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アーベル◆0mBTVqT3Z6I
2011/12/03 05:05
問2 : ある円の一定の弧に対する円周角の大きさは、常に一定であることを証明せよ。
冗長になりますが、言い出しっぺなので馬鹿丁寧にやります。
円周上に点A・点Bを両端とする円弧ABを作ります。円弧が半周よりも長くなる場合も考えます。
この注目する円弧AB上ではない、円周上に点Pを取ります。このときの∠APBが、注目している円弧に対する円周角です。上記のように点Pを定めた場合、ある円弧ABに対して∠APBの大きさは必ず同一の値となることを証明します。
円の中心をOとし点Pと点Oを直線で結び、この直線と円の2つの交点のうち、点Pではない方を点Qとします。点Qの場所によって以下の3パターンに場合分けします。
<< 1 >> 点Qが注目する円弧上(但し点A・点Bを除く)にくる場合。
△APOを考えると OA = OP (= 円の半径) ですので、△APOは二等辺三角形です。従って∠OAP = ∠OPA が言えます。また∠AOQ を見るとこれは∠AOPの外角になっていますので、外角定理により ∠AOQ = ∠OAP + ∠OPA = 2*∠OPA が成立します。同様に、△BPO 及び ∠BOQ に着目すると、∠BOQ = 2*∠OPB…A が成立します。
@、Aの両辺を足すと、∠AOQ + ∠BOQ = 2*(∠OPA + ∠OPB) です。ここで、この式の左辺は円弧ABの中心角の大きさを表し、右辺の()内は円弧ABの円周角の大きさとなっていることが図を描けば解かると思います。従って「中心角の大きさ = 2*円周角の大きさ」が導けます。
<< 2 >> 点Qが点Aあるいは点Bと一致する場合。
点Bと点Qが一致するとします。<< 1 >>の△BPOが潰れた格好ですが、同じような方針で証明出来ます。 << 1 >>と同様に △APO 及び ∠AOQ に着目すると、∠AOQ = 2*∠OPA です。
今回のケースでは、∠OPA が円弧ABの円周角であり ∠AOQ が円弧ABの中心角となっていますので、「中心角の大きさ = 2*円周角の大きさ」が言えます。点Aと点Qが一致する場合も同様。
<< 3 >> 点Qが注目する円弧上にない場合。
<< 1 >>と同様にして、∠AOQ = 2*∠OPA…@、∠BOQ = 2*∠OPB…A が言える。
∠OPB>∠OPA のとき、円弧ABの中心角は (∠BOQ - ∠AOQ) であり円周角は (∠OPB - ∠OPA) です。よって式@、式Aの両辺を引き算すれば、「中心角の大きさ = 2*円周角の大きさ」となることが解ります。∠OPB<∠OPA の場合も同様です。
<< 1 >> << 2 >> << 3 >> より、常に「円周角の大きさ=中心角の大きさ*(1/2)」が言え、同一の弧に対する中心角の大きさは一定であることは解りますので、円周角の大きさも常に一定である。(証明終わり)
冗長になりますが、言い出しっぺなので馬鹿丁寧にやります。
円周上に点A・点Bを両端とする円弧ABを作ります。円弧が半周よりも長くなる場合も考えます。
この注目する円弧AB上ではない、円周上に点Pを取ります。このときの∠APBが、注目している円弧に対する円周角です。上記のように点Pを定めた場合、ある円弧ABに対して∠APBの大きさは必ず同一の値となることを証明します。
円の中心をOとし点Pと点Oを直線で結び、この直線と円の2つの交点のうち、点Pではない方を点Qとします。点Qの場所によって以下の3パターンに場合分けします。
<< 1 >> 点Qが注目する円弧上(但し点A・点Bを除く)にくる場合。
△APOを考えると OA = OP (= 円の半径) ですので、△APOは二等辺三角形です。従って∠OAP = ∠OPA が言えます。また∠AOQ を見るとこれは∠AOPの外角になっていますので、外角定理により ∠AOQ = ∠OAP + ∠OPA = 2*∠OPA が成立します。同様に、△BPO 及び ∠BOQ に着目すると、∠BOQ = 2*∠OPB…A が成立します。
@、Aの両辺を足すと、∠AOQ + ∠BOQ = 2*(∠OPA + ∠OPB) です。ここで、この式の左辺は円弧ABの中心角の大きさを表し、右辺の()内は円弧ABの円周角の大きさとなっていることが図を描けば解かると思います。従って「中心角の大きさ = 2*円周角の大きさ」が導けます。
<< 2 >> 点Qが点Aあるいは点Bと一致する場合。
点Bと点Qが一致するとします。<< 1 >>の△BPOが潰れた格好ですが、同じような方針で証明出来ます。 << 1 >>と同様に △APO 及び ∠AOQ に着目すると、∠AOQ = 2*∠OPA です。
今回のケースでは、∠OPA が円弧ABの円周角であり ∠AOQ が円弧ABの中心角となっていますので、「中心角の大きさ = 2*円周角の大きさ」が言えます。点Aと点Qが一致する場合も同様。
<< 3 >> 点Qが注目する円弧上にない場合。
<< 1 >>と同様にして、∠AOQ = 2*∠OPA…@、∠BOQ = 2*∠OPB…A が言える。
∠OPB>∠OPA のとき、円弧ABの中心角は (∠BOQ - ∠AOQ) であり円周角は (∠OPB - ∠OPA) です。よって式@、式Aの両辺を引き算すれば、「中心角の大きさ = 2*円周角の大きさ」となることが解ります。∠OPB<∠OPA の場合も同様です。
<< 1 >> << 2 >> << 3 >> より、常に「円周角の大きさ=中心角の大きさ*(1/2)」が言え、同一の弧に対する中心角の大きさは一定であることは解りますので、円周角の大きさも常に一定である。(証明終わり)