ｸｲｽﾞ大陸

「な、なんで分かったんだ」
ニヤリとそいつが笑った。

「やはりあなたが犯人でしたね」
「どうして僕が犯人だと、いや、それ以前になぜ殺人だと分かったんだ！」
「被害者の手から硝煙反応がでませんでしたからね」
「そうか！・・・よ、よく気づいたな！警察の能力を試してみたのさ！」
「殺人だと分かったので、徹底的に調査をしました」
「しかし、僕は何の手掛かりも残さなかったはずだ」
「手掛かりを残したのは彼女ですよ」
「いや。それもしっかり確認したんだ」
「あなたの名前がはっきりと書き残されていました」
「嘘だ！そんなことは科学的に不可能だ！」
「あなたは彼女のトリックに騙されたんですよ。さすがはマジシャンですな」
「なんだと！？」
「彼女はあなたの目の前で手品をしてみせたんでしょう？」
「そうだ」
「現場にあったトランプは封を切られたばかりのものでした」
「確かに、俺の目の前で開封した」
「ご存じですか？未開封のトランプは決まった順に並んでいるんですよ」
「それがどうした。それに、あいつはその後すぐにシャッフルしていたぞ」
「プロのマジシャンなら順序を変えないようにシャッフルするくらい朝飯前です」
「むむ」
「フォールスシャッフルというらしいですがね」
「だから、それがどうしたっていうんだ」
「ですから、あたしはトランプを最初の順番に並べ直してみたんですよ」
「何？」
「すると、ほらこの通り」
「うげっ！」

なんと、その一組のトランプの側面に俺の名前が書かれているではないか。

「彼女はジョーカーに書き込むついでに、側面にあなたの名前を書いたのでしょう」
「そんな・・・」
「その後シャッフルして広げれば、ちょっと調べたくらいでは分かりっこありません」
「くそっ！あの女め！」