クイズ大陸



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?s_hskz 2015/10/21 20:43
 
またまた雑談にて失礼いたします。
No.6で、たっくん4さんがおっしゃるに

===引用開始
この種の問題で、私の基本的な考え方は「ギャンブルだとしたときに期待値がゼロとなるようにオッズを切り、それから逆算して確率を算出する」
===引用終了

とのことでした。
興味深いことでしたので書店に行きまして関連する書籍をあさりましたところ、《ゲーム論的確率論》について詳しい、以下の本をみつけました。

小島寛之著『確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで』(ブルーバックス)講談社。

《ゲーム論的確率論》は確率論の定式化としては、新しい流れのようです。コルモゴロフに始まる現代確率論や、その上で新しい展開をみせたベイジアンの流れとも異なる、確率の定義を置き換えるもののようでして。これは新しい考えです。実に面白そうです。読むにあたっての難易度は、理系高3の学力があれば充分のようです。

なかでも(個人的にはとても)ビックリしたのは、根元事象に確率をキッチリと割り振ってから論じるわけではないらしい……という点です。そんなバカな…なのであります。

いま、コイントスをして表か裏かの結果に賭けてバクチをうつことを考えます。この試行をn回繰り返すとしましょう。《ゲーム論的確率論》では次のことがらをも許容する理論です。すなわち、n→∞のときに、コイントスの結果における表が出る回数の試行回数に対する比が収束しなくても確率論の範囲で分析してしまうのです。1/2に収束するんでも、その他の0≦α≦1なるαに収束するのでもなく、収束しなくても検討してしまうのです。収束するのならその値を根元事象に割り当てて《なにをもって同様に確からしい》とするかを決定できますから、その他の複合事象の確率について考えることは、できそうな気がしますが……そんな今までの確率論とは違う根本から確率論を再構築してしまうのですね、《ゲーム論的確率論》は。

それゆえに、物理的な減耗のせいで、あるときには表が出やすく、しばらくすると裏がでやすく、そうかと思えば再び表が出やすく…となるような、表が出る頻度がいつまでたっても収束しないコインを使ってのバクチまで、確率論で捉えてしまいます。

ちなみに、そうした変なコインを使っての丁半バクチでは、絶対にスルことなく胴元を破産に追い込む必勝法があることが定理になっています。

注。よくある、マルチンゲールによる偽物必勝法ではありません。次々に倍プッシュをしていくタイプの。クイズ大陸の過去問にもこの話題がありました。

※条件がありまして、いくらでも細かい単位で掛け金を賭けてもよいこと、何回でも賭け続ける時間があることが必要ですが…

●御参考
 大金持ちになれる確率理論?
  http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20150726/
 
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