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ボムボム
2009/10/20 02:01
(3−2)-(loga)/e>1 すなわち a<e^(-e) のとき。
このとき f'(x)=1 を満たす解が必ず二つ存在する。
それらをβ、γ(β<γ)とする。
f'(x)の増減から、0<β<α<γ<1の関係を満たす。
(αはf'(x)の極大を与えるxでa^(a^α)=1/eを満たしている)
f'(β)=a^(a^β)*(a^β)*(loga)^2=1
f'(γ)=a^(a^γ)*(a^γ)*(loga)^2=1
g(x)=f(x)-xの増減は
0<x<β のとき、f'(x)<1 つまり g'(x)<0 なので減少。
x=β のとき極小値をとる。
β<x<γ のとき、f'(x)>1 つまり g'(x)>0 なので増加。
x=γ のとき極大値をとる。
γ<x<1 のとき、f'(x)<1 つまり g'(x)<0 なので減少。
またg''(x)=f''(x)なので、x=αがf''(x)=F'(x)=0を満たすから、x=αはg(x)の変曲点になっている。
ここでa^x=xを満たす解について考える。
h(x)=a^x-xとする(定義域0≦x≦1、定数aは0<a<1)
h(0)=1>0、h(1)=a-1<0、h(x)は連続なので中間値の定理より少なくとも一つ解を持つ。
さらに
h'(x)=(a^x)*(loga)-1 で loga<0、a^x>0 となるから h'(x)<0。
つまりh(x)は単調減少関数であるから、h(x)=0の解はただ一つである。
この解をdとする。
a^d=dを満たすとき
a^(a^d)=a^d=dであるから、x=dは g(x)=a^(a^x)-x=0 の解でもある。
ここでh(1/e)=a^(1/e)-(1/e)の符号を考える。
今考えているのは -(loga)/e>1 すなわち a<e^(-e) のときであるから、
(loga)/e<-1=log(1/e)
(左辺)= log{a^(1/e)} なので、底e>1だから
a^(1/e)<1/e
の大小関係を満たしている。
すなわち h(1/e)=a^(1/e)-1/e<0 である。
したがってh(x)=0の唯一解 x=d の範囲はもう少し限定できて、0<d<1/eとわかる。
f'(d)を考えてみる。
f'(x)=a^(a^x)*(a^x)*(loga)^2
にx=dを代入して、a^d=dの関係式を使うと
f'(d)
=(a^d)*d*(loga)^2
=(d^2)*(loga)^2
={log(a^d)}^2
=(logd)^2
d<1/e なので logd<-1 したがって (logd)^2>1 である。
つまり f'(d)>1 が成立する。
f'(x)>1 の範囲とは、上で増減を調べた通りで β<x<γ であるので β<d<γ となる。
この範囲では g'(x)=f'(x)-1>0 で g(x)は(狭義)単調増加だから g(β)<g(d)<g(γ)。
g(d)=0 だから g(β)<0<g(γ) である。
ところで g(0)=a>0、g(1)=a^a-1<0。
また調べたように増減は 0<x<β では単調減少、γ<x<1 でも単調減少であったから、g(x)が連続関数ゆえ中間値の定理より、g(x)=0 となる解が 0<x<β の範囲にただ一つ、γ<x<1 の範囲にもただ一つ存在する。
このように a<e^(-e) のときは a^(a^x)=x を満たす解が必ず三つ存在する。
一つは a^x=x を満たす x=d であり、それ以外にも二つ存在するので、それらを p,q(p<q)とする。
ただしそれぞれ
0<p<β<d<γ<q<1
の範囲に存在する。
元に戻って漸化式
a[n+1]=a^(a^a[n])
を考えるのであるが、偶数番目の数列か奇数番目の数列かで場合分けする。
[i]問題の偶数番目の数列の場合
両辺qで引き算し、qが a^(a^x)=x の解であるので、a^(a^q)=q の関係式を使うと
a[n+1]-q = a^(a^a[n])-a^(a^q)
とできる。
(1)や(2)と同様にして、a[n]>q なら f(x)=a^(a^x) が単調増加関数なので a^(a^a[n])-a^(a^q)>0
a[0]=1>qであるので帰納法より a[n]>q である。
a[n+1]-q = {a^(a^a[n])-a^(a^q)}/{a[n]-q} *{a[n]-q}
と同じように分母を無理矢理作り出して、f(x)=a^(a^x) の q<x≦a[n] で平均値の定理を適用すれば、
a^(a^a[n])-a^(a^q)/{a[n]-q}=f'(c1)、q<c1<a[n] となるような c1 が少なくとも一つ存在する。
これを用いて
a[n+1]-q=f'(c1)*{a[n]-q}である。
f'(x)の増減は
0<x<α(p<β<α)で f''(x)>0 だからf'(x)は単調増加関数。
したがって f'(p)<f'(β) 。
x=β、γ で f'(x)=1。
α<x<1(α<γ<q)で f''(x)<0 だからf'(x)は単調減少関数。
したがって f'(γ)>f'(q)。
この通りであった。
またf'(x)の最小値は x=1 のときで f'(1)=(a^a)*a*(loga)^2>0
以上より
0<x<pのとき0<f'(x)<f'(p)<f'(β)=1
q<x<1のとき0<f'(x)<f'(q)<f'(γ)=1
である。
以上からq<c1<a[n]であるので0<f'(c1)<f'(q)。
したがって
0<a[n+1]-q<f'(q){a[n]-q}
が成り立つ。
0< a[n]-q < {f'(q)}^n {a[0]-q}(a[0]=1)
となって、右辺は公比 f'(q) が 0<f'(q)<1 の等比数列であるから、n→∞のとき0に収束する。
したがって n→∞ で a[n]→q と収束する。
[ii]問題の奇数番目の数列のとき
このときは偶数番目のとは大小が逆になって、さらにqをpに置き換えれば同様の議論ができる。
すなわち
p-a[n+1] = a^(a^p)-a^(a^a[n])
として、a[n]<p がすべてのnについて成り立つことが分かる。
a[n]≦x<p に平均値の定理を適用して、
p-a[n+1] = f'(c2){p-a[n]}
(ただしa[n]<c2<p)
0<x<p のとき 0<f'(x)<f'(p)<f'(β)=1 だったので、0<f'(c2)<f'(p)<1
つまり
0< p-a[n+1] <f'(p){p-a[n]}
である。
0< p-a[n] < {f'(p)}^n {p-a[0]}(a[0]=0)
となって、右辺は公比 f'(p) が 0<f'(p)<1 の等比数列であるから、n→∞のとき0に収束する。
したがって n→∞ で a[n]→p と収束する。
以上から(3−2)a<e^(-e) のときは偶数番目の列、奇数番目の列はそれぞれ収束する。
その収束値は a^(a^x)=x の三つの解を小さい方からp,d,qとしたときに、偶数番目の列はqに、奇数番目の列はpに収束する。
p<d<qでp,qは異なる値であるから、元々のa[n+1]=a^a[n]を満たす数列は収束せず、振動する。
このとき f'(x)=1 を満たす解が必ず二つ存在する。
それらをβ、γ(β<γ)とする。
f'(x)の増減から、0<β<α<γ<1の関係を満たす。
(αはf'(x)の極大を与えるxでa^(a^α)=1/eを満たしている)
f'(β)=a^(a^β)*(a^β)*(loga)^2=1
f'(γ)=a^(a^γ)*(a^γ)*(loga)^2=1
g(x)=f(x)-xの増減は
0<x<β のとき、f'(x)<1 つまり g'(x)<0 なので減少。
x=β のとき極小値をとる。
β<x<γ のとき、f'(x)>1 つまり g'(x)>0 なので増加。
x=γ のとき極大値をとる。
γ<x<1 のとき、f'(x)<1 つまり g'(x)<0 なので減少。
またg''(x)=f''(x)なので、x=αがf''(x)=F'(x)=0を満たすから、x=αはg(x)の変曲点になっている。
ここでa^x=xを満たす解について考える。
h(x)=a^x-xとする(定義域0≦x≦1、定数aは0<a<1)
h(0)=1>0、h(1)=a-1<0、h(x)は連続なので中間値の定理より少なくとも一つ解を持つ。
さらに
h'(x)=(a^x)*(loga)-1 で loga<0、a^x>0 となるから h'(x)<0。
つまりh(x)は単調減少関数であるから、h(x)=0の解はただ一つである。
この解をdとする。
a^d=dを満たすとき
a^(a^d)=a^d=dであるから、x=dは g(x)=a^(a^x)-x=0 の解でもある。
ここでh(1/e)=a^(1/e)-(1/e)の符号を考える。
今考えているのは -(loga)/e>1 すなわち a<e^(-e) のときであるから、
(loga)/e<-1=log(1/e)
(左辺)= log{a^(1/e)} なので、底e>1だから
a^(1/e)<1/e
の大小関係を満たしている。
すなわち h(1/e)=a^(1/e)-1/e<0 である。
したがってh(x)=0の唯一解 x=d の範囲はもう少し限定できて、0<d<1/eとわかる。
f'(d)を考えてみる。
f'(x)=a^(a^x)*(a^x)*(loga)^2
にx=dを代入して、a^d=dの関係式を使うと
f'(d)
=(a^d)*d*(loga)^2
=(d^2)*(loga)^2
={log(a^d)}^2
=(logd)^2
d<1/e なので logd<-1 したがって (logd)^2>1 である。
つまり f'(d)>1 が成立する。
f'(x)>1 の範囲とは、上で増減を調べた通りで β<x<γ であるので β<d<γ となる。
この範囲では g'(x)=f'(x)-1>0 で g(x)は(狭義)単調増加だから g(β)<g(d)<g(γ)。
g(d)=0 だから g(β)<0<g(γ) である。
ところで g(0)=a>0、g(1)=a^a-1<0。
また調べたように増減は 0<x<β では単調減少、γ<x<1 でも単調減少であったから、g(x)が連続関数ゆえ中間値の定理より、g(x)=0 となる解が 0<x<β の範囲にただ一つ、γ<x<1 の範囲にもただ一つ存在する。
このように a<e^(-e) のときは a^(a^x)=x を満たす解が必ず三つ存在する。
一つは a^x=x を満たす x=d であり、それ以外にも二つ存在するので、それらを p,q(p<q)とする。
ただしそれぞれ
0<p<β<d<γ<q<1
の範囲に存在する。
元に戻って漸化式
a[n+1]=a^(a^a[n])
を考えるのであるが、偶数番目の数列か奇数番目の数列かで場合分けする。
[i]問題の偶数番目の数列の場合
両辺qで引き算し、qが a^(a^x)=x の解であるので、a^(a^q)=q の関係式を使うと
a[n+1]-q = a^(a^a[n])-a^(a^q)
とできる。
(1)や(2)と同様にして、a[n]>q なら f(x)=a^(a^x) が単調増加関数なので a^(a^a[n])-a^(a^q)>0
a[0]=1>qであるので帰納法より a[n]>q である。
a[n+1]-q = {a^(a^a[n])-a^(a^q)}/{a[n]-q} *{a[n]-q}
と同じように分母を無理矢理作り出して、f(x)=a^(a^x) の q<x≦a[n] で平均値の定理を適用すれば、
a^(a^a[n])-a^(a^q)/{a[n]-q}=f'(c1)、q<c1<a[n] となるような c1 が少なくとも一つ存在する。
これを用いて
a[n+1]-q=f'(c1)*{a[n]-q}である。
f'(x)の増減は
0<x<α(p<β<α)で f''(x)>0 だからf'(x)は単調増加関数。
したがって f'(p)<f'(β) 。
x=β、γ で f'(x)=1。
α<x<1(α<γ<q)で f''(x)<0 だからf'(x)は単調減少関数。
したがって f'(γ)>f'(q)。
この通りであった。
またf'(x)の最小値は x=1 のときで f'(1)=(a^a)*a*(loga)^2>0
以上より
0<x<pのとき0<f'(x)<f'(p)<f'(β)=1
q<x<1のとき0<f'(x)<f'(q)<f'(γ)=1
である。
以上からq<c1<a[n]であるので0<f'(c1)<f'(q)。
したがって
0<a[n+1]-q<f'(q){a[n]-q}
が成り立つ。
0< a[n]-q < {f'(q)}^n {a[0]-q}(a[0]=1)
となって、右辺は公比 f'(q) が 0<f'(q)<1 の等比数列であるから、n→∞のとき0に収束する。
したがって n→∞ で a[n]→q と収束する。
[ii]問題の奇数番目の数列のとき
このときは偶数番目のとは大小が逆になって、さらにqをpに置き換えれば同様の議論ができる。
すなわち
p-a[n+1] = a^(a^p)-a^(a^a[n])
として、a[n]<p がすべてのnについて成り立つことが分かる。
a[n]≦x<p に平均値の定理を適用して、
p-a[n+1] = f'(c2){p-a[n]}
(ただしa[n]<c2<p)
0<x<p のとき 0<f'(x)<f'(p)<f'(β)=1 だったので、0<f'(c2)<f'(p)<1
つまり
0< p-a[n+1] <f'(p){p-a[n]}
である。
0< p-a[n] < {f'(p)}^n {p-a[0]}(a[0]=0)
となって、右辺は公比 f'(p) が 0<f'(p)<1 の等比数列であるから、n→∞のとき0に収束する。
したがって n→∞ で a[n]→p と収束する。
以上から(3−2)a<e^(-e) のときは偶数番目の列、奇数番目の列はそれぞれ収束する。
その収束値は a^(a^x)=x の三つの解を小さい方からp,d,qとしたときに、偶数番目の列はqに、奇数番目の列はpに収束する。
p<d<qでp,qは異なる値であるから、元々のa[n+1]=a^a[n]を満たす数列は収束せず、振動する。