「それで、何で球技テストになるんだ?」
僕は目の前に何十人と控える
志願者の群れを見てコマーに聞いた。
ここは大陸公園。いつもは日曜日になると大勢の家族連れが
ピクニック気分でお昼ご飯を食べる憩いの場所だ。
しかし、今日は平日の朝だからか雇用希望所の人たちと
犬の散歩に来た人たち以外人があまりいない。
「鳥川君は知らないのかい!?」
コマーが驚いたように大げさに手を広げた。
「し、しらないけど。」
「そりゃあ無理もない。先ほど思いついた選出方法だ。」
知らなくて当たり前だろ!
「だから何で球技テストで選出なんかするんだよ。」
「いい質問だね。
だが、そろそろ希望者の人たちに説明を
しなければいけないからその時に話そう。」
コマーはそういうとポケットから笛を取り出し甲高い音をならせた。
どうやらこれから其の説明が始まるみたいだ。
「みなさん、朝早くお集まりいただきありがとう。
これから雇用する人を決めるため、ボールテストを行おうと思う。」
周りが大きくざわついた。それは当然。
一体、雇用するのになぜボールテストなんかをしなければならないんだ?
「すいません。
なんでボールテストをして雇用者を決めるんですか?」
雇用者の群れの中にいる若い男性が
全員の疑問を代表するように手を上げて質問する。
「とてもいい質問だ。
考えてもみたまえ。今の時代、探偵は頭脳だ、容姿だ、才能だ!など
と言われているが
実際、吾輩の体験によると体力が一番必要になっている。
つまり!
体力がなければ仕事は務まらないのだ!」
おお!コマーが久しぶりにまともなことを言った!
コマーもまともなことを言える年齢になったんだな・・・・。
「ということで、これから吾輩が見本を見せる。
とりあえず吾輩がなげた距離のプラスマイナス3メートルがB。
吾輩が投げた距離よりも3メートル以上長ければAが取れ、
そして吾輩が投げた距離よりも3メートル以上短ければCが取れる。
このテストで吾輩の狙い通りの良い評価をした者は
他にも用意されている全てのテストをしてもらい、
一緒に働いてもらおうと思う。」周りから大きな歓声が上がった。
それを気にせずコマーは公園の上に描かれた
ハンドボール投げ用の円の中に入ると
野球のボールを手に持って投げる準備をし始めている。
「大丈夫なんすかね・・・・。コマーのダンナは・・・。」
海造がぬっと後ろから現れた。
「え?なんでだ?
なかなか分かりやすくてシンプルな雇用試験じゃないか。」
一体海造は何を心配しているんだろう?
「いえ、鳥川のアニキ。
あっしもこの試験の方法だけを考えれば
とてもシンプルでいいと思っていやす。」
「だけを考えればというと?」
ん、なんか嫌な予感がする。
「コマーのダンナに雇用テストの目安になるような体力があるんですかい?」
あぁ!そうだった!
しかし、もう遅い。
コマーは準備を終えたかと思うと汚いフォームでボールを投げてしまった。
ひょろひょろと雇用者全員の目の前で
スローモーションに下にボールが地面へ沈んでいく・・・・。
「記録、6メートルっす・・・。」
「コマー・・・・。」
「ん?なんだい?」
コマーがいかにもやりきったかのようにのんきに返事をした。
「一体どうするんだ!
あんな記録じゃ全員がうかっちゃうじゃないか!」
「あんな記録とはなんだ。とてもいい記録じゃないか。」
どうやら自分のしでかしてしまったことが
どれだけ重大なことかわかっていないようだ。
「いいか、コマー。
いくら僕たちが賞金の一千万円を持っているとはいえ
こんな人数を雇用するのにはもっとお金がかかるんだぞ!」
「ん?そんなことかい?」
そんなことって・・・・・。
どうやらコマーはお金を持ちすぎて感覚がマヒしてしまったみたいだ。
「大丈夫!そこら辺はしっかり考えてるよ。」
次々とAを取って行く人たちをよそに、のんきにコマーが言い放つ。
本当に大丈夫なんだろうか・・・・・?
さて、ここで問題。
何メートル投げれば晴れてコマーと一緒に働けるでしょうか?ちなみに投げた距離が3メートルの場合はBで、9メートルの場合はAです。
がんばってくださいね!
さて・・・・
とりあえず自己紹介から始めることが先決でしょう。
これを久しぶりに読んだ方は「大変ご迷惑をおかけしました!」
始めてこれを読んだ方は「これからよろしく!」(;o;)
コマーと鳥川にかなり頑丈な腐れ縁でつながれている駒一です。
あの後、(#35話を参照)を見た方の一部の人たちは
分かっていると思われますが、
あの話でコマーと鳥川の事件簿は完結していません。
まぎわらしい(あ、まぎらわしいだ!)形で終わってしまい
読んでくださった方々には大変ご迷惑をかけたと思います。(;o;)
ですが、これからできるだけ週に一話のペースで進めていきますので
「常連」の名にかけて本当の最終回まで続けようと思います。
あと、私がなにやらボヤいていた単語、「BON-NOW」・・・・・(・o・‖)。
話のストーリーこそ思いついたものの、
みなさんをぎゃふんと言わせるようなトリックはまだ2つほどしか見つからず
全てをお見せすることはまだ遠い話のことになりそうです。(;v;)
必ず今年中には出しますのでどうかお待ちください。
それでは、ぐっらっく! 自(Q0Q)
追記、
「ライアーゲーム開催!」をつくったクイズ大陸君のクイズがあります。
興味のある方は「ライアーゲーム」で検索してお楽しみくださいませ。
駒一 2011/06/05 17:16
僕は目の前に何十人と控える
志願者の群れを見てコマーに聞いた。
ここは大陸公園。いつもは日曜日になると大勢の家族連れが
ピクニック気分でお昼ご飯を食べる憩いの場所だ。
しかし、今日は平日の朝だからか雇用希望所の人たちと
犬の散歩に来た人たち以外人があまりいない。
「鳥川君は知らないのかい!?」
コマーが驚いたように大げさに手を広げた。
「し、しらないけど。」
「そりゃあ無理もない。先ほど思いついた選出方法だ。」
知らなくて当たり前だろ!
「だから何で球技テストで選出なんかするんだよ。」
「いい質問だね。
だが、そろそろ希望者の人たちに説明を
しなければいけないからその時に話そう。」
コマーはそういうとポケットから笛を取り出し甲高い音をならせた。
どうやらこれから其の説明が始まるみたいだ。
「みなさん、朝早くお集まりいただきありがとう。
これから雇用する人を決めるため、ボールテストを行おうと思う。」
周りが大きくざわついた。それは当然。
一体、雇用するのになぜボールテストなんかをしなければならないんだ?
「すいません。
なんでボールテストをして雇用者を決めるんですか?」
雇用者の群れの中にいる若い男性が
全員の疑問を代表するように手を上げて質問する。
「とてもいい質問だ。
考えてもみたまえ。今の時代、探偵は頭脳だ、容姿だ、才能だ!など
と言われているが
実際、吾輩の体験によると体力が一番必要になっている。
つまり!
体力がなければ仕事は務まらないのだ!」
おお!コマーが久しぶりにまともなことを言った!
コマーもまともなことを言える年齢になったんだな・・・・。
「ということで、これから吾輩が見本を見せる。
とりあえず吾輩がなげた距離のプラスマイナス3メートルがB。
吾輩が投げた距離よりも3メートル以上長ければAが取れ、
そして吾輩が投げた距離よりも3メートル以上短ければCが取れる。
このテストで吾輩の狙い通りの良い評価をした者は
他にも用意されている全てのテストをしてもらい、
一緒に働いてもらおうと思う。」
周りから大きな歓声が上がった。
それを気にせずコマーは公園の上に描かれた
ハンドボール投げ用の円の中に入ると
野球のボールを手に持って投げる準備をし始めている。
「大丈夫なんすかね・・・・。コマーのダンナは・・・。」
海造がぬっと後ろから現れた。
「え?なんでだ?
なかなか分かりやすくてシンプルな雇用試験じゃないか。」
一体海造は何を心配しているんだろう?
「いえ、鳥川のアニキ。
あっしもこの試験の方法だけを考えれば
とてもシンプルでいいと思っていやす。」
「だけを考えればというと?」
ん、なんか嫌な予感がする。
「コマーのダンナに雇用テストの目安になるような体力があるんですかい?」
あぁ!そうだった!
しかし、もう遅い。
コマーは準備を終えたかと思うと汚いフォームでボールを投げてしまった。
ひょろひょろと雇用者全員の目の前で
スローモーションに下にボールが地面へ沈んでいく・・・・。
「記録、6メートルっす・・・。」
「コマー・・・・。」
「ん?なんだい?」
コマーがいかにもやりきったかのようにのんきに返事をした。
「一体どうするんだ!
あんな記録じゃ全員がうかっちゃうじゃないか!」
「あんな記録とはなんだ。とてもいい記録じゃないか。」
どうやら自分のしでかしてしまったことが
どれだけ重大なことかわかっていないようだ。
「いいか、コマー。
いくら僕たちが賞金の一千万円を持っているとはいえ
こんな人数を雇用するのにはもっとお金がかかるんだぞ!」
「ん?そんなことかい?」
そんなことって・・・・・。
どうやらコマーはお金を持ちすぎて感覚がマヒしてしまったみたいだ。
「大丈夫!そこら辺はしっかり考えてるよ。」
次々とAを取って行く人たちをよそに、のんきにコマーが言い放つ。
本当に大丈夫なんだろうか・・・・・?
さて、ここで問題。
何メートル投げれば晴れてコマーと一緒に働けるでしょうか?
ちなみに投げた距離が3メートルの場合はBで、9メートルの場合はAです。
がんばってくださいね!
さて・・・・
とりあえず自己紹介から始めることが先決でしょう。
これを久しぶりに読んだ方は「大変ご迷惑をおかけしました!」
始めてこれを読んだ方は「これからよろしく!」(;o;)
コマーと鳥川にかなり頑丈な腐れ縁でつながれている駒一です。
あの後、(#35話を参照)を見た方の一部の人たちは
分かっていると思われますが、
あの話でコマーと鳥川の事件簿は完結していません。
まぎわらしい(あ、まぎらわしいだ!)形で終わってしまい
読んでくださった方々には大変ご迷惑をかけたと思います。(;o;)
ですが、これからできるだけ週に一話のペースで進めていきますので
「常連」の名にかけて本当の最終回まで続けようと思います。
あと、私がなにやらボヤいていた単語、「BON-NOW」・・・・・(・o・‖)。
話のストーリーこそ思いついたものの、
みなさんをぎゃふんと言わせるようなトリックはまだ2つほどしか見つからず
全てをお見せすることはまだ遠い話のことになりそうです。(;v;)
必ず今年中には出しますのでどうかお待ちください。
それでは、ぐっらっく! 自(Q0Q)
追記、
「ライアーゲーム開催!」をつくったクイズ大陸君のクイズがあります。
興味のある方は「ライアーゲーム」で検索してお楽しみくださいませ。