クイズ大陸



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Dr.ボンテンの誤算 ≫No. 1
?たいふ 2011/08/20 15:51囁き
昔、【和製キアヌ】と呼ばれていたこともある…たいふです。
皆さんは、『クラインの壺』という小説をご存知でしょうか?ヴァーチャル・リアリティを
取り入れたSFミステリーで、現実世界と仮想世界の区別が出来なくなっていって…
という感じのお話なのですが、このお話で登場するヴァーチャル・リアリティを生み出す
機械「クライン2」というのは、スクリーンに映すべき映像を網膜に直接映し、聴覚嗅覚
触覚、全てが現実そのままに感受される
のだそうです。
ピンときた方も多いでしょう。キアヌ・リーブス主演の映画『マトリックス』もコンピュータ
の作りだしたヴァーチャル世界と、現実世界の間で物語が進行していきますね。
『マトリックス』も『クライン2』と同じように(システムは違いますが)、ヴァーチャル世界
での体験は現実世界に反映されます。作中で、
「人間の精神と肉体は不可分に結びついているから、ヴァーチャルで殺された(死んだ)人間は、現実世界でも死ぬ」
というような説明をモーフィアスがネオに対し行っていたような気がします。

これを踏まえて…

『クラインの壺』と『マトリックス』に影響を受けたDr.ボンテンは、自分でもそんな装置を
作ってみたいと、夜も眠らず昼寝して、とうとう装置を完成させてしまった。その名も【IF】
後先考えないボンテンは早速装置を部下に起動させて体験してみた。頬を抓ると確かに
痛いし、箪笥の角に小指をぶつけると笑うより仕方がなかった。花からは良い香りが漂い、
氷は冷たく火は熱かった。
装置を停止させ現実世界に戻ったボンテンは痛む足の小指を冷やしながら一言
「完璧だ。これで奴を葬り去ることが出来る…クックックッ…」

ヴァーチャル・リアリティ・ゲーム…無料体験のお知らせというDM(ダイレクトメール)を
受け取ったゲームに目がないA氏は、早速指定された体験会場へと足を向けた。
簡単な説明を受け準備、装置が起動された。
最初の場所は見事なバラ園…色々な種類のバラの花がA氏の目と鼻を楽しませた。
一輪手折ってみようと手を伸ばすと
「痛ッ!!」
棘が刺さったのだろう…指から血が滲んできた。A氏はこの事実に興奮を覚えた。

場面が変わる…セスナ機内でパラシュートを身につけていた。どうやら、ここでスカイダイビング
を体験するらしい…気軽に低予算で、安全に行えるなら、これだけで十分な価値がこのゲーム
にはあるだろう、色々な分野でのシミュレーターとしての依頼も殺到するかも知れない…
そんな分析をしていると、いよいよ機は高度3000mのダイビングポイントに到達した。
意を決し空へとダイブ…もの凄い空気の抵抗を受けながらグングンと落下していく。
そろそろパラシュートを開かねばとコードを引くが、傘は開かない。予備も試すがこちらも開かない。
それはそうだ、ボンテンがそう設定しているのだから…

ボンテンは、慌てるA氏の姿をモニターで眺めながらほくそ笑む…高度は500、450、400…
死へのカウントダウンだ…200、150、100、50…A氏の体は地面に激しく激突。
「やった、殺ったぞ!!」
狂喜乱舞するボンテンは、装置を停止させA氏の様子を確認した…
「何故だ…何故生きている…」

装置は誤作動も無く、完璧に機能していました。
どうして、ボンテンの目論んだ結果が得られなかったのでしょう?

以下は事前の言い訳

これは、恩赦の知らせと同様の…私の疑問に始まり、私の自己完結に終わるという類の問題です。
様々なお答えが予想されるでしょうから、その都度コメントはするつもりでおります。
(納得されるかどうかは別にして)
また、私が用意している解答も万人の賛同が得られる絶対的なものではないということを予めご了解
ください。
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