pontaさん、Yossyさん、SUEさん、素敵なご感想を本当に有り難うございます。
SUEさんが仰った、「(落水荘が)新しいアイディアの源になって行く」ということへの期待が、ちょうど私の考えていたことと重なりますので、少し書き足したいと思います。
今回出題に当たって少し調べたのですが、ライトは落水荘を設計する以前に何回か来日しており、浮世絵に興味を持って随分と収集したり、また日本の伝統的な建築にも関心や理解があったということでした。(落水荘の敷地選定に、安藤広重の浮世絵が影響を与えた「かもしれない」、という説さえありました。)この説は極端にしても、ライトが日本文化のある面から何らかの影響を受けていたことはほぼ間違いないと思われます。
そしてそんな彼の建築が、アメリカ人のみならず、日本人の直接の弟子、さらに時代を越えて、現代の建築家にも何らかの影響を与えていることは充分考えられると思いました。
(実際検索していたら、とある現代日本の有名な建築家が20年以上前に落水荘を訪れていて、その聴覚的側面に言及している記事を目にしました。)
建築なら建築という一つのジャンルの中で、或いは浮世絵のようにジャンルや国家を越えて、一つのアイディアが次の新たなアイディアの源泉になっていく、そういう文化の(ある意味予期せぬ)連鎖が、個々の文化や社会をより豊かにしていくのだ、という想いは楽観的にすぎるでしょうか。
***
話は変わりますが、解答篇において「Yossyさん」の台詞で引用しているライトの言葉は、実はwikiの<落水荘>の説明の中にあった文章そのままです。
彼が講演で語った言葉だそうですが、実はこの言葉を目にして初めて、「水音」が落水荘を訪れる人々に与えた影響に思い至り、タイトル「水音の調べに心を寄せて」もその時突如として頭の中に思い浮かんだのでした。
こういうことは滅多に経験したことがないのですが……
(それまではもっぱら視覚的な面からのみ<自然との調和>をイメージしていました。)
そしてタイトルが決まった時、ラストシーンもこんな感じで締め括ろうというイメージがほぼ決定した次第です。
出題者が問題の舞台裏について語るのが、果たして良いことなのかどうか迷いはありますが、今回は問題を作成しながら、いろいろ予期せぬインスピレーションを受け、自分の発想・妄想が多方面に広がるという得難い経験をしましたので、つい饒舌になっております。お見苦しい点はご容赦下さいませ。
シーラ 2009/12/29 02:08
SUEさんが仰った、「(落水荘が)新しいアイディアの源になって行く」ということへの期待が、ちょうど私の考えていたことと重なりますので、少し書き足したいと思います。
今回出題に当たって少し調べたのですが、ライトは落水荘を設計する以前に何回か来日しており、浮世絵に興味を持って随分と収集したり、また日本の伝統的な建築にも関心や理解があったということでした。(落水荘の敷地選定に、安藤広重の浮世絵が影響を与えた「かもしれない」、という説さえありました。)この説は極端にしても、ライトが日本文化のある面から何らかの影響を受けていたことはほぼ間違いないと思われます。
そしてそんな彼の建築が、アメリカ人のみならず、日本人の直接の弟子、さらに時代を越えて、現代の建築家にも何らかの影響を与えていることは充分考えられると思いました。
(実際検索していたら、とある現代日本の有名な建築家が20年以上前に落水荘を訪れていて、その聴覚的側面に言及している記事を目にしました。)
建築なら建築という一つのジャンルの中で、或いは浮世絵のようにジャンルや国家を越えて、一つのアイディアが次の新たなアイディアの源泉になっていく、そういう文化の(ある意味予期せぬ)連鎖が、個々の文化や社会をより豊かにしていくのだ、という想いは楽観的にすぎるでしょうか。
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話は変わりますが、解答篇において「Yossyさん」の台詞で引用しているライトの言葉は、実はwikiの<落水荘>の説明の中にあった文章そのままです。
彼が講演で語った言葉だそうですが、実はこの言葉を目にして初めて、「水音」が落水荘を訪れる人々に与えた影響に思い至り、タイトル「水音の調べに心を寄せて」もその時突如として頭の中に思い浮かんだのでした。 こういうことは滅多に経験したことがないのですが……
(それまではもっぱら視覚的な面からのみ<自然との調和>をイメージしていました。)
そしてタイトルが決まった時、ラストシーンもこんな感じで締め括ろうというイメージがほぼ決定した次第です。
出題者が問題の舞台裏について語るのが、果たして良いことなのかどうか迷いはありますが、今回は問題を作成しながら、いろいろ予期せぬインスピレーションを受け、自分の発想・妄想が多方面に広がるという得難い経験をしましたので、つい饒舌になっております。お見苦しい点はご容赦下さいませ。