不思議な手品 ≫No. 1
KST
2011/01/31 01:20
とある街のとある会場で、マジックショーと銘打つイベントが開かれた。
イベントの主催者でありマジシャンと名乗るK氏は、参加した観客に、あるコインマジックを披露するといい、おもむろに観客の一人に百円玉を一枚借りた。
そして、彼は観客にこう言った。
「これから皆さんに、不思議な現象をお見せしましょう。今、私が借りたこの百円玉、これを皆さんの中の誰か、そう、あなたがいいですね、あなたにこれを渡しますので、あなたの目の前にあるテーブルの上に、その百円玉の表を上にして置いて下さい。私はその間、あなたの行動が見えないように目隠しをして、さらに後ろを向いておきます。いいですね、表が上ですよ。」
そう言って彼は、黒いハンカチで目隠しをして、数歩後ろに下がって後ろを向いた。
指名された観客はそれを聞いて、すぐそばにあった何の変哲もない平らなテーブルの上に、言われた通りに百円玉を置いた。
他の観客も全員テーブルの上の百円玉をじっと見つめていたが、特に何もおかしなところはなく、誰も何も言わなかった。
数秒して、彼はこう言った。
「百円玉を置きましたね?それでは、マジックの本題に入ると致しましょう。」
彼は後ろを向いたまま、観客にこう話し始めた。
「今から、私は後ろを向いたまま、また、目隠しをして何も見えないまま、さらに何も動かない状態で、その百円玉の上下をひっくり返したいと思います。つまり、今、表が上になっている状態から、表を下に、裏を上にした状態にするのです。もちろん、あなたたちの目の前でです。私のアシスタントも何もしません。」
観客は皆、そんなことが出来るものか、百円玉はどうみても、表が上になっている、と思った。
「最後にもう一度確認しますが、今、その百円玉は、本当に表が上になっていますよね?」
観客は再度確認したが、百円玉に変わりはない。指名された観客はもちろん、他の観客たちも、皆、口をそろえて「はい。」と言った。
「分かりました。それでは、早速その現象をご覧頂きましょう。」
そして彼は、全く何も動じず、瞬きも、また息さえもしていないのではないかと思うぐらい停止したまま、「1,2,3!!」と大声で叫んだ。
観客は最初、何が起こったのか全く分からなかった。誰もが一瞬たりともテーブルの上の百円玉から視線をそらすことは無かったが、確かに、その百円玉は、表が下に、裏が上になっていたのだった。
百円玉はもちろん通常の、現在日本で使用されている本物の硬貨であるし、テーブルにも、またその会場のどこにも、何も仕掛けはない。また、観客の中にサクラがいることもない。また、指名された観客が百円玉をテーブルに置いてから、彼が大声で叫ぶまで、もちろんその後もだが、誰も百円玉に触った者はいないし、その間、百円玉はぴくりとも動いていない。
彼が本当の魔術師でないとしたら、一体これはどういうことだろうか?この手品のタネを見破ってほしい。
また、その答えを踏まえて、「この手品は果たして成功したのか、それとも失敗したのか」という素朴な疑問にも答えてほしい。もちろん成功したに決まっていると思うかもしれないが、もしかしたらこのクイズは、そんなに単純なものではないのかもしれない。
別解やボケ回答も歓迎する。ただし、それもかなり核心をつくか、予想外のものでなければ、銀メダルやナスは贈呈出来ない。予め、了承してほしい。
KST 2011/01/31 01:20
とある街のとある会場で、マジックショーと銘打つイベントが開かれた。
イベントの主催者でありマジシャンと名乗るK氏は、参加した観客に、あるコインマジックを披露するといい、おもむろに観客の一人に百円玉を一枚借りた。
そして、彼は観客にこう言った。
「これから皆さんに、不思議な現象をお見せしましょう。今、私が借りたこの百円玉、これを皆さんの中の誰か、そう、あなたがいいですね、あなたにこれを渡しますので、あなたの目の前にあるテーブルの上に、その百円玉の表を上にして置いて下さい。私はその間、あなたの行動が見えないように目隠しをして、さらに後ろを向いておきます。いいですね、表が上ですよ。」
そう言って彼は、黒いハンカチで目隠しをして、数歩後ろに下がって後ろを向いた。
指名された観客はそれを聞いて、すぐそばにあった何の変哲もない平らなテーブルの上に、言われた通りに百円玉を置いた。
他の観客も全員テーブルの上の百円玉をじっと見つめていたが、特に何もおかしなところはなく、誰も何も言わなかった。
数秒して、彼はこう言った。
「百円玉を置きましたね?それでは、マジックの本題に入ると致しましょう。」
彼は後ろを向いたまま、観客にこう話し始めた。
「今から、私は後ろを向いたまま、また、目隠しをして何も見えないまま、さらに何も動かない状態で、その百円玉の上下をひっくり返したいと思います。つまり、今、表が上になっている状態から、表を下に、裏を上にした状態にするのです。もちろん、あなたたちの目の前でです。私のアシスタントも何もしません。」
観客は皆、そんなことが出来るものか、百円玉はどうみても、表が上になっている、と思った。
「最後にもう一度確認しますが、今、その百円玉は、本当に表が上になっていますよね?」
観客は再度確認したが、百円玉に変わりはない。指名された観客はもちろん、他の観客たちも、皆、口をそろえて「はい。」と言った。
「分かりました。それでは、早速その現象をご覧頂きましょう。」
そして彼は、全く何も動じず、瞬きも、また息さえもしていないのではないかと思うぐらい停止したまま、「1,2,3!!」と大声で叫んだ。
観客は最初、何が起こったのか全く分からなかった。誰もが一瞬たりともテーブルの上の百円玉から視線をそらすことは無かったが、確かに、その百円玉は、表が下に、裏が上になっていたのだった。
百円玉はもちろん通常の、現在日本で使用されている本物の硬貨であるし、テーブルにも、またその会場のどこにも、何も仕掛けはない。また、観客の中にサクラがいることもない。また、指名された観客が百円玉をテーブルに置いてから、彼が大声で叫ぶまで、もちろんその後もだが、誰も百円玉に触った者はいないし、その間、百円玉はぴくりとも動いていない。
彼が本当の魔術師でないとしたら、一体これはどういうことだろうか?この手品のタネを見破ってほしい。
また、その答えを踏まえて、「この手品は果たして成功したのか、それとも失敗したのか」という素朴な疑問にも答えてほしい。もちろん成功したに決まっていると思うかもしれないが、もしかしたらこのクイズは、そんなに単純なものではないのかもしれない。
別解やボケ回答も歓迎する。ただし、それもかなり核心をつくか、予想外のものでなければ、銀メダルやナスは贈呈出来ない。予め、了承してほしい。