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かえるの妻
2014/10/04 11:40
【真相編・序】
「おかげで助かったよ、ナツキ。休憩しよう。
レイ、待たせて悪かったね。ナツキに用があったんだね?」
ナツキと父が、部屋から出てきた。
「すぐお茶いれるね。
レイ、待たせちゃったおわびに、スケッチブック見ていいよ。」
「どれ、お父さんも一緒に見るかな。」
「えー。お父さんは見たことあるでしょ。」
キッチンのテーブル向かって腰を落ち着けた父は
手にしたスケッチブックを、丁寧にめくり始めた。
レイは隣に陣取って、どきどきしながら覗き込んだ。
最初のページは、何本か鉛筆で線が引いてあるだけ。
なにか描こうとしたけれど、躊躇って途中でやめてしまったようだ。
次のページは、積み木のような四角いブロックが描かれていた。
その次は、積み木で作ったお家の絵。
その次は、つるつるしたお茄子の絵。
どの絵も色は塗られていない。
「上手になってきたじゃないか。」
「本当、お父さん? 新しい消しゴムのおかげかなぁ?」
飲み物を用意しながら、ナツキが嬉しそうに答えた。
かえるの妻 2014/10/04 11:40
「おかげで助かったよ、ナツキ。休憩しよう。
レイ、待たせて悪かったね。ナツキに用があったんだね?」
ナツキと父が、部屋から出てきた。
「すぐお茶いれるね。
レイ、待たせちゃったおわびに、スケッチブック見ていいよ。」
「どれ、お父さんも一緒に見るかな。」
「えー。お父さんは見たことあるでしょ。」
キッチンのテーブル向かって腰を落ち着けた父は
手にしたスケッチブックを、丁寧にめくり始めた。
レイは隣に陣取って、どきどきしながら覗き込んだ。
最初のページは、何本か鉛筆で線が引いてあるだけ。
なにか描こうとしたけれど、躊躇って途中でやめてしまったようだ。
次のページは、積み木のような四角いブロックが描かれていた。
その次は、積み木で作ったお家の絵。
その次は、つるつるしたお茄子の絵。
どの絵も色は塗られていない。
「上手になってきたじゃないか。」
「本当、お父さん? 新しい消しゴムのおかげかなぁ?」
飲み物を用意しながら、ナツキが嬉しそうに答えた。