ｸｲｽﾞ大陸

エピローグ

やれやれ。
やっと解読できたぞ。
おくのほそ・・このうたは・・“道”が足らない？
道に注目。
夏奈の趣味から推測して“道”って言えば
虎舞竜の“ロード”が頭をグルグル回ってるって事か？
えーと、そうなれば場所はそれも踏まえて考えて
このうたはを組み替えると“うたのはこ”

そうか！歌の箱、カラオケボックスか！？

旅館のロゴ入りのメモ用紙には完治が頭を悩ませた後
暗号解読の殴り書きだらけ。
ようやく“言えないよ”から夏奈が行きたい場所を導く事ができた。

さっそく夏奈へ確認の電話をかけはじめる。

「 もしもし・・夏奈？やっと暗号解けたぞ。
行きたい場所はカラオケ・・だよな？」

「 あ、完治。はい、正解でーす♪
武田信玄の暗号を解いてたら虎と竜が気になって気になっちゃって。」

「 武田信玄のあだ名は甲斐の虎に甲斐の竜だもんな。
俺、夏奈のおかげで武田信玄マニアになれそうだぞ。」

「 ふふふ、お見事♪じゃ、一階ロビーで待ってるね♪」

「あ、ああ。すぐに行くよ。」

完治は電話を切った後準備をはじめロビーへと急いだ。

・・部屋ではイチャイチャ出来なくてもカラオケボックスは密室だよな。
夏奈とデュエットしながらいい雰囲気になればそのままキスまで行けるかも！？
その後は流されるままにく夏奈の胸に手をはわせてうまくいけば夏奈の細身の太ももから・・！？

「 あ、あん・・駄目だよ完治。この先は別の所で・・。」

な〜んて展開になったりして。

いつものようにそんな甘い妄想を抱く完治。

・・・・げ。

が、しかし。
そんな展開にはならない事を一瞬で悟った完治。
ロビーまで降りた完治の目線の先には夏奈と夏奈の父将門の姿が。
そしてその他にもドラマスタッフらしき人物が数人いたからだ。

「 ・・あのね、完治。父さん達とここでばったり会っちゃって・・。」

「 これから外へ本格的に繰り出そうとしていたんだが夏奈の姿を見かけたんでね。
カラオケに行くんだって？
私たちもお供しようじゃないか。なあ、みんな？」

大物俳優、将門の言葉に逆らうスタッフはいないようで全員うなずいている。

ま、まじかよ！？

完治は慌てて夏奈に目線を向けると

（・・ごめん！）

両手をあわせながらウィンクしながら口パクで謝った。

はいはい。
いつもと変わらぬおあずけパターン。
馴れてますからね。

しかし！
次回こそは必ず大人の関係になってみせるぜっ！

・・なんでもないよう〜な事が
幸せだったとおも〜う〜
・・なんでもない夜の〜事
二度とは戻れない〜夜〜〜・・。

ロードの歌詞の一節が頭をグルグル回り始めた完治であった。

未来はどうなるかわからない。
とにかく今夜は長い夜になりそうな（嫌な）予感がする・・。