皆様こんばんは
魚松さん、正解&コンプリート達成おめでとうございます!(>o<) 本解の場所を探し当てて下さり、どうも有り難うございました。
oimさんもお忙しいところお気にかけて下さり、本当に感謝申し上げます。
今回も手数のかかる問題で申し訳ありませんでした。
新たなご解答も見られないようですので、それでは正解を発表いたします。
***
スエさんは黙ってじっと暗号文を眺めていたが、
「一つ確かめたいのですけど、暗号文の読み方は、先程の社長の解釈と、また澄んだ気持ちで…と仰ったことから考えますと、
『めいありて かんきくくちて たけほこる』になりますのね?」と微笑みを浮かべる。
「おお、スエさん流石です。仰る通りですよ。濁りも取って下さって有り難うございます。」
Yossyさんもニッコリと頷いた。
その後暫くは皆無言で頭をひねっていたが、やがてスーさんが、
「先ほどの発言からするとYossyさんは建築に詳しいようじゃが、この暗号文からも<けんちく>という単語が見えるのう。どこか有名な建築物を観に行ったのかな?」と道筋が見えたとばかりに口を開いた。
「スーさん、その推理はお見事です。」
「では、その建築はどこにあるのでしょう?……あら、<あめりか>という単語がありますわね。」京さんも一つ見つけたようだ。
「はい、アメリカのどこかにあるのです。良く見つけましたね。」
「そうすると残りは九文字……<ほてる>という言葉がありますね?どこかのホテルの名前かしら?……ああ、<ていこくほてる>という組み合わせが出来ましたけど…?」果梨夢さんがYossyさんの表情を伺う。
「はい、<帝国ホテル>も重要な意味を持つ単語なのです。」意味ありげに頷くYossyさん。
「すると残りは……<たき>?滝のある場所なのですか?…滝と建築物…?」
私は不案内なジャンルなので、首をひねるばかりだった。
「おお、ではあそこじゃな。帝国ホテルの今はなき新館の設計をしたのは、かの有名な建築家のフランク・ロイド・ライトだが、彼が設計した数多くの建築の中で、その名も<落水荘>という個人の邸宅がアメリカにある。滝の真上に建てられた斬新で独創的な邸宅でのう、ライトの代表作の一つと言われておる。恐らくそこじゃろう。」
スーさんは確信があるようだった。
「お見事です。スーさんの仰る通り、私がアメリカ出張のついでに見学にいったのは『落水荘』だったのです。……それにしても皆さんが協力して暗号を解読なさる様子は、素晴らしいの一語につきますね。」
Yossyさんは暗号が解かれたにも拘わらず、会心の笑みを浮かべた。
そして言葉を継ぐ。
「設計者のフランク・ロイド・ライトは、嘗て『落水荘はこの地球上で経験できる偉大な祝福のうちの1つである。私はこの場所ほど、安らぎの原則が調和し共鳴している場所は他にないと思う。森、小川、岩、構成する全ての要素がとても静かに一体化され、一切の雑音がないかわりに、小川のせせらぎがそこにあるだけだ。落水荘を聴くということは、その場の静けさを聴くということなのだ。』と述べたそうです。
私も実際に訪れてみて、彼の言葉の意味が本当に体感できました。周囲の自然と一体化した素晴らしい建物なのですが、それは視覚的であると同時に、聴覚的にも訴えかけてくるのです。滝のあの水音が、訪れる者の心を静寂に誘い込むような感覚を覚えました。」
言葉を切り、ふっと遠くを見つめるまなざしをするYossyさん。
「確かに水音には心を落ち着かせる趣がありますわね。こちらのお庭のせせらぎも……」
スエさんは静かに微笑みながら庭の方にそっと視線をおくる。
私たちもしばし沈黙に身を委ね、思い思いにその場の静けさに耳を傾けた。
<了>
ということで、正解はアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが設計し、1937年に完成した<落水荘>(カウフマン邸)でした。Wikiでフランク・ロイド・ライトの項目をご覧になれば、<落水荘>の写真が載っていますのでお分かりになると思いますが、本当に滝の真上にせり出すように建てられている、斬新であると共に周囲の自然と調和し、一体化していると言える邸宅です。
シーラ 2009/12/27 01:02
魚松さん、正解&コンプリート達成おめでとうございます!(>o<) 本解の場所を探し当てて下さり、どうも有り難うございました。
oimさんもお忙しいところお気にかけて下さり、本当に感謝申し上げます。
今回も手数のかかる問題で申し訳ありませんでした。
新たなご解答も見られないようですので、それでは正解を発表いたします。
***
スエさんは黙ってじっと暗号文を眺めていたが、
「一つ確かめたいのですけど、暗号文の読み方は、先程の社長の解釈と、また澄んだ気持ちで…と仰ったことから考えますと、
『めいありて かんきくくちて たけほこる』になりますのね?」と微笑みを浮かべる。
「おお、スエさん流石です。仰る通りですよ。濁りも取って下さって有り難うございます。」
Yossyさんもニッコリと頷いた。
その後暫くは皆無言で頭をひねっていたが、やがてスーさんが、
「先ほどの発言からするとYossyさんは建築に詳しいようじゃが、この暗号文からも<けんちく>という単語が見えるのう。どこか有名な建築物を観に行ったのかな?」と道筋が見えたとばかりに口を開いた。
「スーさん、その推理はお見事です。」
「では、その建築はどこにあるのでしょう?……あら、<あめりか>という単語がありますわね。」京さんも一つ見つけたようだ。
「はい、アメリカのどこかにあるのです。良く見つけましたね。」
「そうすると残りは九文字……<ほてる>という言葉がありますね?どこかのホテルの名前かしら?……ああ、<ていこくほてる>という組み合わせが出来ましたけど…?」果梨夢さんがYossyさんの表情を伺う。
「はい、<帝国ホテル>も重要な意味を持つ単語なのです。」意味ありげに頷くYossyさん。
「すると残りは……<たき>?滝のある場所なのですか?…滝と建築物…?」
私は不案内なジャンルなので、首をひねるばかりだった。
「おお、ではあそこじゃな。帝国ホテルの今はなき新館の設計をしたのは、かの有名な建築家のフランク・ロイド・ライトだが、彼が設計した数多くの建築の中で、その名も<落水荘>という個人の邸宅がアメリカにある。滝の真上に建てられた斬新で独創的な邸宅でのう、ライトの代表作の一つと言われておる。恐らくそこじゃろう。」
スーさんは確信があるようだった。
「お見事です。スーさんの仰る通り、私がアメリカ出張のついでに見学にいったのは『落水荘』だったのです。……それにしても皆さんが協力して暗号を解読なさる様子は、素晴らしいの一語につきますね。」
Yossyさんは暗号が解かれたにも拘わらず、会心の笑みを浮かべた。
そして言葉を継ぐ。
「設計者のフランク・ロイド・ライトは、嘗て『落水荘はこの地球上で経験できる偉大な祝福のうちの1つである。私はこの場所ほど、安らぎの原則が調和し共鳴している場所は他にないと思う。森、小川、岩、構成する全ての要素がとても静かに一体化され、一切の雑音がないかわりに、小川のせせらぎがそこにあるだけだ。落水荘を聴くということは、その場の静けさを聴くということなのだ。』と述べたそうです。
私も実際に訪れてみて、彼の言葉の意味が本当に体感できました。周囲の自然と一体化した素晴らしい建物なのですが、それは視覚的であると同時に、聴覚的にも訴えかけてくるのです。滝のあの水音が、訪れる者の心を静寂に誘い込むような感覚を覚えました。」
言葉を切り、ふっと遠くを見つめるまなざしをするYossyさん。
「確かに水音には心を落ち着かせる趣がありますわね。こちらのお庭のせせらぎも……」
スエさんは静かに微笑みながら庭の方にそっと視線をおくる。
私たちもしばし沈黙に身を委ね、思い思いにその場の静けさに耳を傾けた。
<了>
ということで、正解はアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが設計し、1937年に完成した<落水荘>(カウフマン邸)でした。Wikiでフランク・ロイド・ライトの項目をご覧になれば、<落水荘>の写真が載っていますのでお分かりになると思いますが、本当に滝の真上にせり出すように建てられている、斬新であると共に周囲の自然と調和し、一体化していると言える邸宅です。