クイズ大陸



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?いはら 2010/09/27 12:43
それでは、正解を発表します。

地球の自転軸の延長線上の宇宙空間からの視点で考えます。
地球は円に見えますが、その円周が赤道にあたります。
その円周上に塔があり、円とともに回転しています。
時計回りに回転しているとして話しを進めます。

シロー君が塔のてっぺんにいるときも、24時間で一周します。
地表にいるときとは一周の長さが異なりますので、移動速度もわずかに異なるのですが、
大した差ではないので地表の移動速度と同じとみなします。
地表の移動速度をVとします。
塔から飛び降りたシロー君の、地面に接触する寸前の落下速度をvとします。
これは地表にいる人の視点での落下速度です。
以前計算したように、Vはvよりかなり大きいです。
シロー君の移動速度を、
シロー君と地球の中心を結ぶ方向と、それに垂直な方向に分解すると、
地球の中心方向にv、その垂直方向にVとなっています。

縦の長さがv、横の長さがVの長方形ABCDを考えてみます。
<tt>
A   D
┏━━┓
┗━━┛
B   C</tt>

ベクトルABが地球の中心方向への移動速度、
ベクトルADがそれに垂直な方向への移動速度となります。
ベクトルAB、ADの和、ACが実際のシロー君の移動速度です。

直線ACついてB、Dと対称な点をB'、D'とすると、
長方形AD'CB'は長方形ABCDと合同になります。
ABとAB'、ADとAD'の長さは等しく、AB'とAD'は垂直です。
さらに、ベクトルAB'とAD'の和はACです。
よって、ベクトルAD'と地表の移動速度が一致する点に瞬間移動すれば、
地球の中心から離れる方向に移動速度v、
それに垂直な方向には速度Vとなります。

このような瞬間移動を行うと、それまでは真っ直ぐに落下していたのが、
次の瞬間、真っ直ぐに同じ速度で上昇することになります。
(シロー君の視点で)
地表の移動速度がベクトルAD'と等しくなる点は必ずあります。
円の中心Oから直線AB'に平行な直線を引くと、円と2点で交わりますが、
Aに近い方の交点が条件を満たします。
(遠い方は向きが逆になります)
その点をPとすると、∠AOP=2∠ACBです。
θ=∠AOPとすると、θ/2=arctan(v/V)であり、
θ=2arctan(v/V)=2×5.429・・・=10.85730・・・
となります。
円周上、回転角約11度の回転をした位置への移動になるわけです。
その地点では地面に対して垂直に速度vで上昇しますので、
やがては上昇速度0になり、その後は垂直に下降し、
落下速度vで地表に達することになります。

これは最初と同じ状況ですので、同じプロセスを好きなだけ繰り返すことができます。
さらに、移動時の落下速度を0からvへと連続的に変化させると、
上記の回転角度は0からθへと連続的に変化します。
落下の途中で瞬間移動を行うことによって、落下速度は0からvの好きな値にできますので、
回転角度を0からθまでの任意の値にすることができます。
よって、角度θの回転を何度か行い、
最後の1回だけ、回転角度の合計が360度になるように調整してやれば、
ぴったり最初の位置に戻ってくることができます。
このとき、シロー君は地面から垂直に上昇しますので、
上昇速度0になった時点で地面に移動すればよいのです。

33<360/θ<34ですので、34回の移動で地球を一周し、最初の位置に戻れます。
所要時間は約5分です。

最初の落下速度がどうであっても、同様の方法で安全に着地することができます。
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