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s_hskz
2015/10/01 10:37
このスレッドから派生した出題、【東京五輪記念硬貨偽造事件】も、まもなく終了、クローズする運びとなりました。【東京五輪〜】のほうで、出題者の私が用意させて頂いた回答例には、以下の特質があります。
《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行う。》
【東京五輪〜】では、金貨5枚のうち1枚が軽い偽物、銀貨5枚のうち1枚が軽い偽物、これを天秤3回で特定してください、という出題でした。なお、今ごらんになっているスレッドで、YSSさんからご指摘頂いたように、金貨と偽金貨との重さの差は銀貨と偽銀貨との重さの差に等しいことが肝要でして、そうでなければ恐らくは解がないことでしょう。
さて、【東京五輪〜】の出題者による回答例は、以下の問題の解の一部です。
11枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤4回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
1回目の測定では5枚同士で重さを比較した場合に、それが釣り合っているときにも、ニセ金貨は特定できなくてはいけません。ここで左の皿に乗せたものに1枚、右の皿にのせたものに1枚、ニセ金貨があることに着目すれば、左の皿には[金貨]右の皿には[銀貨]と名前をつけてしまえば、【東京五輪〜】の問題の出題者による回答例と等しくなります。
そこで、ちょっと考えてみたのですが、【東京五輪〜】では、天秤が3回使えますから、3の3乗=27の場合があり、一方、ニセ金貨とニセ銀貨の組み合わせは、5の2乗ですから、ギリギリな線でした。6枚どうしでは無理です。
ではあと1回天秤を使える回数を増やしたとしたならばどうでしょう。金貨と銀貨は何枚まで増やせるでしょう。
3の4乗は81ですから、9の自乗と等しく、金貨銀貨10枚同士の【東京五輪〜】は無理とわかります。また、検証してみないとわかりませんが、金貨銀貨9枚同士の【東京五輪〜】も、余裕度が無さすぎてかなり厳しいと思われます。金貨銀貨8枚同士ならば、あるいは解があるかもしれません。64は81に比べてかなり小さくみえます。天秤の能力に余裕がありそうです。
ここで【東京五輪〜】から離れて、親の問題に戻りますと、次の予想が生まれます。すなわち、次の問い1から3までについて
●問い1
21枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
●問い2
19枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
●問い3
17枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
予想としては
問い1には解がないかもしれない、
問い2に解があるかもしれないがかなり厳しそう、
問い3は、ある程度余裕がありそう……となります。
今ごらんになっているスレッドで、たびたび引き合いに致しました、月刊誌『現代数学』の10月号の記事によれば、天秤5回のパズルは闇のなかの模様です。あらゆるテクニックを駆使して高速化したプログラムでも、個人が所有しているパソコンでは、全数検査が終わらない模様です。
●問いΩ
X枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
この問いに解があるようなXの最大値については、何もわかっていないのです。
【東京五輪〜】の問題は、何か新しい知見が得られないものかと手を出したものの今だ至らず、の過程で得られた副産物なのでした。
s_hskz 2015/10/01 10:37
このスレッドから派生した出題、【東京五輪記念硬貨偽造事件】も、まもなく終了、クローズする運びとなりました。【東京五輪〜】のほうで、出題者の私が用意させて頂いた回答例には、以下の特質があります。
《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行う。》
【東京五輪〜】では、金貨5枚のうち1枚が軽い偽物、銀貨5枚のうち1枚が軽い偽物、これを天秤3回で特定してください、という出題でした。なお、今ごらんになっているスレッドで、YSSさんからご指摘頂いたように、金貨と偽金貨との重さの差は銀貨と偽銀貨との重さの差に等しいことが肝要でして、そうでなければ恐らくは解がないことでしょう。
さて、【東京五輪〜】の出題者による回答例は、以下の問題の解の一部です。
11枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤4回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
1回目の測定では5枚同士で重さを比較した場合に、それが釣り合っているときにも、ニセ金貨は特定できなくてはいけません。ここで左の皿に乗せたものに1枚、右の皿にのせたものに1枚、ニセ金貨があることに着目すれば、左の皿には[金貨]右の皿には[銀貨]と名前をつけてしまえば、【東京五輪〜】の問題の出題者による回答例と等しくなります。
そこで、ちょっと考えてみたのですが、【東京五輪〜】では、天秤が3回使えますから、3の3乗=27の場合があり、一方、ニセ金貨とニセ銀貨の組み合わせは、5の2乗ですから、ギリギリな線でした。6枚どうしでは無理です。
ではあと1回天秤を使える回数を増やしたとしたならばどうでしょう。金貨と銀貨は何枚まで増やせるでしょう。
3の4乗は81ですから、9の自乗と等しく、金貨銀貨10枚同士の【東京五輪〜】は無理とわかります。また、検証してみないとわかりませんが、金貨銀貨9枚同士の【東京五輪〜】も、余裕度が無さすぎてかなり厳しいと思われます。金貨銀貨8枚同士ならば、あるいは解があるかもしれません。64は81に比べてかなり小さくみえます。天秤の能力に余裕がありそうです。
ここで【東京五輪〜】から離れて、親の問題に戻りますと、次の予想が生まれます。すなわち、次の問い1から3までについて
●問い1
21枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
●問い2
19枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
●問い3
17枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
予想としては
問い1には解がないかもしれない、
問い2に解があるかもしれないがかなり厳しそう、
問い3は、ある程度余裕がありそう……となります。
今ごらんになっているスレッドで、たびたび引き合いに致しました、月刊誌『現代数学』の10月号の記事によれば、天秤5回のパズルは闇のなかの模様です。あらゆるテクニックを駆使して高速化したプログラムでも、個人が所有しているパソコンでは、全数検査が終わらない模様です。
●問いΩ
X枚のコインがあり、うち2枚が軽いニセ金貨で、本物同士、ニセ物同士は重さが等しい、天秤5回でニセ金貨を特定して下さい。但し、《(n-1)回目までの測定の結果を知らないままでn回目の測定を行うこととします。》
この問いに解があるようなXの最大値については、何もわかっていないのです。
【東京五輪〜】の問題は、何か新しい知見が得られないものかと手を出したものの今だ至らず、の過程で得られた副産物なのでした。