クイズ大陸



履歴 検索 最新 出題

人について−少年と紳士の賭け− ≫No. 1
?空蝉 2011/12/21 11:13囁き
 ギャンブル中毒の少年がベンチに座って、今日パチンコで勝った景品を見ながらにやけていると、「君、ちょっといいかな」と、声をかけられた。
 英国風の紳士だった。だが、英国風なのは格好だけで、実際のところは日本人だ。
「これから、おじさんと賭けをしないかい?」
 ギャンブル中毒の少年の頭は、「賭け」と聞くと積極的な反射が促されるようにできているため、間髪入れずに首肯した。
「よろしい。ルールは簡単だ。あそこに不動産屋があるだろう?」二人の10メートルほど先には、中規模の不動産ビルがあった。「あのビルの角から現れる奴が、男か女か賭けようじゃないか
「いいぜ、おっさん」
「よし、決まりだ。私が開始の合図をしてから、一番最初に現れる奴の性別を判定対象にするからな。んじゃ、私はに賭ける」
「あんたから決めるのかよ。・・・・・・仕方ねえな、じゃあ、俺はで」
「決まりだな。ちなみに、私が勝ったら、君の命をいただくぜ。君が勝ったら、私のシルクハットをやる。じゃあ、今から開始な」そう言って、紳士は少年の隣に座った。

紳士の心理
(くっくっく。馬鹿な小僧よ。この賭けは、はなからてめえに勝ち目はねえ。私はここに来る前、見たんだ。あのビルの向こう100メートルほど先に、女の姿をな。女は明らかにこちらに向かってくる。その上、この辺りにはほかに人はまったくいない。つまり、女があのビルの角を曲がってくるのは、100%確実よ)


少年の心理
(このおっさんのにやけ顔。明らかに勝算があると見えるが、向こうから女が来ているのは、ベンチに座る前、俺も見た。ほかに人がいない以上、女が角を曲がるのは確実だ。どうするか・・・・・・)


「あ、そうそう、言い忘れたが」紳士が言った。「あのビルの向こうから来る、いかなる人間に対しても、行く手を妨害したりするのは許さんからな

少年の心理
(これまでの時間を計算すると、女とビルの距離はあと50メートルか)


紳士の心理
(私の勝ちは揺るがん!諦めな、少年よ)


少年の心理
(残念だったな、おっさん。申し訳ないが、この賭けは俺が勝たせてもらうぜ)

 
 さて、少年の策略とは?
編集