クイズ大陸



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?かえるの妻 2014/10/11 06:42
>>78 の続き
【真相編・急】

新しい仲間を宝箱に加えたあと、レイがキッチンに戻ってくると、
ナツキはテーブルの上に不動産やさんの広告の紙を広げて、
その上で鉛筆を削っていた。
「カッターの扱いも上手くなったじゃないか。」
「そんなことないよ。これは硬い鉛筆だからまあまあだけど、
 軟らかい鉛筆だと凄く難しいんだよ。」

レイも会話に参加してみる。
「いつもみたいに、ガリガリーってやらないの?」
ナツキは手を止めて、真剣な表情で答えた。
「いちにんまえの絵描きさんは、鉛筆をナイフで削るんだよ。」
「へー。」
ナツキの説明によると、絵描きさんが使う鉛筆は特別で、
学校で使う鉛筆とは違うのだという。
レイは暫く、ナツキが鉛筆を削る様子を見学した。

並べた鉛筆を眺めて、それなりに納得したらしいナツキは、
カッターを紙の上でトントンと叩いた。
「なにしてるの?」
「鉛筆の粉が付いてるから、落としてるの。道具は大切にするんだよ。
 最後は、こうやってキレイにするの。」
そう言ってナツキは、あの薄汚れた消しゴムを取り出すと、
消しゴムの汚れた面を選んで、カッターの刃を、ぺたぺたと押し付けた。
すると消しゴムは粘土のように、ぐにゃぐにゃと形を変えた。

「びっくりした? これね、絵描きさんの使う、特別な消しゴムなんだよ。
 ほら、こんなこともできるよ〜ん。」
ナツキは両手で消しゴムを、にゅ〜〜っと延ばして見せた。お餅みたいだ。
「わぁ!! かしてかして!!」

レイの宝物候補が、またひとつ増えたようだ。

 〜了〜
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