>>76 の続き
【真相編・破】「あのね、レイ。ナイショにしてたけど、
お姉ちゃんね、先週から絵画教室に通い始めたんだ。」
「かいがきょうしつ?」
「絵のお勉強するの。オトナの人と一緒に練習するんだよ。
そのスケッチブックは、お家での練習用。」
レイの向かい側に腰掛けたナツキは、件の布ポーチからカッターを取り出すと、
刃先が出るのと反対側の先端から、キャップ状の部品を引き抜いた。
そうして、カッターナイフの本体をテーブルに伏せるように左手に持ち、
取っ手部分を右手で ゆっくりとスライドさせる。
ナツキの両手の間に、長めの刃が見えるのと同時に
カッター本体の下にポロリと、問題のビニール・タイが出現した。
「はい、おまたせ。きちんと仕舞っておいで。」
「うん。」レイは、びっくりしながら受け取った。
「それがレイの大事なものなんだね。いやぁ、凄い手品だねぇ。」
「だって、剥き出しで鞄に入れたら、潰れて曲がっちゃうでしょ。
お財布だと小さすぎるから、やっぱり小銭で潰れちゃう。
クレヨンや鉛筆と一緒だと汚れちゃうし。
ハンカチに挟むと、使うとき慌てて落としたり、間違って洗濯しちゃったり。
ティッシュは間違って捨てちゃったりするかもしれないでしょ。
カッターなら使うとき絶対に慎重になるから。
大きさもピッタリだったし。」
・・・お姉ちゃん、アタマいいなぁ。
【真相編・破】
「あのね、レイ。ナイショにしてたけど、
お姉ちゃんね、先週から絵画教室に通い始めたんだ。」
「かいがきょうしつ?」
「絵のお勉強するの。オトナの人と一緒に練習するんだよ。
そのスケッチブックは、お家での練習用。」
レイの向かい側に腰掛けたナツキは、件の布ポーチからカッターを取り出すと、
刃先が出るのと反対側の先端から、キャップ状の部品を引き抜いた。
そうして、カッターナイフの本体をテーブルに伏せるように左手に持ち、
取っ手部分を右手で ゆっくりとスライドさせる。
ナツキの両手の間に、長めの刃が見えるのと同時に
カッター本体の下にポロリと、問題のビニール・タイが出現した。
「はい、おまたせ。きちんと仕舞っておいで。」
「うん。」レイは、びっくりしながら受け取った。
「それがレイの大事なものなんだね。いやぁ、凄い手品だねぇ。」
「だって、剥き出しで鞄に入れたら、潰れて曲がっちゃうでしょ。
お財布だと小さすぎるから、やっぱり小銭で潰れちゃう。
クレヨンや鉛筆と一緒だと汚れちゃうし。
ハンカチに挟むと、使うとき慌てて落としたり、間違って洗濯しちゃったり。
ティッシュは間違って捨てちゃったりするかもしれないでしょ。
カッターなら使うとき絶対に慎重になるから。
大きさもピッタリだったし。」
・・・お姉ちゃん、アタマいいなぁ。