僕の犯した過ち ≫No. 1
えそん
2010/11/28 21:57
僕には長倉という知り合いがいる。
長倉は僕たちのことを大親友だと思っているが、僕は彼に心底憎しみを抱いている。
何故憎しみを抱いているかは、今回は割愛にしておく。
そこで僕は、彼を殺す計画を立て、それを実行した。
まず、日曜日の夜7時に、長倉の家へ遊びに行く約束を交わした。
そして当日、僕は長倉の玄関前に来た。
チャイムを鳴らすと、扉が開いて中から長倉が出てくる。
僕は家に入り、ダイニングルームへと向かう。テーブルの上には、長倉が事前に
作っておいてくれた、美味しそうな料理が並んでいた。
普段なら、ここで共に食事をしているところだが、僕は長倉の了承を得てトイレへ
行く。
僕はそこで鞄から手袋とロープを取り出す。手袋をつけて、ロープを持ち、
ダイニングルームへ戻る。
コップにビールを注いでいた長倉に近づき、後ろから彼の首をロープで締める。
その拍子に、コップがテーブルから落ちて、割れた。
彼は最初こそはもがいていたが、徐徐に力が無くなってきて、口から泡を吹いて
絶命した。
僕は彼を床に横たえ、警察に連絡した。
無論自首をするためではない。第一発見者になるためだ。
警察が来る間、僕は長倉が作ってくれた唐揚げを、手袋を外して一つ頬張る。
「君が、第一発見者だね?」
警察が来て、早速僕は証言を始めた。
「はい。僕は長倉の家に初めて遊びに行く約束をしていたんです。ただ、家の前に
来ると、玄関の方から扉が勢いよく開く音がして、そこから人が走って出ていき
ました。暗くて、よく見えなかったんですが、男だと思います。心配した僕は急いで家の中に入りました。そしたら・・・」
僕は体を振るわせる。
「そしたら、長倉が泡を吹いて倒れていて、僕は急いで長倉に近づいて長倉の体を
ゆすりました。でも、反応が無くて・・・。首にもなにかで締められた痕があったので、死んでる、って思ったんです」
「なるほど・・・」
警察官は手帳にメモをする。
「凶器はどこにあった?」
「凶器かどうかはわかりませんが、長倉の傍らにロープがありました。多分、あれで
長倉の首を締めたんだと思います」警察官はさらに手帳に書き加える。
「この料理はなんだい?」
「たぶん、長倉が作っておいてくれた料理です。あいつ、勉強のほうはてんで駄目なのに、
料理だけはとても得意らしいんですよ。今回初めて招待されて、自慢の料理を一緒に食べる予定だった
のに、あいつが・・・、あの男が・・・!」僕は最後のあたりで少し、声を荒げた。
「わかった、ありがとう。とても参考になったよ」
警察官は僕に気をつかってくれたらしく、僕の証言は終わった。
完璧だ・・・。僕は笑みを警察に見られないよう、自宅に戻る。
ところが、数日後、僕の家に警察が来た。最初は、また証言を聞きたいのかと
思っていたが、違った。
「一瀬勇次さん、ですね?」「はい」
「この前、あなたに証言をして貰ったんですが、現場をくまなく調査した結果、
不可解な点が一つありました。少し、署に来てもらえませんか?」
僕の額から汗が出て来たのは夏の暑さのせいではないだろう。
いったい、どこがおかしかったのだろうか?
長倉は僕たちのことを大親友だと思っているが、僕は彼に心底憎しみを抱いている。
何故憎しみを抱いているかは、今回は割愛にしておく。
そこで僕は、彼を殺す計画を立て、それを実行した。
まず、日曜日の夜7時に、長倉の家へ遊びに行く約束を交わした。
そして当日、僕は長倉の玄関前に来た。
チャイムを鳴らすと、扉が開いて中から長倉が出てくる。
僕は家に入り、ダイニングルームへと向かう。テーブルの上には、長倉が事前に
作っておいてくれた、美味しそうな料理が並んでいた。
普段なら、ここで共に食事をしているところだが、僕は長倉の了承を得てトイレへ
行く。
僕はそこで鞄から手袋とロープを取り出す。手袋をつけて、ロープを持ち、
ダイニングルームへ戻る。
コップにビールを注いでいた長倉に近づき、後ろから彼の首をロープで締める。
その拍子に、コップがテーブルから落ちて、割れた。
彼は最初こそはもがいていたが、徐徐に力が無くなってきて、口から泡を吹いて
絶命した。
僕は彼を床に横たえ、警察に連絡した。
無論自首をするためではない。第一発見者になるためだ。
警察が来る間、僕は長倉が作ってくれた唐揚げを、手袋を外して一つ頬張る。
「君が、第一発見者だね?」
警察が来て、早速僕は証言を始めた。
「はい。僕は長倉の家に初めて遊びに行く約束をしていたんです。ただ、家の前に
来ると、玄関の方から扉が勢いよく開く音がして、そこから人が走って出ていき
ました。暗くて、よく見えなかったんですが、男だと思います。心配した僕は急いで家の中に入りました。そしたら・・・」
僕は体を振るわせる。
「そしたら、長倉が泡を吹いて倒れていて、僕は急いで長倉に近づいて長倉の体を
ゆすりました。でも、反応が無くて・・・。首にもなにかで締められた痕があったので、死んでる、って思ったんです」
「なるほど・・・」
警察官は手帳にメモをする。
「凶器はどこにあった?」
「凶器かどうかはわかりませんが、長倉の傍らにロープがありました。多分、あれで
長倉の首を締めたんだと思います」警察官はさらに手帳に書き加える。
「この料理はなんだい?」
「たぶん、長倉が作っておいてくれた料理です。あいつ、勉強のほうはてんで駄目なのに、
料理だけはとても得意らしいんですよ。今回初めて招待されて、自慢の料理を一緒に食べる予定だった
のに、あいつが・・・、あの男が・・・!」僕は最後のあたりで少し、声を荒げた。
「わかった、ありがとう。とても参考になったよ」
警察官は僕に気をつかってくれたらしく、僕の証言は終わった。
完璧だ・・・。僕は笑みを警察に見られないよう、自宅に戻る。
ところが、数日後、僕の家に警察が来た。最初は、また証言を聞きたいのかと
思っていたが、違った。
「一瀬勇次さん、ですね?」「はい」
「この前、あなたに証言をして貰ったんですが、現場をくまなく調査した結果、
不可解な点が一つありました。少し、署に来てもらえませんか?」
僕の額から汗が出て来たのは夏の暑さのせいではないだろう。
いったい、どこがおかしかったのだろうか?