
また、地球の半径をrとするとk=1/2πrなので、
距離をrを使って表すとr(π/2-arcsin(cos^2(1/r)))となる。
実際の地球ではk=2.50×10^-5なのでこれを代入すると1.41kmとなり、
殆ど差は出ない。
(実際、kが正確に2.50×10^-5のとき
距離=1. 414 213 564 411 424, √2=1. 414 213 562 373 095)
問2では、任意の地球上の点X(x,y,z)から真東に1km進んだ点Yを求める方法がわかればよいので、以下にその方法だけ示す。
Xをz軸周りに-θだけ回転させた点をX'とすると、これはxz平面上にある。
このとき、θ=arctan(x/y)である。
X'をy軸周りにψだけ回転させた点をX''とすると、これはxy平面上にあり、その座標は(1,0,0)である。
このとき、ψ=arcsin(z)である。
X''から真東に1km進んだ点をY''とすると、その座標は(cos2kπ,sin2kπ,0)である。
Y''をy軸周りに-ψだけ回転させた点をY'とするとき
Y'をz軸周りにθだけ回転させた点がYとなる。
「y軸周りの回転」とは、y軸の負の向きから見て時計回り、
「z軸周りの回転」とは、z軸の負の向きから見て時計回りを正とする。
また、半径1、中心角θ(rad)の扇形の弧の長さは弧度法の定義よりθである。
地球を中心(0,0,0)、半径1の球とし、このとき1kmが2kπに相当するとする。
このとき、地球表面で1km離れたどんな2点P,Qについても
弧度法の定義より∠POQ=2kπが成り立つ。
北極点をP(0,0,1),A(sin2kπ,0,cos2kπ)とする。
このとき、Aから真東に向かって地球を一周した時の軌跡は、
xy平面上の円x^2+y^2=1(赤道)をy軸周りに-(1/2-2k)πだけ回転させたものである。
Aをy軸周りに(1/2-2k)πだけ回転させた点をA',
Bをy軸周りに(1/2-2k)πだけ回転させた点をB'とすると、
A'(1,0,0),∠A'OB'=2kπより
B'(cos2kπ,sin2kπ,0)
BはB'をy軸周りに-(1/2-2k)πだけ回転させた点であるから、
B(cos2kπcos(2k-1/2)π,sin2kπ,-sin(2k-1/2)πcos2kπ) (∵y軸周りの回転行列)
全ての緯度θの点のz座標はsinθなので、
-sin(2k-1/2)π=cos2kπより、
Bの緯度はarcsin(cos^2(2kπ))
よって北極点との距離はπ/2-arcsin(cos^2(2kπ))
1kmが2kπに相当するので求める距離は
(π/2-arcsin(cos^2(2kπ)))/2kπ
(実際これはk→0で√2となる)
また、地球の半径をrとするとk=1/2πrなので、
距離をrを使って表すとr(π/2-arcsin(cos^2(1/r)))となる。
実際の地球ではk=2.50×10^-5なのでこれを代入すると1.41kmとなり、
殆ど差は出ない。
(実際、kが正確に2.50×10^-5のとき
距離=1. 414 213 564 411 424, √2=1. 414 213 562 373 095)
問2では、任意の地球上の点X(x,y,z)から真東に1km進んだ点Yを求める方法がわかればよいので、以下にその方法だけ示す。
Xをz軸周りに-θだけ回転させた点をX'とすると、これはxz平面上にある。
このとき、θ=arctan(x/y)である。
X'をy軸周りにψだけ回転させた点をX''とすると、これはxy平面上にあり、その座標は(1,0,0)である。
このとき、ψ=arcsin(z)である。
X''から真東に1km進んだ点をY''とすると、その座標は(cos2kπ,sin2kπ,0)である。
Y''をy軸周りに-ψだけ回転させた点をY'とするとき
Y'をz軸周りにθだけ回転させた点がYとなる。