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ゲーデル
2010/09/14 23:52
[解答] 平方数にならない。
[証明]
任意の整数 n から始まる連続する 2010 個の整数の集合を G とする。
また、d = Πj∈G j = n(n+1)...(n+2009) とする。
G に 0 が含まれる場合、d = 0 なので、正の平方数にはならない。
G が全て正である場合に、d が正の平方数にならないことを示すことができれば、
G が全て負の場合も同様に示せるので、以下、n>0 について考える。
Case1. G の中に 素数p = 2011 の倍数が含まれない場合
G の元は、法p の下で 1,...,p-1 (mod p) であるので、
Wilson の定理 より、 d ≡ (p - 1) ! ≡ -1 (mod p)
さて、仮に d = s2 なる 正整数 s が存在したとする。
d と p は互いに素であるので、 s と p も互いに素である。
sp-1=s2010=(s2)1005=d1005≡(-1)1005≡ -1 (mod p)
であるが、これは Fermat の小定理 に反する。
Case2. G の中に 素数p = 2011 の倍数が含まれる場合
仮に、d が正の平方数で表せるとして、矛盾を導く。以下 [x] を x を超えない最大整数とする。
@ n > 20102
G の元に、20112 で割り切れるものが含まれるので、n + 2009 ≧ 20112 より明らか。
A G の任意の元 n+i は、 n+i = ai xi2 ( i = 0,...,2009 ) と表すことが出来る。
ここで、 ai は、素因子が全て 2010 より小さく、平方因子を持たない数とする。
仮に表すことが出来ないとすると、2010以上の素数を素因子に含む ai が存在する
ことになるが、その素数を含むのは n+i しかないため、不可能。
B i ≠ j ⇒ ai ≠ aj
仮に ai=aj, i < j なる i, j が存在したとすると、
2010 > ajxj2 - aixi2 = ai(xj+xi)(xj-xi) > 2aixi ≧ 2√(aixi2) = 2√(n+i) > √n
これは@に反する。
C b = Π i=0..2009 ai として、(4/3)2010 2010 ! < b
Bより、b は最初の2010個の平方因子を含まない数の積より大きい。
まず、最初の19個の平方因子を含まない数の積
30!/(47 7! 93 3! 25) = 5.7.11.13.23.29.19!/ (2933) は、(4/3) 19 19 ! より大きい。
また、 m (>8) を超えない平方因子を含まない数の個数は、
高々 m - [m/4] - 1 (<3m/4) 個だから、 i を 20以上として、平方因子を含まない
i 番目の数は 4i/3 より大きいので、帰納的に成り立つ。
D b ≦ Πq∈Primes, q<2010 q[2010/q] Πm:odd, 2010/(m+1)<q<2010/m q
G の元で、素数q の倍数は高々 [2010/q] + 1 個しかないので、
ai が平方因子を持たないことを考えれば、
b の素因子q(<k) の指数部は、[2010/q] + 1 以下となる。
q が 2010 の約数の時は、そもそも q の倍数の G の元が丁度 2010/q 個なので、
q の指数部は 2010/q 以下となる。
一方、b は平方数でなければならないので、その素因子q の指数部は偶数である。
さて、2010/(m+1) < q < 2010/m とした時、[2010/q] = m であるので、
m が偶数の時は q の指数部は [2010/q] 以下、
m が奇数の時は q の指数部は [2010/q] + 1 以下、として考えてよい。
E c = Πq∈Primes, m:odd, 2010/(m+1)<q<2010/m q として、c < 22009
まず、c が二項係数 2009 C 1004 = 2009!/(1004! 1005!) を割り切る事を示す。
2009 C 1004 の素因子q の指数部 rq は、
rq = Σi>0 ( [2009/qi] - [1004/qi] - [1005/qi] )
まず、[2009/qi] ≧ [1004/qi] + [1005/qi]) は常に成り立つ。 ([a+b]≧[a]+[b])
m:odd , 2010/(m+1)<q<2010/m の時、
mq+1≦2010<(m+1)q+1 なので、 [2009/q] = m となり、奇数。
一方、q は 2010 の約数でもないので、1005 の約数でもない。
従って、[1004/q] = [1005/q] 。つまり、[1004/q] + [1005/q] は偶数なので、
[2009/q] > [1005/q] + [1004/q]
よって、rq > 0 となるので、c が 2009 C 1004 を割り切ることが分かった。
あとは、二項定理より、22009 > 2009 C 1004 なので、Eが示された。
F 2010 ! ≧ 2200231001 Πq∈Primes, 3<q<2010 q[2010/q]
2010 ! を素因数分解して、Πq∈Primes, q<2010 qrq とすると、 rq = Σi>0 [2010/qi]
ここで、q > 3 については、rq ≧ [2010/q] なので、残りの q = 2, 3 について考える。
r2 = Σi>0 [2010/2i] = 1005+502+251+125+62+31+15+7+3+1 = 2002
r3 = Σi>0 [2010/3i] = 670+223+74+24+8+2 = 1001
さて、C,D,E,Fより、
(4/3)20102200231001 Π3<q<2010 q[2010/q] < 22009Πq<2010 q[2010/q]
整理して、23008 = 4164 256335 < 34 243335 = 31679
となるので、明らかに矛盾。
:追記(9/20):
色々誤字脱字、解りにくい所等があったので、訂正しておきました。
ゲーデル 2010/09/14 23:52
[証明]
任意の整数 n から始まる連続する 2010 個の整数の集合を G とする。
また、d = Πj∈G j = n(n+1)...(n+2009) とする。
G に 0 が含まれる場合、d = 0 なので、正の平方数にはならない。
G が全て正である場合に、d が正の平方数にならないことを示すことができれば、
G が全て負の場合も同様に示せるので、以下、n>0 について考える。
Case1. G の中に 素数p = 2011 の倍数が含まれない場合
G の元は、法p の下で 1,...,p-1 (mod p) であるので、
Wilson の定理 より、 d ≡ (p - 1) ! ≡ -1 (mod p)
さて、仮に d = s2 なる 正整数 s が存在したとする。
d と p は互いに素であるので、 s と p も互いに素である。
sp-1=s2010=(s2)1005=d1005≡(-1)1005≡ -1 (mod p)
であるが、これは Fermat の小定理 に反する。
Case2. G の中に 素数p = 2011 の倍数が含まれる場合
仮に、d が正の平方数で表せるとして、矛盾を導く。以下 [x] を x を超えない最大整数とする。
@ n > 20102
G の元に、20112 で割り切れるものが含まれるので、n + 2009 ≧ 20112 より明らか。
A G の任意の元 n+i は、 n+i = ai xi2 ( i = 0,...,2009 ) と表すことが出来る。
ここで、 ai は、素因子が全て 2010 より小さく、平方因子を持たない数とする。
仮に表すことが出来ないとすると、2010以上の素数を素因子に含む ai が存在する
ことになるが、その素数を含むのは n+i しかないため、不可能。
B i ≠ j ⇒ ai ≠ aj
仮に ai=aj, i < j なる i, j が存在したとすると、
2010 > ajxj2 - aixi2 = ai(xj+xi)(xj-xi) > 2aixi ≧ 2√(aixi2) = 2√(n+i) > √n
これは@に反する。
C b = Π i=0..2009 ai として、(4/3)2010 2010 ! < b
Bより、b は最初の2010個の平方因子を含まない数の積より大きい。
まず、最初の19個の平方因子を含まない数の積
30!/(47 7! 93 3! 25) = 5.7.11.13.23.29.19!/ (2933) は、(4/3) 19 19 ! より大きい。
また、 m (>8) を超えない平方因子を含まない数の個数は、
高々 m - [m/4] - 1 (<3m/4) 個だから、 i を 20以上として、平方因子を含まない
i 番目の数は 4i/3 より大きいので、帰納的に成り立つ。
D b ≦ Πq∈Primes, q<2010 q[2010/q] Πm:odd, 2010/(m+1)<q<2010/m q
G の元で、素数q の倍数は高々 [2010/q] + 1 個しかないので、
ai が平方因子を持たないことを考えれば、
b の素因子q(<k) の指数部は、[2010/q] + 1 以下となる。
q が 2010 の約数の時は、そもそも q の倍数の G の元が丁度 2010/q 個なので、
q の指数部は 2010/q 以下となる。
一方、b は平方数でなければならないので、その素因子q の指数部は偶数である。
さて、2010/(m+1) < q < 2010/m とした時、[2010/q] = m であるので、
m が偶数の時は q の指数部は [2010/q] 以下、
m が奇数の時は q の指数部は [2010/q] + 1 以下、として考えてよい。
E c = Πq∈Primes, m:odd, 2010/(m+1)<q<2010/m q として、c < 22009
まず、c が二項係数 2009 C 1004 = 2009!/(1004! 1005!) を割り切る事を示す。
2009 C 1004 の素因子q の指数部 rq は、
rq = Σi>0 ( [2009/qi] - [1004/qi] - [1005/qi] )
まず、[2009/qi] ≧ [1004/qi] + [1005/qi]) は常に成り立つ。 ([a+b]≧[a]+[b])
m:odd , 2010/(m+1)<q<2010/m の時、
mq+1≦2010<(m+1)q+1 なので、 [2009/q] = m となり、奇数。
一方、q は 2010 の約数でもないので、1005 の約数でもない。
従って、[1004/q] = [1005/q] 。つまり、[1004/q] + [1005/q] は偶数なので、
[2009/q] > [1005/q] + [1004/q]
よって、rq > 0 となるので、c が 2009 C 1004 を割り切ることが分かった。
あとは、二項定理より、22009 > 2009 C 1004 なので、Eが示された。
F 2010 ! ≧ 2200231001 Πq∈Primes, 3<q<2010 q[2010/q]
2010 ! を素因数分解して、Πq∈Primes, q<2010 qrq とすると、 rq = Σi>0 [2010/qi]
ここで、q > 3 については、rq ≧ [2010/q] なので、残りの q = 2, 3 について考える。
r2 = Σi>0 [2010/2i] = 1005+502+251+125+62+31+15+7+3+1 = 2002
r3 = Σi>0 [2010/3i] = 670+223+74+24+8+2 = 1001
さて、C,D,E,Fより、
(4/3)20102200231001 Π3<q<2010 q[2010/q] < 22009Πq<2010 q[2010/q]
整理して、23008 = 4164 256335 < 34 243335 = 31679
となるので、明らかに矛盾。
:追記(9/20):
色々誤字脱字、解りにくい所等があったので、訂正しておきました。