国境にて ≫No. 1
木有恵尊
2011/09/07 21:03
怪しげな男が、車に乗って国境を行き来していた。
気にかかった税関職員のアダムは、ある日その男を止めた。男が密輸をしているかもしれないからだ。
「すみません。積み荷を確認させて下さい」
「ああ、別に良いですよ」あっけらかんと男は言った。
アダムは積み荷を確認する。布袋の中には、大量の土が入っていた。
「これは何ですか?」
「それは農業用の土ですよ」
十数個あった布袋は全て、土が入っていた。
その後もアダムは、車の至る所や、男の身体を調べ上げたが、特に怪しいものは見当たらなかった。
「ううむ、やはり私のただの勘違いか」
「すみません、もう車を発進させても良いですか?」
「はい、構いません」
男を乗せた車が動き出し、やがて道の向こうへと消えていった。アダムはその日、自宅に帰ろうとしたが、そこではたと気が付いた。
「しまった! あいつはあれを密輸していたんだ!」
さて、男が密輸していたものとは何か?
木有恵尊 2011/09/07 21:03
気にかかった税関職員のアダムは、ある日その男を止めた。男が密輸をしているかもしれないからだ。
「すみません。積み荷を確認させて下さい」
「ああ、別に良いですよ」あっけらかんと男は言った。
アダムは積み荷を確認する。布袋の中には、大量の土が入っていた。
「これは何ですか?」
「それは農業用の土ですよ」
十数個あった布袋は全て、土が入っていた。
その後もアダムは、車の至る所や、男の身体を調べ上げたが、特に怪しいものは見当たらなかった。
「ううむ、やはり私のただの勘違いか」
「すみません、もう車を発進させても良いですか?」
「はい、構いません」
男を乗せた車が動き出し、やがて道の向こうへと消えていった。アダムはその日、自宅に帰ろうとしたが、そこではたと気が付いた。
「しまった! あいつはあれを密輸していたんだ!」
さて、男が密輸していたものとは何か?