ついこの間の問題にも出てきたけど、ここはY君が住む町。
Y君率いる小さな探検隊たちは今日もある屋敷へとやってきた。
彼の学校の中では、この屋敷は忍者屋敷と呼ばれているらしく
夜中になるとその屋敷の前にある大きな池を何者かがダッシュで走っていると言う噂が立っている。
俺(Y君)は「今の時代に忍者なんかいるわけ無いじゃん」なんて思っているが、行動派のR(ガキ大将)が
「行こうぜ〜」なんて言うから、重い瞼を必死で持ち上げながら今日ここにやってきたというわけだ。
まったく、寝静まった家を抜き足差し足で出てくるのにどれだけ苦労したことか・・・。
Rはどうやって家を抜け出したのだろうか・・・。
そんな前置きはどうでもいいんだけど、まぁこうして俺らは忍者屋敷の前に立っているのだ。
近くまで来ると、その屋敷は見た目以上に大きかった。
「お〜い!!ここの窓開いてるぞ〜!!」とR。
何で開いてるのかなんてその時は考えもしなかったが、今思えばよく考えておくべきだった。
「正面のデカイ戸は?」
「開かなかったからここから入るんだろうが!!」
まったく・・・いつものことながら立派な不法侵入である。
・・・忍者屋敷っていう通り名の割にはテレビの時代劇で見るような仕掛けは無いようだ。
やっぱり、噂は所詮噂にしかすぎない。
ここは大きな平屋で、滑りが悪く開かない襖もそう少なくは無い。
Rが強引に開けようとするが、開かないし、皆で取り掛かっても到底開きそうに無い。何年放置してあるのだろうか・・・。
っていうか本来の目的って忍者を見つける為だったんじゃ・・・。
「何だ、ここも何もねぇな」とR。
「窓が開いているような屋敷にお宝があるほうが不自然だろ・・・。」
そう言いたかったが彼に歯向かうと決まって拳骨が飛んでくるのは分かっているから言わなかった。
彼を探検隊に入れるときもそうだった。
「絶対ヤダ」って言いたかったが、「絶対ヤ・・・」まで言った途端にもの凄い形相で睨みつけてきたもんだから結局受け入れた。
まさにジャイアンそのものだ・・・。
「おい、お前!!」
「(またか・・・)何?」
「・・・帰り道覚えてるか?」
「・・・はぁ!?」
「だーかーら!帰り道を覚えてるか?って聞いてるんだよ!!」
「まさか・・・忘れたの?」
「覚えてたらこんなこと聞くわけねぇだろうが!!」
「はい、ごもっともです。」
「だろ?んで、覚えてるのか?」
「覚えてるわけないじゃん、君についていっただけだもん。」
「チッ、使えねぇなぁ。」
「(あんただって忘れただろうに・・・)」
「何か言ったか!?」
「ううん、何も。」
そんな会話を交わしながらしばらく歩いていると、大きな戸があった。
きっとこれが例の開かなかった正面の戸なんだろう。
・・・どうやらご丁寧に内側から鍵が掛かっているようだ。
しかし、その鍵と言うのが曲者で、2つあるのだからたまったもんじゃない。
そして、いつだかにもみた立て札がある。ここでようやく今に至るわけだ。
その立て札と睨めっこをしながら俺たちは悩んでいた。
そこに2つの卵があるだろう。
一方は、雀の卵、もう一方は、鼠の卵だ。
しかし、本物はどちらか一方だけである。本物の卵の中に鍵が入っている。
しかし、一方の卵を手に取った瞬間、もう一方の卵は中身ごと消滅する。
両方とっては、どちらも消滅する。
と言う内容だ。
どうやら、右が雀の卵で、左が鼠の卵らしい。
チャンスは1回のみだから知恵を出し合って皆で考えているのだ。
「おいS!お前分からないのか!?この前の暗号も解いただろ!!」
「はぁ、ここでようやく登場できた。今まで無いもの扱いしやがって!」
出題者でさえ忘れていたのだから、相当影の薄い存在なのである。
続けてSは言った。
「俺はもう見当がついてるけど・・・。」
「じゃあどっちを取ればいいんだよ?」
「俺はこっちだと思うんだけど・・・。」
「お前、間違えたら容赦しねーぞ!」
「ひぃぃぃぃぃぃ(泣)」
「じゃあ取るぞ。」
「・・・・・・・・・やっぱ、俺ムリ。お前が取れ。」
「(ホントに小心者だな。といいつつ俺も怖いが、あいつを信じるしかない。)じゃあ取るよ。」
と、○○の卵を手に取った瞬間、もう一方の卵は消滅してしまった。
コンコン・・・パカっ☆・・・チャリーン☆
・・・鍵だ。ってことはやっぱりこの卵が本物だったんだ・・・。
カチカチ・・・カチッ☆
あ、開いた。
「お前ホントにすげーなぁ!!」
「でも、何であの卵が本物だって分かったの?」
「それは、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜だから♪」
「
なるほど〜!!」
そして、俺たちは無事に家に帰った。はずだった。
「・・・あんた、夜中に家を抜け出して何をしてたんだい?」と母。
「そっ、それはそのぉ〜。」
完全に目が泳いでいる俺にもはや弁解の余地は無い。
「外出禁止ぃ!!!」
「ひぃぃぃ(泣)ごめんなさぁ〜い!」
ところで、結局忍者っていなかったよね・・・。まぁいいか!!
さて、本物の卵はどちらだったのでしょう?理由も添えてお答え下さい。
たけ 2009/07/21 10:06
Y君率いる小さな探検隊たちは今日もある屋敷へとやってきた。
彼の学校の中では、この屋敷は忍者屋敷と呼ばれているらしく
夜中になるとその屋敷の前にある大きな池を何者かがダッシュで走っていると言う噂が立っている。
俺(Y君)は「今の時代に忍者なんかいるわけ無いじゃん」なんて思っているが、行動派のR(ガキ大将)が
「行こうぜ〜」なんて言うから、重い瞼を必死で持ち上げながら今日ここにやってきたというわけだ。
まったく、寝静まった家を抜き足差し足で出てくるのにどれだけ苦労したことか・・・。
Rはどうやって家を抜け出したのだろうか・・・。
そんな前置きはどうでもいいんだけど、まぁこうして俺らは忍者屋敷の前に立っているのだ。
近くまで来ると、その屋敷は見た目以上に大きかった。
「お〜い!!ここの窓開いてるぞ〜!!」とR。
何で開いてるのかなんてその時は考えもしなかったが、今思えばよく考えておくべきだった。
「正面のデカイ戸は?」
「開かなかったからここから入るんだろうが!!」
まったく・・・いつものことながら立派な不法侵入である。
・・・忍者屋敷っていう通り名の割にはテレビの時代劇で見るような仕掛けは無いようだ。
やっぱり、噂は所詮噂にしかすぎない。
ここは大きな平屋で、滑りが悪く開かない襖もそう少なくは無い。
Rが強引に開けようとするが、開かないし、皆で取り掛かっても到底開きそうに無い。何年放置してあるのだろうか・・・。
っていうか本来の目的って忍者を見つける為だったんじゃ・・・。
「何だ、ここも何もねぇな」とR。
「窓が開いているような屋敷にお宝があるほうが不自然だろ・・・。」
そう言いたかったが彼に歯向かうと決まって拳骨が飛んでくるのは分かっているから言わなかった。
彼を探検隊に入れるときもそうだった。
「絶対ヤダ」って言いたかったが、「絶対ヤ・・・」まで言った途端にもの凄い形相で睨みつけてきたもんだから結局受け入れた。
まさにジャイアンそのものだ・・・。
「おい、お前!!」
「(またか・・・)何?」
「・・・帰り道覚えてるか?」
「・・・はぁ!?」
「だーかーら!帰り道を覚えてるか?って聞いてるんだよ!!」
「まさか・・・忘れたの?」
「覚えてたらこんなこと聞くわけねぇだろうが!!」
「はい、ごもっともです。」
「だろ?んで、覚えてるのか?」
「覚えてるわけないじゃん、君についていっただけだもん。」
「チッ、使えねぇなぁ。」
「(あんただって忘れただろうに・・・)」
「何か言ったか!?」
「ううん、何も。」
そんな会話を交わしながらしばらく歩いていると、大きな戸があった。
きっとこれが例の開かなかった正面の戸なんだろう。
・・・どうやらご丁寧に内側から鍵が掛かっているようだ。
しかし、その鍵と言うのが曲者で、2つあるのだからたまったもんじゃない。
そして、いつだかにもみた立て札がある。ここでようやく今に至るわけだ。
その立て札と睨めっこをしながら俺たちは悩んでいた。
と言う内容だ。
どうやら、右が雀の卵で、左が鼠の卵らしい。
チャンスは1回のみだから知恵を出し合って皆で考えているのだ。
「おいS!お前分からないのか!?この前の暗号も解いただろ!!」
「はぁ、ここでようやく登場できた。今まで無いもの扱いしやがって!」
出題者でさえ忘れていたのだから、相当影の薄い存在なのである。
続けてSは言った。
「俺はもう見当がついてるけど・・・。」
「じゃあどっちを取ればいいんだよ?」
「俺はこっちだと思うんだけど・・・。」
「お前、間違えたら容赦しねーぞ!」
「ひぃぃぃぃぃぃ(泣)」
「じゃあ取るぞ。」
「・・・・・・・・・やっぱ、俺ムリ。お前が取れ。」
「(ホントに小心者だな。といいつつ俺も怖いが、あいつを信じるしかない。)じゃあ取るよ。」
と、○○の卵を手に取った瞬間、もう一方の卵は消滅してしまった。
コンコン・・・パカっ☆・・・チャリーン☆
・・・鍵だ。ってことはやっぱりこの卵が本物だったんだ・・・。
カチカチ・・・カチッ☆
あ、開いた。
「お前ホントにすげーなぁ!!」
「でも、何であの卵が本物だって分かったの?」
「それは、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜だから♪」
「なるほど〜!!」
そして、俺たちは無事に家に帰った。はずだった。
「・・・あんた、夜中に家を抜け出して何をしてたんだい?」と母。
「そっ、それはそのぉ〜。」
完全に目が泳いでいる俺にもはや弁解の余地は無い。
「外出禁止ぃ!!!」
「ひぃぃぃ(泣)ごめんなさぁ〜い!」
ところで、結局忍者っていなかったよね・・・。まぁいいか!!
さて、本物の卵はどちらだったのでしょう?理由も添えてお答え下さい。