問3の答えは、
■出演者が最初においしいお茶を選んでいたら、
→例の再選択の儀式を行う(ここは問題の設定)
■出演者が最初にまずいお茶を選んでいたら、
→
1/2の確率で、再選択の儀式を行う。というものです。1/2の確率の決め方は色々あって、
■まずいお茶に心の中で1、2と番号を付けておき、番組前にコイントスをして、
「今日は出演者がまずいお茶1を選んだら再選択あり、2だったら再選択なし」と
決めておく、なども一案です。
■番組開始前に、コイントスをして、表が出たら「再選択ナシ」裏は「アリ」。
「今日は表が出たので、出演者がまずいお茶を選んだら再選択なし」と決めておく。
番組前にそこまで準備すると大変だというなら、
■収録中に、スタジオにある時計(デジタルが好ましい)をパッと見た瞬間に、
秒の十の位が偶数なら再選択あり、奇数なら再選択なし、など。
↑解答は
確率1/2、が書かれていたら正解としました。
ディテール、実現方法はあくまでおまけです(が、楽しませて頂きました

)。
それで、
問3はまじめに考えると、結構難しいんですが、また例によって、ベイズの定理で考えると、一般化出来て、見通しが良くなりますので、その方針で説明したいと思います。
事象A 出演者が最初においしいお茶を選んでいた
事象B 司会者が例の儀式をして、再選択のチャンスを与えた
事象C 出演者が最初にまずいお茶を選んでいた
AとCは排反です。
問1では、事象Bは必ず起こる設定でした。
即ちP
A(B)=P
C(B)=1
問2では、事象Bは事象Aが起きた時にだけ起こる設定。
即ちP
A(B)=1, P
C(B)=0
では問3でP
C(B)は・・・というのが本問の本題なんです。
1と0の間をとって1/2で(笑)
というと冗談みたいですが、実はそうなっています。
No.27に投稿したヒントをご参照頂きたいのですが、
ベイズの定理から、
P
B(A)/P
B(C)= (P
A(B)/P
C(B))・(P(A)/P(C))
と、なります。
事象B(再選択の儀式)が起きた時にAとCが等確率、つまり、
この式の左辺が1/1になるにはどうすればよいか?
というのが、問3で問われていることです。
左辺=1 そして、
題意からP
A(B)=1, P(A)=1/3, P(C)=2/3です。
代入すると、
1=(1/P
C(B))・(1/3)/(2/3)
整理すると、
P
C(B)=1/2
となります。
つまり、
出演者が最初に選んだお茶がまずいお茶であったとき、
司会者が例の儀式をして再選択のチャンスを与えることを、
確率
P
C(B)=1/2
で行うときに、
出演者としては、「選択を変えても、変えなくても、おいしいお茶を飲める確率が変わらない」という、設問で問われていた条件が実現することになります。
解答解説はここまでですが、
少し補足を。
No.10のjさんのご回答は(個人的には好きな展開ですが

)、出山さんにおいしいお茶を飲ませてしまうという点で、設問の条件から外れているので別解としましたが、
例の儀式の時に、
出山さんに、おいしいお茶を飲ませてしまう可能性もある。
そこをランダムに決めてしまうという方針。
これでも、再選択時に出演者がどちらを選んでも確率は同じになります。
不思議な感じがしますが、どれがまずいお茶か知っている、という司会者の事前情報を活用せずにコップを減らすと、問1のような「確率の濃縮」が起きないので、最初から最後まで、どのコップを選んでもおいしいお茶の確率は1/3で変わらない。と、なります。たったこれだけで、確率が変わってしまうんですね。
↑
本家、モンティ・ホール問題でも、このあたりの条件によって、確率の計算が変わってしまう。そのあたりの複雑さもあって、数学者たちも間違った主張をし、大議論に発展したという経緯があります。数学的にとても興味深いと感じる話なので、とりあげてみました(jさんありがとうございます)。
ご参加下さいました皆さまに、改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました
■出演者が最初においしいお茶を選んでいたら、
→例の再選択の儀式を行う(ここは問題の設定)
■出演者が最初にまずいお茶を選んでいたら、
→1/2の確率で、再選択の儀式を行う。
というものです。1/2の確率の決め方は色々あって、
■まずいお茶に心の中で1、2と番号を付けておき、番組前にコイントスをして、
「今日は出演者がまずいお茶1を選んだら再選択あり、2だったら再選択なし」と
決めておく、なども一案です。
■番組開始前に、コイントスをして、表が出たら「再選択ナシ」裏は「アリ」。
「今日は表が出たので、出演者がまずいお茶を選んだら再選択なし」と決めておく。
番組前にそこまで準備すると大変だというなら、
■収録中に、スタジオにある時計(デジタルが好ましい)をパッと見た瞬間に、
秒の十の位が偶数なら再選択あり、奇数なら再選択なし、など。
↑解答は確率1/2、が書かれていたら正解としました。
ディテール、実現方法はあくまでおまけです(が、楽しませて頂きました
それで、
問3はまじめに考えると、結構難しいんですが、また例によって、ベイズの定理で考えると、一般化出来て、見通しが良くなりますので、その方針で説明したいと思います。
事象A 出演者が最初においしいお茶を選んでいた
事象B 司会者が例の儀式をして、再選択のチャンスを与えた
事象C 出演者が最初にまずいお茶を選んでいた
AとCは排反です。
問1では、事象Bは必ず起こる設定でした。
即ちPA(B)=PC(B)=1
問2では、事象Bは事象Aが起きた時にだけ起こる設定。
即ちPA(B)=1, PC(B)=0
では問3でPC(B)は・・・というのが本問の本題なんです。
1と0の間をとって1/2で(笑)
というと冗談みたいですが、実はそうなっています。
No.27に投稿したヒントをご参照頂きたいのですが、
ベイズの定理から、
PB(A)/PB(C)= (PA(B)/PC(B))・(P(A)/P(C))
と、なります。
事象B(再選択の儀式)が起きた時にAとCが等確率、つまり、
この式の左辺が1/1になるにはどうすればよいか?
というのが、問3で問われていることです。
左辺=1 そして、
題意からPA(B)=1, P(A)=1/3, P(C)=2/3です。
代入すると、
1=(1/PC(B))・(1/3)/(2/3)
整理すると、
PC(B)=1/2
となります。
つまり、
出演者が最初に選んだお茶がまずいお茶であったとき、
司会者が例の儀式をして再選択のチャンスを与えることを、
確率
PC(B)=1/2
で行うときに、
出演者としては、「選択を変えても、変えなくても、おいしいお茶を飲める確率が変わらない」という、設問で問われていた条件が実現することになります。
解答解説はここまでですが、
少し補足を。
No.10のjさんのご回答は(個人的には好きな展開ですが
例の儀式の時に、
出山さんに、おいしいお茶を飲ませてしまう可能性もある。
そこをランダムに決めてしまうという方針。
これでも、再選択時に出演者がどちらを選んでも確率は同じになります。
不思議な感じがしますが、どれがまずいお茶か知っている、という司会者の事前情報を活用せずにコップを減らすと、問1のような「確率の濃縮」が起きないので、最初から最後まで、どのコップを選んでもおいしいお茶の確率は1/3で変わらない。と、なります。たったこれだけで、確率が変わってしまうんですね。
↑
本家、モンティ・ホール問題でも、このあたりの条件によって、確率の計算が変わってしまう。そのあたりの複雑さもあって、数学者たちも間違った主張をし、大議論に発展したという経緯があります。数学的にとても興味深いと感じる話なので、とりあげてみました(jさんありがとうございます)。
ご参加下さいました皆さまに、改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました