コマーと鳥川の事件簿#35≫ No.1 ≫No. 2
コマー
2011/04/01 07:05
「ところで代理として参上した・・・・・筆坂さん?
スティックさんとはどういった人物なのでしょうか?」
さすがはもともとインタビューの目的だった生番組だ。
質問を忘れていない。
1つ右隣の席に座っている串坂(おっと、今は筆坂だった。)は
余裕を持って答える。
「はい。
スティックさんはいつも仲間のことを第一に考え
片時も油断せず、仕事をきちんと誠実にこなすお方です。
いつも冷静な方でまさに怪盗の中の怪盗だと私は思っております。」
会場から黄色い歓声が一部で起きる。
それを聞いて筆坂のかおが少し緩んだ。
はっきり言おう。
この言葉をすべて対義語で表して説明すれば
誤差2パーセント圏内で本当の串坂の人物像が出来上がる。
僕はさっと筆坂の足をかかとで踏みつけた。
「そうですかそうですか。
では怪盗スティックさんとその仲間のグロウさんは
現代に残された最後の大怪盗ということになりますね。」
貝塚ディレクターは納得したかのように
うんうんと頷いている。
目の前にその大怪盗がいることがまだ分からないのだろうか?
「ところで名探偵のコマーさん。
聞くところによるとあなたは怪盗を何度も逃がしているそうだが
そのうち警察の方々に捕まる可能性だってあるでしょう。
そうなった場合、
それはいかがなものでしょうかなあ?」
やはり恨みを買っていたのだろう。
貝塚ディレクターが意地悪そうに名探偵を強調して聞いてきた。
このままではまずい。何か言い返さなければ・・・・・。
するとコマーはすっと息を吸うとゆっくりしゃべりだした。
「確かに吾輩は何度も大怪盗のスティックとグロウを捕まえ損ねました。
しかし、彼らを捕まえるのは警察ではありません。
この名探偵のコマーとその優秀な助手の鳥川です。
だからスティックとグロウ、このテレビを見ているのなら
絶対に警察に捕まるな!
お前たちを捕まえるのは吾輩たちだ!」
カメラに向かってコマーが盛大に宣言した。
貝塚以外の会場の人たちは大きな拍手をしているが
そのなか、串坂とグロウ、それにホワイトの目が不敵に微笑んでいたことを
僕とコマーは見逃さなかった。
「なあコマー・・・・。本当にそんなこと宣言しちゃっていいのか?」
コマー以外の誰にも聞こえないように僕はそっと小声で話しかけた。
「こういったインタビューの時にこそ宣伝しやすい場所でするべきだと思うね。」
「というかどさくさにまぎれて僕を助手にしたな!」
「録画しておいたからあとでじっくりとみるといいよ。」
「録画って?」
「リムジンに乗るまえに正太郎たちに電話で頼んでおいた。」
あれか・・・・・。
あのとき、コマーは海造を呼ぶために公園から出て行った。
きっとあの時に連絡したのだろう。
「それでは皆様!そろそろラストクエスチョンに向かおうと思います!
チャンネルはこのままでCMの後!」
CMにはいり僕らはそれぞれの回答者専用のボックスに入りに行く。
「それじゃあ鳥川君。ラストスパートをかけようか。」
スティックさんとはどういった人物なのでしょうか?」
さすがはもともとインタビューの目的だった生番組だ。
質問を忘れていない。
1つ右隣の席に座っている串坂(おっと、今は筆坂だった。)は
余裕を持って答える。
「はい。
スティックさんはいつも仲間のことを第一に考え
片時も油断せず、仕事をきちんと誠実にこなすお方です。
いつも冷静な方でまさに怪盗の中の怪盗だと私は思っております。」
会場から黄色い歓声が一部で起きる。
それを聞いて筆坂のかおが少し緩んだ。
はっきり言おう。
この言葉をすべて対義語で表して説明すれば
誤差2パーセント圏内で本当の串坂の人物像が出来上がる。
僕はさっと筆坂の足をかかとで踏みつけた。
「そうですかそうですか。
では怪盗スティックさんとその仲間のグロウさんは
現代に残された最後の大怪盗ということになりますね。」
貝塚ディレクターは納得したかのように
うんうんと頷いている。
目の前にその大怪盗がいることがまだ分からないのだろうか?
「ところで名探偵のコマーさん。
聞くところによるとあなたは怪盗を何度も逃がしているそうだが
そのうち警察の方々に捕まる可能性だってあるでしょう。
そうなった場合、
それはいかがなものでしょうかなあ?」
やはり恨みを買っていたのだろう。
貝塚ディレクターが意地悪そうに名探偵を強調して聞いてきた。
このままではまずい。何か言い返さなければ・・・・・。
するとコマーはすっと息を吸うとゆっくりしゃべりだした。
「確かに吾輩は何度も大怪盗のスティックとグロウを捕まえ損ねました。
しかし、彼らを捕まえるのは警察ではありません。
この名探偵のコマーとその優秀な助手の鳥川です。
だからスティックとグロウ、このテレビを見ているのなら
絶対に警察に捕まるな!
お前たちを捕まえるのは吾輩たちだ!」
カメラに向かってコマーが盛大に宣言した。
貝塚以外の会場の人たちは大きな拍手をしているが
そのなか、串坂とグロウ、それにホワイトの目が不敵に微笑んでいたことを
僕とコマーは見逃さなかった。
「なあコマー・・・・。本当にそんなこと宣言しちゃっていいのか?」
コマー以外の誰にも聞こえないように僕はそっと小声で話しかけた。
「こういったインタビューの時にこそ宣伝しやすい場所でするべきだと思うね。」
「というかどさくさにまぎれて僕を助手にしたな!」
「録画しておいたからあとでじっくりとみるといいよ。」
「録画って?」
「リムジンに乗るまえに正太郎たちに電話で頼んでおいた。」
あれか・・・・・。
あのとき、コマーは海造を呼ぶために公園から出て行った。
きっとあの時に連絡したのだろう。
「それでは皆様!そろそろラストクエスチョンに向かおうと思います!
チャンネルはこのままでCMの後!」
CMにはいり僕らはそれぞれの回答者専用のボックスに入りに行く。
「それじゃあ鳥川君。ラストスパートをかけようか。」