自首者 ≫No. 1
えそん
2009/08/20 12:48
八月後半。約一ヶ月前、『目撃者たち』のナゾを解いた二人だったが、さらに奇怪な事件が
起きた。
「何?もう一回言ってみろ、柳川」
「はい、宗像警部。ええと、殺害されたのは佐藤株式会社の社長、佐藤 正志(58)。
社長室の中央で仰向けに倒れていて、胸には刃物のような物で刺されたアトがあり、多分
即死だと思われます。抵抗したアトがないので顔見知りの犯行だと思わ・・・いや、完璧
に顔見知りの犯行です」
「そこじゃない。ついさっき言った部分だ」
「ええと、佐藤 正志には三人の息子がいて、その全員が自首しています」
「共同で殺害したということか?」
「いえ、それぞれ別々の供述をしています」
「ふむ。二人が一人をかばっているということか」
「おそらく」
「三人はどのような供述をしたんだ?」
「この資料にまとめています」
そう言って俺はその資料を宗像警部に渡した。
「なるほど・・・。犯人はこいつだ。他の二人は開放してやれ」
さあ、犯人はだれか、あんたには解かるかい?
長男・佐藤 一平の供述
「俺はこの会社で働いていましたが、正直、いつも失敗ばかりで会社に迷惑をかけていました。ある日、オヤジから電話がかかってきたんです。「会社のことで話がしたい」、と。
きっと俺はクビにされるんだと思い、鞄に小さな包丁を入れて社長室に行きました。
中央にあるソファに座っていたオヤジがニヤニヤしながら立って、俺、すげぇキレテ
包丁を急いで取り出しておもいっきし腕をふりかざして刺したんです。刑事さん、
俺が殺したんです」
次男・佐藤 二郎の供述
「自分はたくさんの借金がありました。父に頼んでなんとかしてもらおうとしたんですけど
ある日、父に社長室に呼ばれて、行きました。父はソファの近くに立っていて、自分は「もうお前の面倒は見られない」、と言われたんです。父はそう言うと、社長室から出て行こうとしました。自分、怒って机の上に置いてあった
万年筆を取って父を呼び止めました。ドアのとってを握ろうとしていた父はふりかえって、
その瞬間に万年筆で刺したんです。刑事さん、自分が殺したんです」
三男・佐藤 三輔の供述
「僕は、彼女がいるんですけど、父さんが彼女のことをすごく嫌っていて、ある日、
父さんに社長室に呼ばれて、社長室に行きました。父さんは部屋の真ん中に立っていて、
「よく来たな」、と言いました。その後僕は彼女の悪口を散々聞かされて最後に「わかれろ」と、
言われて僕はカッとなっていつも持ち歩いている果物ナイフをバッグから出して刺しました。
刑事さん、僕が殺したんです」
起きた。
「何?もう一回言ってみろ、柳川」
「はい、宗像警部。ええと、殺害されたのは佐藤株式会社の社長、佐藤 正志(58)。
社長室の中央で仰向けに倒れていて、胸には刃物のような物で刺されたアトがあり、多分
即死だと思われます。抵抗したアトがないので顔見知りの犯行だと思わ・・・いや、完璧
に顔見知りの犯行です」
「そこじゃない。ついさっき言った部分だ」
「ええと、佐藤 正志には三人の息子がいて、その全員が自首しています」
「共同で殺害したということか?」
「いえ、それぞれ別々の供述をしています」
「ふむ。二人が一人をかばっているということか」
「おそらく」
「三人はどのような供述をしたんだ?」
「この資料にまとめています」
そう言って俺はその資料を宗像警部に渡した。
「なるほど・・・。犯人はこいつだ。他の二人は開放してやれ」
さあ、犯人はだれか、あんたには解かるかい?
長男・佐藤 一平の供述
「俺はこの会社で働いていましたが、正直、いつも失敗ばかりで会社に迷惑をかけていました。ある日、オヤジから電話がかかってきたんです。「会社のことで話がしたい」、と。
きっと俺はクビにされるんだと思い、鞄に小さな包丁を入れて社長室に行きました。
中央にあるソファに座っていたオヤジがニヤニヤしながら立って、俺、すげぇキレテ
包丁を急いで取り出しておもいっきし腕をふりかざして刺したんです。刑事さん、
俺が殺したんです」
次男・佐藤 二郎の供述
「自分はたくさんの借金がありました。父に頼んでなんとかしてもらおうとしたんですけど
ある日、父に社長室に呼ばれて、行きました。父はソファの近くに立っていて、自分は「もうお前の面倒は見られない」、と言われたんです。父はそう言うと、社長室から出て行こうとしました。自分、怒って机の上に置いてあった
万年筆を取って父を呼び止めました。ドアのとってを握ろうとしていた父はふりかえって、
その瞬間に万年筆で刺したんです。刑事さん、自分が殺したんです」
三男・佐藤 三輔の供述
「僕は、彼女がいるんですけど、父さんが彼女のことをすごく嫌っていて、ある日、
父さんに社長室に呼ばれて、社長室に行きました。父さんは部屋の真ん中に立っていて、
「よく来たな」、と言いました。その後僕は彼女の悪口を散々聞かされて最後に「わかれろ」と、
言われて僕はカッとなっていつも持ち歩いている果物ナイフをバッグから出して刺しました。
刑事さん、僕が殺したんです」