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マキチャン
2008/09/17 10:08
長恨歌 習った?

漢皇色を重んじて傾国を思 ふ
御宇多年求むれども得 ず
楊家に女有り初めて長成 し
養はれて深閨に在り人夫だ 識らず
天生の麗質自ら棄 て難く
一朝選ばれて君主の側 に在り
眸を迴らして一笑すれば百媚生じ
六宮の粉黛顔色無し
温泉水滑らかにして凝脂 を洗ふ
侍児扶け起こすに矯として 力無し
始めて是れ新たに恩沢を承くるの時
雲鬢花顔金歩揺
芙蓉の帳暖かにし て春宵を度る
春宵短きを苦しみ日高くして起く
此れより君主早朝せず
歓を承け宴に侍して閑暇無く
春は春遊に従ひ夜は夜を専らにす
後宮の佳麗三千人
三千の寵愛一身に在り
金屋粧ひ成って嬌として夜に侍し
玉楼宴罷んで酔うて春に和す
憐むべし光彩の門戸に生ずるを
遂に天下の父母の心をして
男を生むを重んぜず女を生むを重んぜしむ
驪宮高き処青雲に入り
仙楽風に飄りて処処に聞こゆ
緩歌縵舞糸竹を凝らし
尽日君主看れども足らず
漁陽のヘイ鼓地を動かして来り
驚破す霓裳羽衣の曲
九重の城闕煙塵生じ
千乗万騎西南に行く
翠華揺揺として行きて復た止り
西のかた都門を出づること百余里
六軍発せず奈何ともする無く
宛転たる娥眉馬前に死す
花鈿は地に委てられて人の収むる無く
翠翹金雀玉掻頭
君主面を掩ひて救ひ得ず
迴り看れば血涙相和して流る
黄埃散漫風蕭索
雲桟エイ紆剣閣に登る
峨帽山下人の行くこと少にして
旌旗光無く日色薄し
蜀江は水碧にして蜀山は青し
聖主朝期暮暮の情
行宮に月を見れば傷心の色
夜雨に鈴を聞けば腸断の声
天旋り日転じて竜馭を迴らし
此に到りて躊躇して去る能はず
馬嵬坡下泥土の中
玉顔を見ず空しく死せし処
君臣相顧みて尽く衣を霑し
東のかた都門を望み馬に信せて帰る
帰り来れば池苑皆旧に依る
太液の芙蓉未央の柳
芙蓉は面のごとく柳は眉のごとし
此に対して如何ぞ涙垂れざらん
春風桃李花開くの夜
秋雨梧桐葉落つるの時
西宮南苑秋草多く
宮葉階に満ちて紅掃はず
梨園の弟子白髪新たに
椒房の阿監青娥老いたり
夕殿蛍飛んで思ひ憤然たり
孤灯挑げ尽くして未だ眠りを成さず
遅達たる鐘鼓初めて長き夜
耿耿たる星河曙けんと欲する天
鴛鴦の瓦冷ややかにして霜華重く
翡翠の衾寒くして誰と共にせん
悠悠たる生死別れて年を経
魂魄曾て来りて夢に入らず
臨キョウの道士鴻都の客
能く精誠を以て魂魄を致す
君王展転の思ひに感ずるが為に
遂に方士をして股勤慇懃に覓めしむ
空を排き気に馭して奔ること電のごとく
天に昇り地に入りて之を求むること遍し
上は碧落を窮め下は黄泉
両処茫茫として皆見えず
忽ち聞く海上に仙山有りと
山は虚無縹渺の間に在り
楼閣玲瓏として五雲起こり
其の中綽約として仙子多し
中に一人有り字は太真
雪の膚花の貌参差として是れなり
金闕の西廟に玉ケイを叩き
転じて小玉をして双成に報ぜしむ
聞道くならく漢家天子の使ひなりと
九華の帳裏夢中に驚く
衣を攬り枕を推して起ちて俳個し
珠箔銀屏リイとして開く
雲鬢半ば垂れて新たに眠りより覚め
花冠整へず堂を下りて来る
風は仙袂を吹きて飄ヨウとして挙がり
猶ほ霓裳羽衣の舞に似たり
玉容寂寞として涙ラン干
梨花一枝春雨を帯ぶ
情を含み睇を凝らして君王に 謝す
一別音容両つながら渺茫
昭陽殿裏恩愛絶え
蓬莱宮中日月長し
頭を迴して下人寰の処を望 めば
長安を見ず塵霧を見る
唯だ旧物を将つて深情を表し
鈿合金釵寄せ将ち去かしむ
釵は一股を留め合は一扇
釵は黄金を擘き合は鈿を分かつ
但だ心をして金鈿の堅 きに似しめば
天上人間会ず相見えんと
別れに臨みて慇懃に重ねて詞を寄す
詞中に誓有り 両心のみ知る
七 月七日長生殿
夜半人無く私語せし時
天に在りては願はくは比翼の鳥と作り
地に在りては願はくは連理の枝と為らんと
天長地久時有りて尽くるも
此の恨みは綿綿として絶ゆの期無からん
ア○メン
漢皇色を重んじて傾国を思 ふ
御宇多年求むれども得 ず
楊家に女有り初めて長成 し
養はれて深閨に在り人夫だ 識らず
天生の麗質自ら棄 て難く
一朝選ばれて君主の側 に在り
眸を迴らして一笑すれば百媚生じ
六宮の粉黛顔色無し
温泉水滑らかにして凝脂 を洗ふ
侍児扶け起こすに矯として 力無し
始めて是れ新たに恩沢を承くるの時
雲鬢花顔金歩揺
芙蓉の帳暖かにし て春宵を度る
春宵短きを苦しみ日高くして起く
此れより君主早朝せず
歓を承け宴に侍して閑暇無く
春は春遊に従ひ夜は夜を専らにす
後宮の佳麗三千人
三千の寵愛一身に在り
金屋粧ひ成って嬌として夜に侍し
玉楼宴罷んで酔うて春に和す
憐むべし光彩の門戸に生ずるを
遂に天下の父母の心をして
男を生むを重んぜず女を生むを重んぜしむ
驪宮高き処青雲に入り
仙楽風に飄りて処処に聞こゆ
緩歌縵舞糸竹を凝らし
尽日君主看れども足らず
漁陽のヘイ鼓地を動かして来り
驚破す霓裳羽衣の曲
九重の城闕煙塵生じ
千乗万騎西南に行く
翠華揺揺として行きて復た止り
西のかた都門を出づること百余里
六軍発せず奈何ともする無く
宛転たる娥眉馬前に死す
花鈿は地に委てられて人の収むる無く
翠翹金雀玉掻頭
君主面を掩ひて救ひ得ず
迴り看れば血涙相和して流る
黄埃散漫風蕭索
雲桟エイ紆剣閣に登る
峨帽山下人の行くこと少にして
旌旗光無く日色薄し
蜀江は水碧にして蜀山は青し
聖主朝期暮暮の情
行宮に月を見れば傷心の色
夜雨に鈴を聞けば腸断の声
天旋り日転じて竜馭を迴らし
此に到りて躊躇して去る能はず
馬嵬坡下泥土の中
玉顔を見ず空しく死せし処
君臣相顧みて尽く衣を霑し
東のかた都門を望み馬に信せて帰る
帰り来れば池苑皆旧に依る
太液の芙蓉未央の柳
芙蓉は面のごとく柳は眉のごとし
此に対して如何ぞ涙垂れざらん
春風桃李花開くの夜
秋雨梧桐葉落つるの時
西宮南苑秋草多く
宮葉階に満ちて紅掃はず
梨園の弟子白髪新たに
椒房の阿監青娥老いたり
夕殿蛍飛んで思ひ憤然たり
孤灯挑げ尽くして未だ眠りを成さず
遅達たる鐘鼓初めて長き夜
耿耿たる星河曙けんと欲する天
鴛鴦の瓦冷ややかにして霜華重く
翡翠の衾寒くして誰と共にせん
悠悠たる生死別れて年を経
魂魄曾て来りて夢に入らず
臨キョウの道士鴻都の客
能く精誠を以て魂魄を致す
君王展転の思ひに感ずるが為に
遂に方士をして股勤慇懃に覓めしむ
空を排き気に馭して奔ること電のごとく
天に昇り地に入りて之を求むること遍し
上は碧落を窮め下は黄泉
両処茫茫として皆見えず
忽ち聞く海上に仙山有りと
山は虚無縹渺の間に在り
楼閣玲瓏として五雲起こり
其の中綽約として仙子多し
中に一人有り字は太真
雪の膚花の貌参差として是れなり
金闕の西廟に玉ケイを叩き
転じて小玉をして双成に報ぜしむ
聞道くならく漢家天子の使ひなりと
九華の帳裏夢中に驚く
衣を攬り枕を推して起ちて俳個し
珠箔銀屏リイとして開く
雲鬢半ば垂れて新たに眠りより覚め
花冠整へず堂を下りて来る
風は仙袂を吹きて飄ヨウとして挙がり
猶ほ霓裳羽衣の舞に似たり
玉容寂寞として涙ラン干
梨花一枝春雨を帯ぶ
情を含み睇を凝らして君王に 謝す
一別音容両つながら渺茫
昭陽殿裏恩愛絶え
蓬莱宮中日月長し
頭を迴して下人寰の処を望 めば
長安を見ず塵霧を見る
唯だ旧物を将つて深情を表し
鈿合金釵寄せ将ち去かしむ
釵は一股を留め合は一扇
釵は黄金を擘き合は鈿を分かつ
但だ心をして金鈿の堅 きに似しめば
天上人間会ず相見えんと
別れに臨みて慇懃に重ねて詞を寄す
詞中に誓有り 両心のみ知る
七 月七日長生殿
夜半人無く私語せし時
天に在りては願はくは比翼の鳥と作り
地に在りては願はくは連理の枝と為らんと
天長地久時有りて尽くるも
此の恨みは綿綿として絶ゆの期無からん
ア○メン