ｸｲｽﾞ大陸

「あら、城田くん、まだそのクイズで遊んでたの？」
「いいじゃないか巽美ちゃん、皆さんじっくり楽しんでくれてるんだから。」
「だって、じれったいじゃないの。じゃ、私がヒント出してア・ゲ・ル。」
「 」

「まず、犯行動機とか登場人物の性別とかは、深く考えなくて良いわ。
　それから、事件がどういう風に発生したのかも、出題文からは不明ね。
　犯人が　この倉庫で待ち伏せしていて　内田を殴ったとか、
　犯人に刺された内田が　たまたま倉庫に逃げ込んだとか、
　色々考えられるけれど、どっちでもいいわ。
　内田が死んだかどうかも、気分の問題だからお好みで。」
「そんなぁ。」

「殺人事件が嫌いな城田くんが、あえて過激な設定にしたからには、
　それなりの理由があるのよ。
　内田は流血していて、たぶん助けを呼ぶこともできなかった。
　もう死ぬかもしれない、
　意識がハッキリしているうちに、せめて犯人が誰なのかを伝え残したい。
　残された時間は長くない。きっと必死だった筈なのよ。

　遺すメッセージは　警察などに正しく伝わらなければ意味が無いのだから
　内田がミステリ好きでも、必要以上に入り組んだ暗号にはしていない筈ね。
　犯人がダイイングメッセージを改竄してはいないことも　説明文から判るわ。」

「内田自身は改竄される可能性まで　考えていたかもしれないけどね。」
「ヒントなんだから、余計なこと言わなくてイイの！」
「僕のクイズなのにー。」