論理バレンタイン ≫No. 1
木有恵尊
2012/02/13 21:49
「ああ、くそ! 今年もチョコレートが貰えなかった!」猫宮が頭を抱えてわめく。
犬谷は彼の肩にそっと手を置いた。
「そう悲しむな。バレンタインはまた来るさ」猫宮は犬谷をキッと睨む。
「良いですよね、先輩は。チョコ沢山貰って」「そんなことはない。俺は甘い物が苦手だから、正直困ってるんだ」「ふん。だったらそこのチョコ下さいよ」猫宮は近くに置いてあった箱を開け、
六つあるうちの一つのチョコを食べた。
「あ、それは…」「苦っ! うわ、何ですかこれ」「丸いチョコレートが横一列に六つ並んでいただろ? その内の一つは甘いチョコレートだが、他の五つは苦い・辛い・しょっぱい・酸っぱい・臭いチョコレートらしい。そうか、右から二番目は苦いチョコレートだったか」「ビターってレベルじゃないですよ……。とにかく、ロシアンルーレットみたいなものですか?」「いや、この紙に書かれている通りなら、論理的にどれが甘いか分かるらしい。一部読めなくなっているけど」「ちょっとその紙良いですか?」猫宮は紙を受け取り、内容を読む。
「先輩、この論理チョコ、僕が解いて良いですかね」「別に構わないが」「よっしゃ! 絶対に甘いチョコレートを食べてやる」猫宮は紙を睨み付け、考え始めた。
どのチョコレートが甘いんだ? ・甘いチョコレートは、しょっぱいチョコレートの左にある。
・辛いチョコレートは、苦いチョコレートと隣り合っていない。
・臭いチョコレートは、しょっぱいチョコレートと隣り合っていない。
・酸っぱいチョコレートは、甘いチョコレートの左にある。
・甘
木有恵尊 2012/02/13 21:49
猫宮が頭を抱えてわめく。犬谷は彼の肩にそっと手を置いた。「そう悲しむな。バレンタインはまた来るさ」
猫宮は犬谷をキッと睨む。「良いですよね、先輩は。チョコ沢山貰って」
「そんなことはない。俺は甘い物が苦手だから、正直困ってるんだ」
「ふん。だったらそこのチョコ下さいよ」
猫宮は近くに置いてあった箱を開け、六つあるうちの一つのチョコを食べた。
「あ、それは…」
「苦っ! うわ、何ですかこれ」
「丸いチョコレートが横一列に六つ並んでいただろ? その内の一つは甘いチョコレートだが、他の五つは苦い・辛い・しょっぱい・酸っぱい・臭いチョコレートらしい。そうか、右から二番目は苦いチョコレートだったか」
「ビターってレベルじゃないですよ……。とにかく、ロシアンルーレットみたいなものですか?」
「いや、この紙に書かれている通りなら、論理的にどれが甘いか分かるらしい。一部読めなくなっているけど」
「ちょっとその紙良いですか?」
猫宮は紙を受け取り、内容を読む。
「先輩、この論理チョコ、僕が解いて良いですかね」
「別に構わないが」
「よっしゃ! 絶対に甘いチョコレートを食べてやる」
猫宮は紙を睨み付け、考え始めた。どのチョコレートが甘いんだ?