クイズ大陸



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?ボムボム 2009/10/20 01:33
f(x)の一回微分は
f'(x)=(loga)*a^(a^x)*(a^x)'=a^(a^x)*(a^x)*(loga)^2>0
したがってf(x)は単調増加関数。
f(x)の範囲は
f(0)=a ≦ f(x) ≦ f(1)=a^a

もう一回微分することを考える。
F(x)=a^(a^x)*(a^x)とする。
(このときf'(x)=F(x)*(loga)^2である)
F'(x)
={a^(a^x)}' *(a^x) + {a^(a^x)}*(a^x)'
=a^(a^x)*(a^x)*(loga)^2*(a^x) + a^(a^x)*(a^x)*loga
=a^(a^x)*(a^x)*(loga) * {(a^x)*(loga)+1}
0<a<1のときloga<0であるので
a^(a^x)*(a^x)*(loga)<0
(loga)*(a^x)+1=0 の解が存在するかどうかを考える。

式変形すると
log(a^(a^x))=-1
a^(a^x)=1/e
ここで左辺はf(x)であるので左辺の値の範囲は a≦f(x)≦a^a

上で考えたようにy=x^x(0<x<1)の値域は
(1/e)^(1/e)≦x^x<1
である。
左の数は(1/e)^xのx=1/eと考えられる。
底1/e<1であるから、1/e<1であれば、(1/e)^(1/e)>(1/e)^1=1/eの大小関係。
つまり
1/e<(1/e)^(1/e)≦x^x<1
したがって a^a>1/e である。

ゆえにF'(x)=0の解の存在はaと1/eの大小を考えることになる。
(1)1/e<aのときは、1/e<a≦f(x)≦a^aであり、F'(x)=0となる解が0≦x≦1に存在しない
(2)a=1/eのときはF'(x)=0となる解が存在し、x=0が解。
(3)a<1/eのときはF'(x)=0となる解が0<x<1に存在する。

(1)F'(x)=0の解が存在しないとき、すなわち1/e<aのとき。
F'(x)=a^(a^x)*(a^x)*(loga) * {(a^x)*(loga)+1}
(a^x)*(loga)+1 = logf(x)+1>0 である。
0<a<1 だから loga<0 なので、F'(x)<0 となる。
つまりF(x)は単調減少関数であるから
F(1)=(a^a)*a ≦ F(x) ≦ F(0)=a
f'(x)=F(x)*(loga)^2 なのでf'(x)の値域は
(a^a)*a*(loga)^2 ≦ f'(x) ≦ a*(loga)^2

y=x*(logx)^2の0<x<1における値域を考えると
y'=(logx)^2+2logx=(logx)*(logx+2) より x=1/(e^2)で極大値4/(e^2)をとる。
つまりx*(logx)^2≦4/(e^2)<1(e=2.718…)
よってx=aを代入した値 a*(loga)^2<1

すなわち f'(x)≦a*(loga)^2<1

g(x)=f(x)-xを考えると
g'(x)=f'(x)-1<0 なのでg(x)は単調減少。
g(0)=a>0、g(1)=a^a-1<0 だったので、このとき g(x)=0 となる解はただ一つしか存在しない。
つまり a^(a^b)=b を満たすようなbは 0<b<1 にただ一つ。

問題に戻って
a[n+1]-b=a^(a^a[n])-a^(a^b)
の漸化式を考える。
f(x)=a^(a^x) は単調増加関数だったので、
a[n]>b なら a^(a^a[n])>a^(a^b)、すなわち a[n+1]-b>0
a[n]<b なら a^(a^a[n])<a^(a^b)、すなわち a[n+1]-b<0
偶数番目を考える場合は a[0]=1>b で前者、奇数番目を考えるなら a[0]=0<b で後者である。
数学的帰納法より、問題の偶数番目の数列は常にbより大きく、奇数番目の数列は常にbより小さい。
いずれにせよa[n]≠bなので
(右辺)={a^(a^a[n])-a^(a^b)}/{a[n]-b} *{a[n]-b}
とわざとa[n]-bを分母に作り出す。

ここで f(x)=a^(a^x)、b<x≦a[n](≦1)において平均値の定理を適用する。
{f(a[n])-f(b)}/{a[n]-b}=f'(c) を満たすcが b<c<a[n] に少なくとも一つ存在する。
漸化式はこのf'(c)を用いると
a[n+1]-b=f'(c){a[n]-b}
と書ける。
上で考えたように0<x<1であればf'(x)は常に正であり、その値域は
(a^a)*a*(loga)^2 ≦ f'(x) ≦ a*(loga)^2 <1
である。
したがって f'(c) ≦ a*(loga)^2 <1 となる。
偶数番目の場合は a[n]-b>0 なので 0<f'(c)≦a*(loga)^2 と併せると
f'(c){a[n]-b} ≦ a*(loga)^2*{a[n]-b}
すなわち
0< a[n+1]-b ≦ a*(loga)^2*{a[n]-b}
0< a[n]-b ≦ {a*(loga)^2}^n *(a[0]-b)(a[0]=1)
となる。
n→∞のとき、右辺は等比数列でその公比 0<a*(loga)^2<1 だから0に収束する。
したがってはさみうちの原理よりa[n]→bである。

上の議論は偶数の場合で a[n]>b の場合を考えたが、奇数の場合は a[n]<b で
b-a[n+1] = f(b)-f(a[n]) とし、平均値の定理は a[n]≦x<b において適用すればよい。
あとは偶数の場合と同様にできて
0< b-a[n] ≦ {a*(loga)^2}^n *(b-a[0])(a[0]=0)
同様に、はさみうちの原理でa[n]はbに収束する。

(2)a=1/eのときはF'(x)=0となる解が存在し、x=0が解。
この場合は基本的に(1)と同じである。
F'(x)≦0 と等号が含まれるだけで、F(x)は(広義)単調減少。
F(1)≦F(x)≦F(0) で全く同じ議論ができるので省略。
結局a[n]は a^(a^b)=b を満たすただ一つのbに収束する。

(続きます)
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